タイムフリーが終わる前に♪9の音粋(#キュウオン)「宮川彬良さんに聞いてみないとね~特集」2024,8,12つまみ聞き

昭和歌謡の奥義に触れて「楽しいなあ」連発するDJと思い込みトークをバッサリ斬られるDJ2人の音楽トーク番組。BAYFM9の音粋(#キュウオン)月曜日。2024,8,12《宮川彬良さんに聞いてみないとね~特集》タイムフリーが終わる前に是非お聞き下さい!ここではちょっとつまみ聞き。DJはスージー鈴木(スー)ミラッキ大村(ミ)ゲスト・緻密で深い楽曲分析をこの上なく楽しくパフォーマンスして下さった宮川彬良(宮)※宮川彬良先さんのトークはほぼ全文書き起こしてあります。
スー)8/1でございます、パリ五輪も終わりこのオリンピックもまたTV中継ほとんど見なかったスージー鈴木でございます、そして。
ミ)同じくですミラッキ大村です。
スー)NHKが通常編成に戻るのが嬉しくて「映像の世紀」が(見られるのが嬉しい)、と世の中に反した事を言っておりますが。今週は《宮川彬良さんに聞いてみないとね~特集》早速ご紹介しましょう、作曲家で舞台音楽家の宮川彬良先生でございます。
宮)はい、今晩は~宮川彬良でございます。
ミ)宮川彬良さんは今月24日(土)河口湖ステラシアター大ホールで行われる「宇宙戦艦ヤマトストリングスコンサートTV放送50周年スペシャルin富士山河口湖音楽祭」にご出演されます。チケットはeプラス、チケットぴあ、ローソンチケット、CNプレイガイドなどで好評販売中です。こちらどんなコンサートなんでしょうか。
宮)あのぉご存知かどうか知りませんけど「ステラシアター」っていう、コロッセオみたいのがあるんです。石造りの劇場ですよね、屋根はあるんですけど物凄く素敵な音が響く空間が、それが「ステラシアター」っていう。
ミ)河口湖に?
宮)河口湖にあるんです。正面にね富士山が見える。
スー)ロケーション。
ミ)わぁ素晴らしい。
宮)で今年50周年なんでね「宇宙戦艦ヤマト」の。ささきいさおさんをゲストに呼んで、あそこで弦の響きに満たされた「宇宙戦艦ヤマト」のコンサートっていうのがいいんじゃなかなと思って。
ミ)ストリングスコンサートという事ですね。
宮)はい。
スー)8/24ですね。という訳でこの番組的に9時台前半は昭和歌謡の名イントロについて、宮川彬良先生の解説を聞いてオリジナルを聞く、という事で2倍3倍にイントロの素晴らしさを楽しめるんじゃないかと。
宮)ああそうですか。
スー)私、好きなイントロいくつか持って参りました。
宮)そうですか。
スー)まずはジュディ・オング’79『魅せられて』のイントロ。僕子供の頃ホント好きだったんですけど、あのイントロの妙味はどの辺にあるんでしょうか。
宮)え⁈なんでスージーさん、あの“イントロ”が好きだったの?
スー)♪ンカカカ、カカカカ、カカカカカカカカ~怖かったんですよ、なんか子供の頃。
ミ)ハハハッ。
宮)ハハッ噛みつかれるようだよね、確かに確かに。
スー)フフッそうそう。
宮)こんなんですよね(キーボード弾く)♪~~それでなんかちょっと♪~~なんかちょっと音痴な音程なんだよね♪~~。
スー)♪ラソシラ~。
宮)うんこれがなんかちょっと凄い気になる音だったり。
スー)あっ僕もそこかもしれません怖かったの!
