爽やかでかわいい台湾ポップス―蔡黃汝『幸運女神』
「中国語でもかわいい発音、かわいい声というのはあるんだな」と、この曲を聴いて思った。
中国語の4つの「声調」のうち「第ニ声」では、ヤンキーが因縁をつけるときの「ぁあ?」のような尻上がりの抑揚をつける必要があり、そのように発音しないと違う意味の言葉になってしまう。
また、強く息を吐き出す「有気音」も、遠慮がちに息を出していると別の音(無気音)と聞き違えられてしまう。
中国語がちょっと「キツい口調」に感じられるのは、そんなことも原因にあるのかもしれないと思う。
台湾の人が話す中国語は「そり舌音」であまり大げさに舌を反らせないなど、中国本土の人のものよりも軽くあっさりとした印象がある。
それでもなお、タイ語などとは違って、私にとって中国語というのはあまり「かわいい」という印象のある言語ではなかった。
私が初めて「かわいい中国語」と思ったこの人は、蔡黃汝(ài huáng rǔ/ツァイ・ホアンルー)さん。
彼女はかつて「豆花(dòu huā/トウファ/ドウファ)」というスイーツの売り子さんだったので、「豆花妹(dòu huā mèi)」というニックネームで呼ばれている。
「美人すぎるビール売り子」として有名になった、おのののかさんの台湾版のような感じだ。
2009年には美少女トップ10で1位になり、Wikipediaによると現在も女優や司会者として活躍しているらしい。
このサウンドや映像は、いままで私が台湾のポップスに持っていたイメージも変えた。
爽やかで、明るく、軽やかだ。
コーラス部分に日本語が入っているのも楽しい。
彼女の顔は、特定の角度のときに女医の西川史子さんの若い頃に似ているなとずっと思っていた。
これまでそれを誰かに話す機会がなかったので、今日みなさんに言うことができて、スッキリしている。
では今日の1曲、蔡黃汝さんで『幸運女神』。
トップ画像:YouTube/蔡黃汝(豆花妹)【幸運女神】Official MV