楽しそうに演奏する人たち:Band Geek 『Thriller』
初回にどの楽曲を紹介するかを決めるのは難しい。
あまりマニアックな曲でもいけないし、かといって「ベタ」な曲でもつまらない。
ここで「いいね」と思ってもらえないと、先々にも影響する。
いろいろと考えた結果、「曲は有名だが、演奏者はあまり知られていないカバー曲」であるこの曲を選んだ。
Band Geekの『Thriller(スリラー)』。
『スリラー』はもちろんマイケル・ジャクソンさんの大ヒット曲で、私の年代でなくとも知らない人はあまりいないだろう。
一方で、この動画でカバーしているBand Geekは、さほど有名ではないと思う。
Band Geekは、ギターのリッチー・カステラーノ(Richie Castellano)さんによる「企画バンド」的な存在で、当初はPodcastで始まり、その後、特別ゲストが交代で出演するYouTubeバンドになった。
YouTubeチャンネル『Band Geek Podcast』の登録者数は、今日現在で7.8万人である。
この動画でバットマンのマスクをかぶっているリッチー・カステラーノさんは、名門バークリー音楽大学でソリスト賞を受賞したり、『Songwriters Hall of Fame』のソングライティング・コンペティションで1位を受賞したりしている実力派。
ブルー・オイスター・カルト(Blue Öyster Cult)というアメリカのロックバンドのメンバーとして知られている。
「Geek」というのは、日本語でいうところの「オタク」とか「マニア」といった意味で、「Band Geek」はアメリカのスクールカーストの底辺とされているから、自虐的でコミカルなバンド名だといえるだろう。
とにかく楽しそうに演奏しているところがいい。
楽しんで演奏している雰囲気がこちらにも伝わってくる。
私はとりわけ、Ann Marie Nacchioさん(ボーカル+キーボードの女性)のキュートな声と、Jarrett Pressmanさん(サウンドFX+ナレーション+カズーのぽっちゃりさん)のキャラクターが気に入っている。
立派なステージでの演奏ももちろんいいが、こういった狭い部屋で演奏している動画が好きだ。
日常的な空間に近いぶん、音楽の素晴らしさがより際立って感じられる。
ということで今日の1曲は、Band Geekで『Thriller』。
トップ画像:YouTube/Thriller - Band Geeks Halloween Spooktacular