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アジアの夜をさまよう美しい金魚:MONDO GROSSO 『ラビリンス』
鮮やかな衣装をまとった日本人女性がアジアの街角にいる写真や映像を見ると、それだけで「いいな」と思ってしまうところがある。
グラビアアイドルが古い日本家屋で撮影するのと同じような「対比」にすぎないのだろうけれど、そうわかっていてもやはり「いいな」と思う。
このMVが撮影された場所は俗に「モンスターマンション」と呼ばれる、香港の複合高層建築物だ。
近年インスタ映えする建物として国内外から観光客が集まるようになり、今は許可なく写真や動画の撮影をすることはできなくなっている。
実際にここに住んでみたら、ネズミとかゴキブリとか、下水の詰まりとか臭いとか、大変なことも多いのだろうか。
このマンションの一室で薄汚れた壁に貼った林美沙希さんの写真を見つめ、「ゲホっ、ゲホっ(咳)、美沙希さん……」などとつぶやきながらこの世を去っていくのは悪くない死に方だなぁなどと想像したりする。
MONDO GROSSOのことは、デビューした1993年から知っていた。
当時フォーライフ・レコードに勤めていた友人が、業界関係者に配布するためのCDを何枚か私にくれたことがあり、その中にMONDO GROSSOのアルバムがあったのだ。
この曲『ラビリンス』はMONDO GROSSOの14年ぶりのアルバム『何度でも新しく生まれる』に含まれていて、ボーカルとダンスに満島ひかりさんがゲストとして起用されている。
モンスターマンションのパンニングとオシャレなイントロで、冒頭から心をグッとつかまれる。
そして、鮮やかなオレンジ色の服で踊る満島さんの姿を見ていると、アジアの迷宮の中を泳いでいく美しい金魚のように見えてくる。
ということで、今日の1曲は、MONDO GROSSOで『ラビリンス』。