文系のための大学院進学準備その5 研究計画書

 この記事も、約半年もの長期間をかけて「その5」までやってきました。
 記事を書く締め切りがない分、それぞれの内容がスローペースですみません。
 さて、今回は題名の通りで、大学院入試にとっては提出が欠かせない「研究計画書」について簡単に書いておこうと思います。

 とは言っても、研究計画書については、ネットで検索するといくらも出てくると思うので、そちらを参考にしても良いと思います。この記事も何かの参考の一つになれば幸いです。

・研究計画書 概要

 さて、「研究計画書」とはその名の通りで、「研究計画を書いた書類」です。
具体的には何か。
・「大学院に入学したら、どのような研究をしたいか」
・「その研究の意義は何か」
・「どのようなペースやスケジュールで研究してゆくのか」

これらをまとめたものです。
 特に、「大学院試験の出願に必要な書類」ですから、その準備はしっかり行っておく必要があります。


 これまでのnoteでは、大学院の試験について書いてきました。
・語学試験
・専門科目試験
・口述試験

という3つが大きな柱であることは説明してきました。
 そのうち、語学試験や専門科目試験は、単純にその人物に知識能力があるのかを測るものです。
 対して、口述試験(面接)で参考にされるのが、この「研究計画書」です。
 口述試験で問われることのメインは「どのような研究をしたいのか」ということに尽きます。その際に、事前に教員たちに情報を伝えるのが「研究計画書」ということになります。
 口述試験では、「研究計画書」に基づいた上で、さらに具体的に説明を求められたりします。すると、こちらは出願前にしっかりと練っておく必要があるでしょう。

※以前の記事で書いたような、研究室への事前の訪問は、ある種の「研究計画書」以前の段階とも言えます。書類で提出・出願する前に「このような研究をしてみたい」「そうした研究を指導してくれるか」を教員に尋ねるものですから、教員にとっても学生側にとっても、事前に伝えておけるという意味では少し安心できる材料にはなると思います。

・その内容や形式

 次に研究計画書の形式です。
 基本的な形式だけでいえば、おそらく文系も理系も大きく変わらないのではないかと思います。とはいえ、研究室での実験ではなく、全国各地やさらには諸外国の資料館などに調査に行って研究を行おうとする文系の場合はスケジュールも少々違ったりするでしょう。

 その上で私見をいうと、「論文と同じような順番」にまとめれば良いと思ってます。(以下、⚪︎数字は書いてゆく順番)

第一に「修士論文でどのようなことをまとめたいか」を念頭に、
①研究テーマ名
②研究内容の概略
③先行研究では誰が、どのようなことを、どのような手法で研究しているのか
④自分は先行研究と違うところはどこか、新しく何を明らかにするのか、その学問上の意義は何か
⑤研究を進めてゆくスケジュールと内容(まず一次資料を集めて〜とか、情報分析して〜とかを書く)

※より丁寧にするなら、「修士1年前期」「後期」「修士2年前期」「後期→修士論文執筆」とそれぞれの時期ごとに、何を行なってゆくのかのスケジュール感を書き出してゆく

このような流れだと思います。

 ①〜④までは、論文の冒頭で書く内容と被ってきますよね。当然ながら、論文を書くに当たって先行研究が調べきれていなければ意味がないですし、どのような研究を行なっていくのか、その概要説明も必要です。
 異なるところは⑤くらいではないかと思います。
 修士ならば、2年間の間にどのような研究を完成させるのか、それをスケジュールに割り当てていって考えてみることが必要になります。

 親切(?)な大学院では、指定の研究計画書の書式に、既に「修士1年前期」「後期」などと、スケジュール別に区分けしてあったりします。

・注意事項

 最後に注意事項です。
 まず、大学院に出願するときの書類を確認してみてください。
 「自分の研究を説明する書類」ってあんまりないんですよね。
 例えば、「卒業論文(夏の入試の場合はその要旨)」と「研究計画書」くらいしかないのではないでしょうか。
 大学院は、学部生のころと違って「受け身で授業を受けて試験突破すれば卒業」というものではありません。少人数の環境、大学教員との関係性、ゼミでの研鑽を経て、自分自身のオリジナルな研究を形にして、修士論文執筆→修了と続きます。
 すると、「この人物がどのような研究をしたいのか」「その研究に値する能力があるのか」を知りたいのは、教員側の自然な反応です。
 しかし、「自分の研究を説明する書類」が、卒論と研究計画書しかないということは、そこに大きな意味合いがあることを理解しておくと良いと思います。


 さて、今回はここまで。
 研究計画書に関する記事は、もう少し細かく書いた方が良いかもしれませんね。
 ご意見・ご質問はお気軽に、私のTwitterのほうにお寄せください。そちらへのご質問内容も踏まえて、この記事もどんどん加筆してゆこうと思います。

 最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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