「They≠彼ら」が当たり前に
2019年の"Word of the Year(Selected by merriam webster)"にTheyが選ばれたことは、BBCやCNN、日本では朝日新聞が取り上げ、多くの関心を集めました。
今回は、そんな性別を問わない単数形の代名詞としてのTheyについて、書いていきます!
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theyと言えば、「彼(女)ら」という複数の代名詞であると英語の授業で教えられました。
しかし、現在、男女別の単数の代名詞「he(彼)」「she(彼女)」に換えて、「they」を単数形で使う動きが広がっています。
例)友人を紹介する場面
「This is my friend, Nao. I met him/her at work」と言っていたのを、
ノンバイナリーの友人を紹介する際は
「This is my friend, Nao. I met them at work」と言う。
これは、「ノンバイナリー」の方たちに対して、『ワシントン・ポスト』紙が2015年に使い始め、AP通信も2017年に表記の仕方を取り決める「スタイルブック」に採用するなどして、認知が広がってきました。
また、あまり知られていませんが、メリアム・ウェブスターによると、単数形のtheyは、最近発明されたのではなく、実は600年以上も前から、生まれる前の赤ちゃんなどの用法で、性別がわからないときにも使われることがあったそうです。
では、なぜ今、単数形のTheyが人々に注目されるようになったのでしょうか?
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たくさんの要因があると思われますが、今回は2つ紹介します。
①著名人による自身を示す代名詞としてのTheyのカミングアウトの相乗効果
メリア・ウェブスターのピーター・ソコロウスキー編集長は、「they」の検索件数がオスロ・グレースの記事やサム・スミスのカミングアウトをきっかけに伸びたと述べています。
なお、Ms.やMr.の代わりの性別を問わない敬称として「Mx.」が用いられるようになっていますが、「Mx.」もすでにメリアム・ウェブスターの辞書に掲載されているそうです。
「個人の代名詞という基本的な単語でさえ、検索データのトップに踊り出ることがある。これは意外なことだった」
「我々のサイトの検索件数はニュースになった出来事に左右される一方、辞書は言語そのものついての重要な情報源になっている。『they』の使い方の変遷は、ここ数年で多くの研究や論説の対象になっている」
②公的機関による『They』の使用の発表
アメリカ心理学会が「相手の性別がわからない場合や、個人が『they』を好む場合は、正式な文書であっても『they』を使用すべきである」と発表したことも話題になりました。
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英語圏を中心に今まで隠そうとしていたジェンダーの存在が徐々に認知され、それに対応する行動が人々に求められつつある今、私たちに何ができるのか考えていかなければなりません。
参考記事(英語・日本語)
【BBC】
【CNN】
【朝日新聞】