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Peace,Love,NoWar! (How are You? 清志郎さん!)


EARTH CONSCIOUS ACT '03
「Peace , Love , No War」(2003年4月29日 記)

4月22日が「EarthDay」だなんて
どれだけの人達が知っているんだろう?
日々ぼくがよく耳や目にするラジオや
テレビではほとんど触れていなかった
気がする。
ぼくは以前にたまたまこうした催しが
毎年行われているのを知る機会があったので
「あぁ今年もそういう日なのか...」
くらいの認識でした。

でも今年のこの「EarthDay」という
意味合いのスローガンを鑑みてみると、
昨年からつづく様々な事柄が特別に
切実で不透明な意味合いが
浮かび上がってくる気がします。

正義の旗を掲げた覇権の台頭。
それになびくことを運命づけられた
今では懐がお寒い国家。
メディアには映らない滴る血。
覆い隠したまま スマートに終えた
とでも言いたげな戦争。
相変わらず脅しのカードを世界に切り続け
なければ孤立してしまいそうなほど
切羽詰まった国家。

誰もが隙あらば世界を手玉に取りたがり、
世界地図が再び塗り替えられようとし
始めたかに見える今日……

不景気ながらも慌ただしい
年度末を乗り越えたぼくは、
少しの時間の余裕が見え始めたこの日、
5時の定時に思い切って仕事を
切り上げ(切り捨て???)
すぐ近くの日本武道館へ足を向けてみた。
ここのところ少し不安定だった空模様も
朝からとてもいいお天気。
毎年のことながらいつの間にやら
日は延びて、まだこの時間は
明るい時間帯なのですね。

久しぶりの青空に少しだけ胸がすく。

様々な年齢層の人々や、
昔ほどおおっぴらに声を張り上げない
ダフ屋をすり抜けて当日券を手に入れた。
(夕べ奥さんのへそくりから
少しだけ失敬してこの日の
チケット代を捻出した。)
全く期待していなかった席は
思った以上に見やすいところで嬉しかった。
家族にも内緒のほんの気まぐれで
来ちゃったので少し後ろめたさは
あるものの、仕事にうまく”けり”が付いた
こともあり、迷いは何もなかった。

開演までの時間。
はじめは、なかなかいかしたR&Bが
いくつか流れていたけど、
しばらくすると主催者によるこの
コンサートの趣旨や環境問題を
提示する企業のコマーシャル
メッセージが繰り返し繰り返し流れている。

夕刻6時半 定刻に スタート。
アコースティックギター、三線、口笛と
夏川里りみ さんの暖かでよく通る歌声。
ラジオでよく耳にするイメージ通りで
ホッとさせてくれた。

つづく及川光博さんは、
ぼくは失礼ながら余りよく
知らないアーチストでしたが、
嫌みのある華を逆手にとって、
うまく自分をプロデュースした
パフォ-マンスで会場の女性は
大盛りあがり!!!
同じ振り付けと声援にぼくは
圧倒されながらもゲストに出てきた
忌野清志郎とのデュエット曲
「LoveSong」と紹介していた曲が
とてもタイトに決まっていて
思わず気分がググッと盛り上がった!

そして、ステージ・セットの
模様替えのため女性のナビゲーターと
「インスピ」というアカペラボーカル・
グループの方たちや国際清掃登山隊の
野口 健さんとのやり取りを挟んで、
いよいよ忌野清志郎のパフォーマンス。

全国を自転車に乗ってツアーを
敢行中とのことで
ここでもドラムスの方と共にその
サイクリング自転車に乗って登場!
清志郎のアコースティック・ギターと
ドラムスの二人編成。
思いっきりディストーションを
かけたギブソンの歪んだ音と
破壊的なドラムスのリフ。

「風に吹かれて」から
「花はどこに行った」、「君が代」、
新しいアルバム「プーアの森」を交えて
かなりアグレッシヴなパフォーマンス!

忌野清志郎なりのこの世界への態度。    
   「異議申し立て」

スマートじゃないけど、
調和のない不器用な音のメッセージ。
暗い影を落とす今年、この日の隠れた
BGMが浮かび上がってきたようでした。

清志郎のセット最後の「君が代」の
エンディングを迎える前に
後ろのバンド機材と暗やみに
紛れてThe Hobo King Bandの
メンバーが定位置に着き彼の
パフォーマンスに微笑みながら
自分たちの出番を待ちかまえている。

ムースとスプレーをしこたま振りかけた頭を
かきあげながらギブソンを掻き鳴らした後、
前に突き出したステージから踵を返し、
カウントと共になだれ込んだ!
The Hobo King Bandの
R&Bサウンドに清志郎が揺れる!!

豊かなR&Bサウンドの中 
清志郎は The Hobo King Band を
会場に向けて紹介し、続けて
佐野元春をステージに呼び込んだ。

そしてThe Hobo King Bandは
次のビートを叩き出す。

「明日なき世界」Eve Of Distraction 
日本語歌詞が付された清志郎のバージョン。

「感じねえかよ。このいやな感じを。
一度ぐらいはテレビで見ただろ
 世界が破滅するなんて嘘だろ?!
 う・そ・だ・ろ!」

珍しくステージでメガネを
かけた佐野元春は赤いチェックの
半袖シャツにサンバースト色の
セミアコギターを抱え、清志郎のすぐ横で
揺れながら歌い始めた。

いつもの落ち着き払った
佐野元春とは違った、
久しぶりに無邪気なロック少年に戻って、
粋なシャウトを聴かせてくれた。

「君の知らないメロディ、
聴いたことのないヒット曲」
清志郎が「トランジスタ・ラジオ」を歌う。
佐野は「ベイエリアから、リバプールから、
このアンテナがキャッチしたナンバー~」の
箇所を受け持って唄った。

主催者にFMラジオ局が名を
連ねたこの催し、清志郎がラジオなら
佐野もラジオの楽曲を!