宮)ね!あの普通とはちょっと違う音をわざと使ってるって感じはありましたよね。
スー)ああありましたね。
宮)でも僕に言わせると、この曲はイントロだけやる気に満ちた曲だっていうのが、僕の見立てなんですけどねえ。
スー)フフッ。本編やる気ないですか、筒美京平。
宮)やる気ないですよ、やる気ないっていうかそれは演出なんだけどね。それまでの歌謡曲ってなんかやる気に満ちてるんですよ。
スー)んん。
宮)例えば(キーボード)♪津軽海峡冬景色のイントロ~~(歌も^^;)♪タラララ~~♪やる気の~かたまり~、みたいな。
ミ)ハハハッ。
スー)あ、やる気や、わかりますわかります。
宮)♪津軽海峡冬景色歌い出し「上野発の夜行列車」部分 ♪ララララララ~ラララ、何処まで行っても真面目でやる気があって、段々曲の頂点を目指して行くトコあるじゃないですか。
スー)はいはい(サビの)♪あ~ああ~~
宮)(同じくサビの部分)♪タラあああ~~♪音が高いの~最後だけぇ~みたいな。
ミ)アハハハッ。
スー)めっちゃ分かりやすいなハハッ。
宮)でもそういうさ、正しい事をやる気満々に追及して行くっていう日本全体がそういう姿勢だったんじゃないかなと。
スー)対して『魅せられて』はやる気がない。
宮)‘79に何かあったんですかね。 
スー)第二次オイルショックじゃないですかね。
宮)ああそうですかね。なんかねこの♪(キーボードでイントロ弾きながら)♪ンチャチャチャタタタタタラタタ~、このやる気はわかりますよ♪ダ~ラララ~ダ~ラララ~(ここから何故か即興歌詞が乗る^^;)♪アレンジ凄いぞアレンジ凄いぞ 歌より凄いぞ歌よりやる気ある~♪バババンバンタ~ララララララ、だけど歌になると(急に低い籠った声で^^;)♪なんたら~私はやる気はな~い。
スー)ハハッ先生わかりますけど、それ歌い方じゃないですかハハッ。
ミ)アハハハハッ。
宮)いやいやいや、やたら低いんんですよ。♪音が低いし~歌いにく~い♪いつま~でたってもやる気がな~い。
スー・ミ)ハハハハッ!
宮)で、早くサビに行きたいのね♪ダララ~ララ~ララ~♪サビに行きましょう~~そうすると(キーボード)♪~~~。
スー)これがやる気スイッチなんだ!
宮)そうそうやる気スイッチが♪ンダダダダダラダラ~、♪ここが主役だよ~で、この曲はここだけが素晴らしい、っていうか。あ、ちょっと今言葉が変だったけど。
スー)あー大丈夫です大丈夫です、この番組は大丈夫です。
宮)この次の♪Wind is blowing from the Aegean~ここだけいいメロディで。♪女は恋~ですか(※最初は「女は海」)色っぽいのがここだけなんです。(即興歌詞^^;)♪あとはなんだか~やる気ないけど~、後はもう♪ただのりくらりと~ヒマ潰す~。だからもう歌う事が無くなっちゃったから♪あ~あ~あ~~。
スー)ハハッ歌詞もない。
ミ)アハハッ。
宮)♪都々逸~~みたいな、あはンはンハハ~。で(明るい声になり^^;)♪私のな~かでお眠りなさ~い(やる気満々声で^^;)♪Wind is blowing from the Aegean~。
スー)やる気のあるなしのスイッチ、オンオフですね。
宮)で、それが一番如実に表れてるのがこの最後なんですよ。♪あ~あとよろしくゥ~~~。
スー)あ、そこで終わります。♪パーンパンタラララララーン。
宮)あとは演奏なのよ!
スー)途中で終わっとるやないか!
宮)途中で終わってる、食い散らかして、っていうね。まそれは作曲法というよりは、これは演出。だから作曲家の演出した戯曲っつうかなぁ、なんていうかなそういう事を僕らは名曲って思っちゃってんだけど。
スー)じゃ1回そのやる気のある無しを聞いてみましょうかね。
♪ジュディ・オング『魅せられて』
スー)♪女は恋~~ターンタン!歌途中で終わりましたね。
ミ)ホントですね。
宮)でしょ、だからなんかベッドの上が汚いまま出て行っちゃったみたいな感じしません?
スー)やっぱやる気が無いからですね。
宮)ええ、そーなんですよねハハハ。
スー)1979年イントロ頂上決戦、もう1つあるんですよ好きなのが。『異邦人』久保田早紀。
ミ)なるほど~。
スー)大好きなんですよ♪ダララララ~ンラ~ンラン、あれは彬良先生どう解析しますか?
宮)あのねぇそれ前に違う方からも言われたんですよ、それで向き合ってみたらねぇ凄い事がわかったんだけど。これ最初こうですよね(キーボードでイントロメロディ弾く)♪~~もう弾きにくいって(再び^^;)♪~~変な音程なの♪~~~、ね!
スー)はい。
宮)この間わずか4小節かな?
