1966年(昭和41年)の東京
今日紹介するのは、ドイツのカメラクルーが1966年に撮影した動画。
私が生まれた翌年の東京の様子だ。
約17分のこのフィルムには、朝食、出勤、工場の仕事、買い物、夕食など、典型的な日常生活のシーンが収められている。
この窓、郵便受け、牛乳受け、割烹着。
子供の頃はどこでも目にする当たり前のものだったのに、今ではもうめったに見かけない。
ガス炊飯器、背の低い冷蔵庫。
扉、窓枠、まな板など、木製のものが今よりもずっと多い。
プラスチックや金属でできたツルツルのキッチンは果たして豊かだといえるのかと考えさせられる。
水玉の茶碗と「しょうゆ卓上びん」が現在も変わらずにあることはうれしい。
ちなみに「しょうゆ卓上びん」のデザインは栄久庵憲司さんによるもの。
(たまには元デザイナーらしいことも言いたい。)
私が住んでいた中野を走っていた国鉄の路線は、中央線(オレンジ色)と総武線(黄色)。
京浜東北線を見る機会はまれだったので、このスカイブルーの車両は小学生時代には憧れだった。
かつて有楽町にあった日劇(日本劇場)。
1981年に閉館した。
歩道の舗装はこういう正方形だった。
テレビのチャンネルはガチャガチャ回す方式。
もちろんリモコンなどはない。
POPの文字も興味深い。おそらく平筆で書いているのではないかと思う。
こんな店構えの中華料理店ももう見かけなくなった。
八百屋も変わらないようでいて、今とはやはり違う。
毎日起きて寝てを繰り返しているうちに、すっかり変わってしまったのだなと思う。
少しずつ変化をしていると違いがわからない「アハ体験」のようだ。