「悲しきRadio」

Dr.KYONのキーボードが鳴り響く。
清志郎もコーラス、
そしてサンバ・ホイッスルのようなラッパを
効果的に鳴らしていた。
いつもの後半のメドレーでは清志郎は
ソプラノサキソフォンを吹き鳴らす。
(少しぎこちなく…。)

お互いの紹介もどこか微笑ましい。
「中学生の頃枕元に置いていた
ラジオから流れてきたのが
初期のRCサクセションの曲なんだ!
その清志郎と同じステージに
立てるなんてとても幸せ!!」と佐野が話せば、
清志郎は「まいったなぁ~」と
照れながら佐野を「スルメ」に例えた。

忌野清志郎は、佐野元春 &
The Hobo King Bandと会場の
でっかな拍手と声援を背に受けて
サイクリング自転車で
バックステージに消えてゆく。

佐野元春 & The Hobo King Bandの
ステージ。

ファンクラブ限定での
「PLUG & PLAYツアー」から
年を越して約半年、今年の2月に
「EPIC25」の記念イベントへの参加。
3月には新しいツアー
「The Milk Jam Tour '03」の発表。
そしてこの4月22日に催された
今回のアースデイコンサート。
4月29日には単独で
「音楽家たちの平和セッション」への
参加など 噂では新しいアルバムの
果てしないレコーディングは
続いていているにもかかわらず、
今年が「ライヴの年」にする と
話してくれていたとおり、
おもてだった活動を精力的に行っている。

ステージのライトが落ち。
The Hobo King Band が
再び新たなサウンドを紡ぎ出す。
軽快でいて洒落たイントロ・
サウンドが響く。何の曲かはわからない。

”あの光の向こうに~”
「ストレンジ・デイズ」

以前からアグレッシヴなものから
穏やかなものまで様々なアレンジを
施されてきた曲ではあるけれども、
今回のこのアレンジと歌い方は
どれにもあてはまらない軽快さと
奥行きの深さを感じる。

続く、変わらずエッジの効いた
「Shame」
佐野の20周年アニヴァーサリーの時に
販売されたアコーステックギターで
イントロをこれまた軽快に鳴らして始まった  「愛のシステム」(歌詞は12年前の
「グッドバイ・クルエルワールド」
アンプラグド・ライヴのものと同じく
「アメリカの清らかな海~」に替えられていた)

ガッキーンとギターを掻き鳴らし
"ダ~ンス?!”
チョット会場を困惑させてから始まってた
「ヴァニティ・ファクトリー」
どれも、メッセージ性の濃い 
佐野元春ならではの

「異議申し立て」

二人で演った「悲しきRadio」の
後半メドレーの終わり箇所
「愛する気持ちさえ分け合えれば
I Love You , You Love Me 」も
二人のシャウトは
「 Peace , Love , No War ! 」
に替えられていた。

とても印象的な場面として
耳と目と心に焼き付いている。

現在のこの世界がどう見えるのか?
いまだにわからないことばかりのまま、
ぼくは年を重ねている。
将来、未来を見通せずに過ぎてゆく日々。
その日暮らしのごとく働き回り、
流されてゆく日々。

大きな視野を持ち意識的な活動を
行い続ける二人が
こうした現在の世界の成り立ちを
見つめてみる日に同じステージにて
それぞれの音楽によるユーモアと
粋な格好良さで態度を表明したこと。

それは、ぼくらに自然な「しるし」として
日常の生き方の中で見え隠れする事柄として
記憶のすみに刻み込まれた気がします。

アンコールにはまさかこの日に
聴けるとは思っていなかった
「アンジェリーナ」と
「SOMEDAY」演ってくれた。

最後の「SOMEDAY」は、
格別にタイトでまるで灰色に
燃え尽きた様なサウンドになっていた。

Dr.KYONのわざと音を微妙に
はずしたようなピアノ・メロディ。
たかしの素っ気なく力強いドラム。
井上富雄さんのゴツゴツとしたベースライン。
こちらの共感をあえて拒絶するかの様な
The Hobo King Band の演奏と
佐野の歌い方。

キラめくような希望を携えた以前の
サウンドとはかなり違った強烈な
インパクトをこの日の
「SOMEDAY」は孕んでいた
気がします。

このめまぐるしい日々に
新しい段階へと歩む過程にいる
佐野元春 & The Hobo King Band が
奏でる音。

セット曲は数曲で、
趣旨も違っているかもしれないが
新しいアルバム完成を前にして行う
「The Milk Jam ツアー」の音を
少しだけ垣間見れた気がします。

次のツアーのライヴチケットは
確保出来ています。
ぼくは「コンサートライヴ
どころじゃないだろぅ?」という声に
後ろめたさを感じながらもお構いなしだ!。

初夏のライヴ 楽しみにしています。

どうもありがとう!!!

夏川りみさん、及川光博さん.
The Hobo King Band.
そして、偉大なる日本のロックアーチスト

忌野清志郎 ・ 佐野元春 .

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