スー)♪ターンタンあ、そうですね。
宮)そんで後はね♪~~~なんかバロック風だったりしない?そうするとこの後♪~~~ちょっとサンバ風かなとか思うんだけど。ま、アラビア風なのは出だしだけですよ。(イントロ出だしから弾く)♪~~~この音程感ね。
スー)はい、インパクトある。
宮)で、じゃあ本編入りました♪子供た~ちが~空にラララ~トゥララララ~ララ~。どこがアラビア風?♪ラララ~ラララ~タララララ~。
スー)シルクロードって言ってんのに。
宮)それでサビ行くと♪タラ~ララ~ララ~ラ~、ま、ここか⁈でも違うよ。これはカンツォーネーだよね。
スー)世界中行きますね。
宮)♪タラ~ララ~ララ~ラ~ ララララ~ラララララ~ラ。結局‼アラビア風で僕らが『異邦人』って言うと必ず思い描いてたあのアラビアのマーケットのね、ラクダに乗った。
スー)はいはいイメージ。
宮)あれはイントロだけだったんですよ!
ミ)ハハハハハッ!
スー)仰った!仰る通り!
宮)(アラビア風のイントロ冒頭を弾きながら^^;)♪~~すっかり!騙されてたよ。
スー)確かにみんな『異邦人』どんな曲?って言ったら、イントロしか歌わないですからねハハッ。
宮)ああそうなんですか。
スー)やっぱりイントロの“顔”が印象的で。
宮)まぁまぁそうですよね。で、歌の内容は割となんか、なんて言うのかな女学生っぽいっていうのかな。一人の女学生が日記書いてるみたいな。
スー)フフフッ!
宮)そんな感じがしますよ。
スー)イントロと本編の落差ですね。
宮)ですね。だけどそれを…上手く繋げてるっていうか、なんか違和感はとりあえずない。ま、違和感だらけだとも言えるけれど、その違和感だらけが違和感なく繋がってるじゃないですか。そこは凄いと思います。
スー)はい、そうですね。じゃ、イントロとそれ以外の陰影って言いましょうかね、色合いの違いに注目して聞いて下さい。
♪久保田早紀『異邦人』
スー)とってつけたようにハハハッ民族風のフフ。両方共CBSソニー両方共酒井正利プロデューサーの世界’79。メール来てますラジオネームツケマイさん《『魅せられて』の替え歌最高でした》。
宮)プププーッ。
ミ)替え歌ハハハッ。
スー)《お盆中にも関わらず盛り上がっています》。
宮)良かった良かった。
スー)もう1曲行きましょう、石川さゆり『天城越え』行きましょうか。
宮)僕はねこの『天城越え』が 昭和歌謡のイントロの最高峰だと思う。
スー)来ました来ました。
宮)ま、この曲はさ、曲も凄く印象的、歌詞も凄くエロティシズムっていうかな、なんか想像が膨らんじゃう所あるじゃない?でもやっぱりイントロを始めとしたアレンジが物凄く大傑作だと、思うのね。
スー)おお、どの辺がそうでしょう。
宮)ちょっと気になる所を追って行きますよ。出だしこうですよね(イントロ弾き始める)♪~~~、これで始まるんだけど、ホントのイントロというのはこれだけで、ここから後は何て言うのかな、ストーリーっていうのかな。(弾く)♪~~~この、音の高低さ‼なんですか⁉♪~~~。
スー)あぁ、跳んだ。
宮)これ、(歌も)♪タ~ララ~↑タ~~。これは僕の言葉で言うと天城連山の山々の高低差。
スー)な~るほど~。
ミ)高さ。
宮)そうそう高さの、(今のメロディに自由歌詞を乗せて^^;)♪山だよ山だほ~ら↑やまーですよーー!
スー)高いなあ高いなあー。
ミ)ハハハッ。
宮)高ーい険しい、その険しい中から聞こえて来る♪~~~あれ?これ聞き覚えありますよね?
スー)あれ?
宮)♪~~ダラ~ラ~トテトテト~ンダララ~ラ~。「続・夕陽のガンマン」(‘66伊映画)ですね。
スー)ああー。
宮)コヨーテの鳴き声ですね♪タタタタタ~トテトテト~、だからこれはね(自由歌詞再び^^;)多分♪イバラだぞ~イバラだぞ~サソリも~出るぞ~って言いたい訳だね。 
スー)サソリかあ。
ミ)ハハハハッ!
