廃業を決める前にオンラインで相談できる。サブスクリプション型M&Aアドバイザリーサービス「SoGotcha!MOA(ソガッチャモア)」
家業がピンチに陥る前に、サービスの助けを借りることで解決することがあるかもしれない。今回お話を聞くのは、株式会社マーブルの代表取締役社長の高橋祐未(たかはし・ゆみ)さん(以下、た)と取締役の曽我義光(そが・よしみつ)さん(以下、そ)。M&Aに関するアドバイザリーサービスを運営している。実はおふたりも家業があって、それぞれが持つ家業との関わりをもとに「SoGotcha!MOA(ソガッチャモア)」をどう役立てればよいかを語ってくれました。
▲お話を伺った高橋さん(左)、曽我さん(右)。
小規模の案件も扱えるサービス「SoGotcha!MOA(ソガッチャモア)」
——おふたりはどういったつながりで一緒に創業することになったんですか?
た:「私たちは前職のファンド運営会社の同僚だったんですよ。私たちの他にもうひとり、この事業のアイディアを考えてくれた知人がいて、それをきっかけに創業することになったんです。私はもともと自分で事業をやってみたいと思っていたので勢いで飛びこんでしまいました。」
そ:「僕はサービス開発を担当しているんですが、エンジニアとしてフリーランスだった経験もあるので特に独立したり創業することに怖さを感じたりはしていませんでしたね。」
——株式会社マーブルではM&Aに関する情報を発信しているメディア「SoGotcha!」とM&A相談サービス「SoGotcha!MOA」を提供していますよね。これはいったいどういうものなんでしょうか?
た:「サブスクリプションで月に10万円で10時間を上限としたM&Aに関するアドバイザリーがオンラインで受けられるというものです。ご相談いただいてから実際に取引を実行するところまでをアドバイスできます。」
サブスクリプションでアドバイスを提供するわけ
た:「M&Aのアドバイザリーは、成果報酬で手数料をいただくシステムがほとんどです。しかし、それでは小規模案件をお断りせざるをえなくなったり、少し懸念のある取引でも進めてしまう心理的な作用があります。このため、サブスクリプションという形をとったんです。サブスクリプションであれば取引が成約するかどうかは私たちがいただく報酬には関わってこないので、より利用してくださる方のためにアドバイスをしやすくなります。」
そ:「例えば私たちの前職で扱っていた案件規模は、10億円、20億円といった数十億円規模のものがほとんどでした。1億円以下の案件などをサポートする機関や法人がほとんどいないことから、このようなサービスを存在させることそのものに社会的意義を感じています。」
農業とお寺を家業に持つおふたり
——おふたりにも家業があるということですが、どんな家業なのか聞かせていただけますか?
▲高橋さんのご祖父様と。(写真中央が高橋さん)
た:「私は、曽祖父の代まで遡ると農業をやっていたのだそうです。どんな作物を作っていたかまではわかりませんが、印象的なエピソードがあって。実はこのインタビューを機に家業は遡ればどんな人にでもあるものだと聞いて、父母に連絡をしてみたんです。素っ気ない一行くらいのLINEで、『おじいちゃんおばあちゃんって何をしてたの?』というような。そうしたら父からも母からもとても長い返事が送られてきて。そこで農業が家業にあることを知ったのですが、家業を知ることは家族を知ることなのだとよくわかりました。」
▲曽我さんのご実家のお寺の様子。
そ:「僕は実家がお寺なんです。僕は三男坊なので家業を継がず、兄が継いでいます。今回の機会で家業について思いをめぐらせるうちに、僕自身のキャリアであるIT業界での経験を生かしてお寺を手伝えたらなと思うようになりました。兄と話してみたいな、と。さらに、25年くらい前まではお寺の隣で幼稚園も経営していて。これを廃業する時には園児を預けていただいている親御さんが新しい幼稚園を探さなければならない状況だったのだなと思うと、この時に廃業以外の選択肢をもっと持っていれば違った形で支援ができたのではないかと思いました。」
廃業するまえに事業承継するという選択肢を
——確かに、もっといろいろな選択肢があれば後悔する可能性は低くなりそうです。
た:「そうなんです。SoGotcha!MOAに相談するフェーズはいつでも大歓迎ではありますが、できることなら廃業を決める前にご相談いただきたいのはそういう思いからです。廃業も悪い選択肢ではありませんが、そこで培われた技術や事業を承継する選択肢をできればお手伝いしたい。子供が継ぐことと、廃業だけの二択ではなく、第三者への事業承継(M&A)や株を保有しながら経営だけ第三者に任せるなど、さまざまな選択肢があることを知って欲しいです。税制や法律など、知っているだけで回避できる困りごともたくさんあるんです。」
——やはり専門的なアドバイスをもらうことで違いが出るものでしょうか?
そ:「よく、M&Aのアドバイザリーって税理士や弁護士と何が違うのか聞かれることがあります。でも、M&Aを専門としている方でない限り、税理士や弁護士の先生方はM&Aの経験が一度もない方や少ない方がほとんどなんです。私たちの専門的なアドバイスは、これまでの経験からさせていただくものです。例えば、事業や株式の売買は金額が大きくなるので、価値評価をきちんと分かった上で事業承継をするのとそうでないのでは、大きな差が生じます。後悔のない取引にするためにも相談していただけたら嬉しいですね。」
おふたりへの相談は家業エイドから
——家業を持っている人のコミュニティ「家業エイド」のユーザーにも、家業を廃業するかもしれない方はたくさんいると思います。そういう方にぜひ教えてあげたいサービスですね。
た:「実は私たちふたりも『家業エイド』に登録してみました。専門的なスキルや経験を投稿して助けたり、教えたりする人を募るチャンネルに『M&Aの基礎的なことをオンラインで30分ほどお話する』というのを投稿してみようかと思っています。」
そ:「僕はIT戦略立案からシステム開発までが専門分野なので、そういう分野に興味がある人がいたら質問に答えてみようかな。」
——SoGotcha!MOAが月10時間で10万円なのを考えたら、30分教えてもらえるのって太っ腹ですね。ITも広い業界にニーズがありそうです。
た:「そうだったら嬉しいですね。私たちにとっても家業を持っている人の声を聞けるのはとても貴重なことなので楽しみにしています。」
そ:「そこで得たことをまたサービスに生かして行けたらいいですね。今後に期待してください。」
一見するととっつきづらいイメージがあったM&Aですが、お話を聞いていくと廃業や親子で継ぐ以外のあたらしい選択肢であることがよくわかってきました。それに、オンラインでアドバイスしながら伴走してもらうことで納得できる決断ができそうです。家業を継いでいなくても、自分が窓口になって専門家の意見を家業にフィードバックできたら、それだけで継がないで手伝う第一歩になりそう。
(聞き手・文:出川 光)
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本記事の内容・表現は、取材当時の"瞬間"を『家業エイド』視点で切り取らせていただいた、あくまで家業を通して皆様が紡いでいる物語の過程です。皆様にとっての「家業」そして「家業との関係性」は日々変わりゆくもの。だからこそ、かけがえのない一人一人の物語がそれを必要とする誰かに届くことを切に願っております。
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