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1984年生まれの「訪問者たち」

1984年5月21日(月)
佐野元春 4thアルバム
「Visitors」リリース

ぼくは十代の後半、
待ちきれずに発売日の前の週の金曜日の夕方、
ダイヤモンド地下街のレコード屋さんに
品物が納入されるのを待ち構えて
店員さんを手間取らせながら
手に入れたのを覚えています。

さまざまな感想が寄せられる
画期的で斬新な作品です。
この作品は確実に日本のロック音楽、
ポップ音楽の可能性を前に推し進めた
サウンドだと思う。
そして、既存のどんなカテゴリーにも
スッと当てはまらない独自のスタイル、
現代の景色を誰にも構築できない
言葉とグルーヴでスケッチしたまさに
"佐野元春"独自の情熱と野心の結晶の
ように感じます。

当時の元春フリークなぼくには
ニューヨークから産地直送の
ラジオプログラム
「MotoharuRadioShow」と
雑誌「This」がそばにあったので
あのニューヨークで何かすごい事が
起こっているのをにわかに
感じる事が出来ていたと思う。


初期の作品のラフさや
緻密さの中で構築された
ロックンロールサウンドに垣間見る
実験性と言葉のセンスとグルーヴ
その中に見え隠れしていた
佐野元春の本質と魂が
このアルバム「Vistors」においては
当時のニューヨークの生活と空気に
触発されて、何のオブラートも
かけられずに剥き出しのまま
さらけ出されたサウンド
だったのかもしれません。 

40年という時が過ぎてもアルバムの中の
グルーヴと言葉たちは色褪せる事なく
この世界に引っかき傷を残している。

幸運にもこのアルバム「Visitors」を
ターンテーブルに乗せた時に溢れ出す
サウンドへのトキメキは、
いまでも時々 この狭い部屋の中で
ぼくを当時のようにグルグルと
廻らせてしまう事があります。

ぼくもささやかな望みや痛みを抱えた
この世界をあてもなく通り過ぎる
見知らぬ訪問者のひとり。

たまには行儀良く
しなくちゃな……  (^_^)v

Beat Goes On !!!!  Baby!!

(title image is
FULL MOON QUARTETT
by  mr. Mark Kostabi)

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