宮)要するに情景。
スー)砂漠だ、天城から。
宮)そうそう砂漠のようにイバラの道だよってことを言ってる。その次はね、ツインギターなの。♪ダ~ダラ~ダララララララ、添い遂げて行くこれはもう登場人物だよね。(自由歌詞^^;)♪ふ~たり~戻れなくてももう~いい~。
スー)だからギター2本なんだ!
宮)そう!なんですよ!そうするとここが印象的(弾く)♪~~「ちょっと待った!」って感じしない?
スー・ミ)ハハハッ! 
宮)で、何の「ちょっと待った」かと言うと駐在さんとかね、山の。その風紀を守る人達が「ちょっと待った」と。いかにも行きずりのその二人ちょっと待てと。
スー)ツインギターにね。
宮)ツインギター待てと、後悔するなよ、みたいな“ちょっと待った”感もあれば、これ以上詳しく山の風景だの二人の状況だの、これ以上詳しくイントロで語り過ぎると、石川さゆりさん出て来た時に…。
スー)終わっちゃうわ、もう。
宮)歌う事無くなる。だから♪(弾く)ちょっと待った!♪~~続きは~~歌どぞ!続きは~~歌どぞ
隠しきれない~~。
スー)アハハハハッ!「歌どうぞ」
宮)♪歌どぞこれはね~♪歌どぞなんだよね。
スー)ハハハッよう出来てるな~。
宮)よう出来てるでしょ~。
スー)じゃ聞いてみましょ。これがホントはどんな感じになってるのか。
♪石川さゆり『天城越え』
スー)最後の方、警察出て来ましたよ。ポンポンポン!ハハッ。
はい、10時台はですね今日は4曲目クイズ。10時台前半は(彬良さんの)お父さん宮川泰さんの曲をかけようかと思います。4曲目こんな感じの曲かけます、私がドレミファソラシドで歌います。メジャー7(ギター弾き歌う)♪シラソシラソシラソシラソシラソ・ミレドミレドミレドミレド・シラソシラソシラソシラソシラソ・ミレドミレドミレドミレド、という宮川泰先生がお作りになった曲が主題歌だった、番組名を書いて下さい、よろしくお願いします。
ミ)今回は番組名を答えるという事ですね。
スー)はい、素晴らしいステッカーが貰えます。

【ミラッキ・ゾーン 「ラジオで言う事じゃないね」 】
スー)奇跡的に宮川彬良先生のブッキングに成功したミラッキさん、ビシッと行って下さい。
ミ)私は宮川彬良に聞いてみないとね、と思ったのは、今まで昭和歌謡のイントロやって来ましたが、
平成Jポップのイントロについてお話頂きたいと思ったんです。まずは’80~’90台に数々の大ヒット曲を生み出した音楽プロデューサー小林武史のイントロ。Mr.Childrenのピアノで始まるイントロの曲は何故グッと来てしまうのかと。たくさんあるんですけれど、大ヒットした『Tomorrow never knows』のイントロについて彬良先生の思う所を聞いてみたいなと。
宮)(かなりテンション低めの声で^^;)そうか、ついに来たか。
スー)フフッ何が来たんですか?
宮)だからね、僕は詳しくないのよ。あのぉ流行ったモノは’70代までしかわかんない。でも後はもう仕事上でアレンジしたとか、まぁ関わりがあった人達の曲しか知らないのよね。ミスチルって名前は知ってるし、曲も聞いたらわかるし。でもイントロがどんなんだったんだとか、全然覚えてなくて。
スー)ちょっと先生のやる気スイッチが、やる気が。
ミ)ウハハハハ。(☆笑ってる場合ではない?)
宮)そうそうやる気が。ちょっと基礎情報だけど、その小林?武史さんていう人は、あのぉ凄い、凄い人なの?
ミ)まぁ平成のイントロ大王と呼ばれる。
スー)フフッイントロ大王。
宮)イントロ大王?この人怖そうな人?
スー・ミ)ハハハッ!
スー)全然優しいですよ、優男。
宮)あ、優男?
