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ARバトルで重要な身体性を活かしたゲーム企画のポイント

こんにちは、Leap Triggerプロデューサーのしょーたです。

今回は、AR体験とゲームのエンタメを組み合わせる際に重要なポイントについて、弊社がこれまで手掛けてきた、Holo BreakとLeap Triggerの2タイトルを例に挙げながら書いていきます。


1. Holo Breakで意識したポイント

Holo Breakは、自分のスマートフォンがマトになり、相手と撃ち合うARシューティングバトルです。

チーム戦で、お互いのチームにあるタワーを攻略することを目指します。
テーマパークなどの商業施設で、対面で友達と一緒に遊ぶことを想定して開発しました。

開発時のポイント

Holo Break開発時のユーザーインタビューで判明したことに、動きながら弾を打って遊ぶ体験は、ユーザーにとっては新しい体験であるため、自分から動くという発想に結びつかないという課題がありました。
上記の課題を解決するため、ユーザーに自然と動くことを促す仕組みを導入しました。

1.シールド・バックアタックを導入

プレイヤーの正面はシールドで守られ、背後からの攻撃にはダメージボーナスが乗るような仕組みを導入しました。
これによって、ユーザーがどのように動けばいいのか理解しやすくした上で、積極的に動く動機を与えることを狙いました。

2.攻略対象としてタワーを導入

2つ目の仕組みがタワーの導入です。ゲームの勝利条件をプレイヤーの撃破ではなくタワーの攻略に変更することで、タワーを狙っている背後を他のプレイヤーに取られてしまうジレンマを作り、駆け引きの要素を作りました。
このように、Holo Breakの時は「どうやってプレイヤーをフィールドの中で動き回らせるか?」を中心に、身体性の仕組みを作り上げていきました。

2. Leap Triggerで意識したポイント

Leap Triggerは、オンラインでも遊べるモバイルARシューティングゲームです。
プレイヤーはバディと呼ばれるモンスターを召喚して共闘し、相手プレイヤーの撃破を目指して戦います。

開発時のポイント:身体性を活かした遊び

Leap Triggerは元々、Holo Breakをベースとしたモバイル版ARシューティングゲームとして開発を進めていました。

開発初期はHolo Breakをそのまま移植し仮説検証を繰り返していましたが、ただ移植した状態のHolo Breakは、明らかに「面白くない」体験でした。
というのも、Holo Breakは対面で友達と遊ぶことを前提として作った体験だったため、オンライン対戦にも対応するLeap Triggerは相性が悪かったのです。

具体的な相性の悪さは以下の2つです。

オンラインと相性が悪いポイント①:フィールドを動き回ることが前提のデザイン

前述のバックアタックやタワーの導入など、Holo Breakではプレイヤーが大きくフィールドを動き回ることを前提としていました。
そのため、広く動ける方が一方的に有利な状況を作れてしまうHolo Breakのシステムは、遊ぶ場所によって可動範囲が異なるオンラインには不向きだということがわかりました。

オンラインと相性が悪いポイント②:相手の居場所が分からないから、画面に弾が溢れると どこから飛んできたのか分からなくなる

対面で友達と遊んでいる時は、他のプレイヤーがどこにいるかを簡単に把握することができますが、オンラインの場合はそうではありません。
なので、画面内に表示されるオブジェクトの数が多くなりすぎないように、システムを設計する必要がありました。

最終的に

・フィールドを動き回ることが前提のデザイン
部屋中を動き回るのではなく、相手の攻撃をしっかり見て避ける楽しさを作る

・画面に弾が溢れると、どこから飛んできたのか分からなくなる
画面を連打して攻撃するのではなく、じっくりと相手を狙って攻撃する楽しさを作る

上記のような、遊ぶ場所の広さがプレイヤーによって異なる場合でも、身体性を活かして楽しめるようなコンセプトを再定義した体験を作りました。

開発時のポイント:プレイヤーをワクワクさせる仕掛け

Leap Triggerでもう一つこだわったポイントとして、バトル中の背景演出があります。
一般的なARゲームとは異なり、Leap Triggerではプレイ中にバーチャルな背景が表示されます。(オプションでOn/Offの切り替えが可能)

開発を進めていくうちに、AR体験が最大化されるシチュエーションには、現実の「映え」が必要だということに気づきました。

観光地やフォトスポットにいるからこそ、ARでポケモンを出して写真撮影をする価値があるわけです。

そのため、シューティングゲームでは、自分の部屋にただ敵が出現するよりも、自分の部屋がバトルフィールドに変化し、その中で相手と戦った方がワクワクを生めると考えました。

この辺りはVRの思想に近い部分があり、AR体験にも上手く取り入れることができるのではないか?と考えて検証した機能です。

最後に

同じARシューティングゲームでも、オンラインかオフラインかなど、遊ぶ場面によって面白さを引き出せる体験は大きく異なります。 今後も、ユーザーの皆様にとって最もワクワクするような楽しい体験は何か?ということを突き詰めた体験設計を目指していきたいなと思っています!

Graffityでは、このような仮説検証力と仮説検証スピードを活かし「最短3か月で“心を動かす”ARエンタメ」をコンセプトに、AR技術に特化したエンタメの企画・開発と、DX化を支援するスタジオ「Graffity AR Studio」を運営しております。

これまで累計23万ダウンロードを突破したARシューティングバトル「ペチャバト」や、グローバルに展開しているARシューティングバトル「Leap Trigger」など、ARゲームを開発・運営しており、これらの知見を活かし、スピード感を持ってARを活用した“心動かす”エンタメの企画から運用までを、ワンストップでサポートいたします。

スピード感を持って仮説検証を通してAR体験をブラッシュアップしたい企業様はぜひ「Graffity AR Studio」へお問い合わせください。

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