スー)少々物言いしてもいいですよ大丈夫。
宮)あホント?いやいやじゃあの、今日はねなんか、あのぉなんでも正直に思った事を話そうかなと思ってる。
ミ)聞いてみたいんです。
宮)で、イントロ、僕もそれでちょっとユーチューブでね、聞いたの。(キーボード弾く)♪~~タンタンタンタン~こういう感じ?♪~~~あと、ちょっとよくわかんないんだけど。
スー)フフッやる気が。
ミ)いいですいいです。
宮)でもね、あのぉー僕はね、ミスチルの曲はね、先輩だか後輩だか全然知らないんだけどフフッ。あのー何と言いますかね、この歌詞がね素晴らしいですよね、どの曲も。僕何回か聞いた、なんて曲か忘れちゃったけど何曲か聞いたけお、どれも歌詞がスッゴク哲学的⁈。
ミ)ああそうです!それは嬉しいな!
宮)宇宙的?ってのはちょっと違うかもしれない、哲学的でなにか含蓄があるっていうの?
ミ)そうですね、生と死を歌ってたりする曲もありますし。
宮)そうでしょ?みんなが「ああこれ自分の事だなあ」って思うような普遍的な事が書いてあるじゃない。このTomorrow …never knows?も《とどまる事を知らない時間の中で》
ミ)時の中で。
宮)《時の中で》ですか?《幾つもの移り行く町並を眺めていた》で始まるでしょ。なんかね、見たらここに歌詞カードがあるんだけど、字が多いのよ。
スー)字が多いですハハハッ。
ミ)まあ平成の特徴っちゃ特徴です。
宮)あ、そうなんだ、平成の特徴?これはだからどっちかというとフォークソングの流れ、流れじゃないね、フォークソングの構造だよね。これだけ言葉、つまり平仮名がめちゃ多くて漢字もかなりあるじゃない?で、途中、なんだ?《勝利も敗北もないまま 孤独のレースは続いてく》とかさ《人は悲しいぐらい忘れゆく生きもの》
ミ)歌詞に食いついてる!彬良さん。(☆言い方が失礼)
宮)だって真理を突いてるじゃない、これ、だからなんか凄く宗教的ていうか、御坊様が説教されてるような
ミ)ま、「一休寿」っていう高座名(中学生時代落語研究会)を持ってる桜井和寿さんですから。
宮)やっぱりそんな感じだよね。
ミ)先生!イントロですイントロ!(☆重ね重ね失礼な物言い)
宮)だからこの、社会性があり哲学があり、しかも向上心まであるという、もうなんか世の中のお手本 のようなこの内容の言葉に対して(弱~く弾く)♪~~~。
スー)めっちゃピアニシモ。
ミ)ハハッ弾き方じゃないですかハハ。
宮)わかりましたやる気出して(気を取り直して^^;弾く)♪~~~。
スー)やる気来た!
ミ)ノってるノってる!笑顔で顔を左右に振って。
宮)♪~~~(段々音が弱くなる)
スー)あららさっきと違う!エネルギーが。
ミ)ラジオ体操じゃないんだから。
宮)でも!今言ったでしょ、あなた、いみじくも。ラジオ体操みたいだっていう事は、つまり音楽室のピアノなんですよ、これ。
ミ)なるほどー。
スー)おおー。
宮)このイントロって。で、わざとグロッケンの、グロッケンってわかる?鉄琴。あれも混ぜてる。
スー)チンチンチン♪ってね。
宮)そうそうそう、あれも混ぜたりしながら、要するに、物凄く幼い…なんていうのかな、オルゴールの音のようなイントロをつけた。
スー)ああそれはわかるわ。
宮)オルゴール作戦なのよ。
ミ)ハハハッオルゴール作戦。
スー)あ『真夏の果実』(‘90サザンオールスターズ)もオルゴール作戦ですね。
宮)そうなのよ、そうするとみんなこれ、赤ちゃんでもわかるのかなあみたいな、そこで騙されちゃうっていうか、そうしたら蓋開けたらまあ、社会学だ哲学だって出て来るから、なんか独特な世界にいざなわれちゃう?っていうことだと思ったのね。
スー)落差があるんだ歌詞とイントロのオルゴールで。
宮)物凄い!落差ですよ。
ミ)この解説をふまえて聞いてみましょう。
♪Mr.Children『Tomorrow never knows』
スー)ラジオ体操ですよ!音楽室!♪(ギター弾きながら)後ろね♪ド~ミ~レ~ソ~ファ~ミレドシレ。ラジオ体操で、オルゴールだからなんか小学生の音楽室の時代、なのに《とどまることを知らない》ハハッ。
宮)でも、こういうさ大切な事ってさ、大きな事は意外と少年の頃感じていた事を文にするとこうなる、って事だよね。
スー)『真夏の果実』も♪テンテンテン・テンテンテン、あれラジオ体操で、音楽一緒ですねグロッケンだグロッケン。
ミ)小林武史オルゴール作戦
宮)(ラジオ体操の曲弾く^^;)♪~~~~~。
スー)ハハッ勉強なります。
ミ)これ盛り上がるとどんどんトークが伸びて行きます。続いては、頭の中でテンポが速くなっちゃってるイントロの秘密について聞きたいと思います。例えばC-C-B『ロマンティックが止まらない』♪(曲がかかる)これね、ドラマの映像の印象もあって早い印象になってるのもあるかもしれないけれど、頭の中では♪タンタンタンタンタンタランタタンタッタ~ってイメージなんだけれど、実際聞くとゆっくりだなっていうこと。
宮)ハッハッハッハッ。
ミ)他にもジュリアナ東京でよくかかってた『CAN’T UNDO THIS!!』♪~~~これももっと♪タタタンタタタタ!ぐらいの。
宮)ハハッミラッキさんの中では、そういう風に聞こえてんだね。
ミ)聞こえてるんですよ。
スー)それはあなたが青春時代だったからですよ。普通ですよこれ。
ミ)BPMがこんなに遅かったかなって。
スー)俺は“ラジオ体操”の方が好きやなあ。
ミ)更にうる星やつらのオープニングテーマ『ラムのラブソング』もイントロやたらと早い印象あるけど、実際はそうでもないって事があるんですが、今あげた曲の特徴とかスピーディーな印象が残ってしまう理由ってのは、どういう事なのかなって。
宮)僕ね、あのぉミラッキちゃんはね、今日初めてお会いしたけどね、これはねあのぉラジオで言うような事じゃないね。
ミ)え、なんですかぁ!(☆かなり失礼な語気)
宮)あなたの問題だよ。
ミ)ィエエエ⁈
宮)だからそれはあなたの中で、そういう風に、もっと早い曲って思いこんじゃってたでしょ?
ミ)それだけの事ですか?割と同じような事感じてる人いると思うんだけれど。(☆「みーんな言ってるよ」小学生の論理^^;)
宮)あ、そうなの、じゃ僕だけが違ってた?…。
ミ)ハハハッ。
スー)世代的に青春時代で、かつ、デジタルサウンドから(彼らは)デビューした訳じゃないですか。
ミ)そうです。
スー)スピード感とか生まれた時からのものが、あるんでしょうかね。
宮)確かに、そういう経験は、僕にもある事はあるんだけれど。この前ね、松平健さんの50周年のショーを見に行ったの。したらさ、最後に『マツケン・サンバⅡ』をやるんだけれど、エラくテンポが速く聞こえたんですよ。それは多分その前にやった『マツケン・サンⅢ』がちょっとテンポが『マツケン・サンバⅡ』より遅かったから、要するに相対的なことだから。なんかそれは個人的な相対的な事だと。
ミ)(そういう)事でいいんですかね。
宮)基本的にはそう、だと思う。
ミ)んん。
スー)はい。
宮)全くあのぅお門違いの答えを1個してもいい?
ミ)はい。
宮)あのね、2ビートからさ、4ビート、8ビート、16ビート。
スー)なってますね。
宮)これは大体50年位、いや100年位か、あ、もうちょっとか、50年位だね、かけて進歩して来たんだけど。2ビートってのは要するに(弾く)♪~~イチ・ニィ・イチ・ニィってなって、それから4ビートは♪~~ワン・ツー・スリー・フォーになってるのね。それで8ビートは♪ダ・ダダンダンダンダンダダンダ・イチ・ニ・サン・シ・ゴ・ロク・シチ・ハチ・イチ・ニ・サン・シ・ゴ・ロク・シチ・ハチってなってく訳でしょ。で16ビートは♪~~ドッダッ・ドッダッ・ドッドッダッドッドッ・チキチキチャキチキ・チキチキチャキチキって、最近は32くらいで♪チャクチャクチキチキダーン・ドンツッタッツターン!そういうのあるじゃない。時々聞こえて来るじゃない。
スー)ラジオで、顔が…ハハッ。
宮)顔芸やってもしょうがないね、ラジオでね。でもこれね時間計った事あるんだけど、そしたら2ビートが1小節に費やす時間が一番短かったの。で、16ビートとかなって行けば行くほど、時間がかかる訳、1小節の。
スー)ああはいはい。
宮)てことは、テンポ自体は遅くなってってんだよね。
スー)BPMは。
宮)BPMは。傾向としては遅くなってる。
スー)なるほど。
宮)ただ刻みが倍々になってるから、めっちゃ速度上がってるように。で、さっきC-C-B聞いたけど、
あれスッカスカだよね。あれはわざとなんだよね、スッカスカって言うより僕の言葉で言うと“ペラッツペラ”感をわざと出してるよね。そうする事によって、エモさが、メロディはエモいんですよ。それが浮き彫りになるっていう作戦だったんじゃないかとは思いますね。
ミ)音をいっぱい浴びてる分早く感じる。
スー)BPMはそんな早くないんだけれども、メロディが♪タッタタ・タッタラタラ16ビート入ってるから♪タッタタ・タッタラタラズッタカズッタカ。
ミ)早く感じる。
スー)メロディ聞いてたんだ。
宮)そう早く感じてる部分が違うんだね。
ミ)ではこの曲もそういう感じなんだと。聞いてみましょう。
♪松谷祐子『ラムのラブソング(「うる星やつら」)』
スー)確かに仰る通り、刻めば刻むほどテンポ自体は遅くなる。結局変わらないっていうのはよくわかるなあ。
ミ)いやあ学びでした。ホントにありがとうございます。こんなお便りが届きましたどら焼きさんから。
宮)なんでしょう。
☆宮川彬良さんのアニメ「星のカーヴィー」オープニングテーマ『カーヴィーマーチ』が大好き。1分半に壮大さと展開と楽しさ小学生の時に本編より楽しみにしていた。感謝を伝えたいという内容。
宮)嬉しいなあ。これは何を考えていたか、えーとやっぱり僕はそんなにたくさんアニメの音楽やってる訳じゃないんで、テーマ曲も書いてくれって言われたのが凄くまず嬉しかったんですね。で、あのぅじゃひとつ、って言ってシンプルな曲を書こうとは思いました。それで♪(弾きながら)タッタタ~タ~タ~タ~タ~ラ~ンララ~ンラ、っていうメロディはシンプルで、ま、どこでもありそうな感じのマーチの曲で、要するに親しみやすい。で、それだけだとやっぱりねえ、30 代の時の宮川彬良はそれだけだとなんか自分って感じがしなかったんだろうね。♪ダンダダンダ~ラ~ラ~ラ~ラ~、タッタラ~タッタラ~、タッタタ~ラ~タンここで終わったんだけど。やっぱりここでね僕はショーの音楽をずっとその30代の頃手掛けてたんだ。そこでパアーーッと、オペラカーテンがパアーーッと開く♪ダア~ダダダ~タタタタ~~~~。
スー)顔がフフッ楽しそうだなあ。
宮)全然違う世界にいざなってナンボ!ってやっぱり思ったね。
ミ)『カービィ』でそれをやろうと思ったんですね。
宮)でもね僕の中では「ゲバゲバ90 分」っていう父の曲にもどことなく似てるのよ。
スー)あ!私今ゲバゲバ感じました。“ゲバゲバみ”を。(※「巨泉・前武ゲバゲバ90分」’69-‘71日テレバラエティ番組。そのオープニングテーマ宮川泰作曲)
宮)でしょ?そうなんですよ。
ミ)じゃ聞いて確かめてみましょう。
宮)そうして下さい。
♪シャンチー『カービィ★マーチ』
スー)これゲバゲバみですよ、今私頭ン中で大橋巨泉と前田武彦歩いてますよ。途中の、さっきショーって仰った、あの展開がいいですよね、今こういう曲ないですよね。
宮)ああ確かにねえ。
スー)1回この番組「ゲバゲバ」かけてます「トロンボーンがええ!」って言って。
宮)わかります。
ミ)もう1曲、皆さんからメール届いておりますが『マツケンサンバⅡ』を作ったのは宮川彬良さんでございます、マーチの後はサンバって事なんですけれども。
宮)でも、サンバもやっぱりマーチなんですよ。行進って言うか歩きながら踊るじゃないですか。
スー)確かに。
宮)だから、なんかウチは行進曲にご縁があるんですよ。ま、ヤマトもそうですし。
ミ)確かに。
スー)ああ行進曲だ。
ミ)私とトークユニット組んでるヒャダインさんがこんな事言ってます《サンバというブラジルの音楽では、なんとボンゴという楽器は使わない》。
宮)すみません失礼いたしました。 
スー)アハハハッ。
ミ)《カンナバルもスペイン語、サンバはポルトガル語だからカルナバウが正解。そもそも「オーレイッ!」ていうのはフラメンコだからね。ハチャメチャなんだよでもそれがいいんだ》マツケンサンバ大好きなんですよね。
宮)最後に「それがいいんだ」って言ってくれたのね。
スー)ホントにホントに?
ミ)このコメントに対する彬良先生の思う所聞きたいんですけど。 
スー)どうですか?ヒャダインこんな事言ってますよ?
宮)そうでしょ、余計なお世話よ。それは『マツケンサンバって』言ってサンバっていうのはさ、『お座敷小唄』とかさ、ああいう類の事じゃない。
スー)はいはいはい、下にリズム名っていうかジャンル名そういうのを付ける。
宮)そうそうそうそう、そこに本場のブラジルのサンバを誰が期待してんじゃ!みたいな、僕は昭和育ちだから、最初はそのヒャダインさんの物言いにもそういう風に反応したのね。でも、知ってるよ!そりゃボンゴ使わないなんて知ってるよ!とも同時に思った訳、それは歌詞に書いてあったからなんだけど。それ~でね、1回じゃあホントのサンバのリズムで『マツケンサンバⅡ』をやってみたことがあるの。その時に、分かった事なんだけど、実はサンバはラテンミュージックと言わないんだってね。
ミ)エッ⁈
スー)そうなんですか。
宮)この『マツケンサンバⅡ』のリズムはどっちかっていうとサルサのようなリズム、ちょっと詳しくはホントに難しいんだけど、(サルサ)だとするよね、すっとこれキューバのリズムなの。あの辺?南米?
スー)中南米。
宮)中南米あの辺の曲が“ラテン”って言われていて、帰ったら皆さんね地図見て下さい。サンパウロとキューバのハバナ、めっちゃ離れてるの。
スー)ああそれは離れてますね。
宮)日本列島すっぽり入る位離れてる、で、サンバはサンバなんだって。で、全部使う楽器もパーカッションも全部違う。で、あれはさ、こうやって爪先でピョコピョコしながら大ーきく手を振って踊るじゃない。あれはサンバは全てのいろんな鋭くてデッカイ楽器とかちっちゃいジャカジャカジャカジャカ、もういろーんな楽器、みんなの意見を全てオッケー!っていう懐の深さが“サンバ”なのね。で、キューバは若干ね点に的を射るような所がある、で、もっとふくよかなのね。
だからそう意味ではこの『マツケンサンバⅡ』も“サンバ”って言っていいんじゃないかな?って懐のね。
スー)先生私もそう思います。
ミ)ハハハハッ。で、彬良先生はサンバにチャレンジしてるんですよね。
宮)つい、この間ね。全部サンバに登場する今言ったようなパーカッションで、テンポも若干ゆっくりにして、松平健さんの50周年に『マツケンパラダイス』という曲を書きました。
スー)おー聞いてみたい。
ミ)未発売のものを特別に許可頂いて。ここからおかけします。
♪松平健『マツケンパラダイス』
スー)世界初公開!
ミ)これはショーを見に行くと聞ける?
宮)そうですね。東京は終わっちゃいましたけどね、大阪とかあると思いますよ。
ミ)結果やっぱりイントロは長いんですね。
宮)ああ今着替えてましたからね、1分半は着替えにかかるんで。それは着物to着物ですからね。
スー)ありがとうございます。10:00台今日は4曲目クイズです。

【22:00前半 宮川泰を紐解く】
スー)9の音粋月曜日DJはスージー鈴木と。
ミ)ミラッキ大村です。そして今日のスペシャルゲストは。
宮)宮川彬良でございます。
ミ)おもしろいです!ってメールやTwitter(X)もたくさん来ています。宮川彬良先生の演奏やおもしろいトークを聞きたい方、今月24日(土)山梨県河口湖ステラシアター大ホール「宇宙戦艦ヤマトストリングスコンサートTV放送50周年スペシャルin富士山河口湖音楽祭」に行きましょう!午後4:00開場5:00開演チケット販売中です。
9時台面白いテンションのトーク満載でしたが、コンサートはさすがにこのテンションではないですよね。(☆相変わらず失礼)
宮)ああそうですね、このテンションだと演奏に戻れない感じになりますよね。
スー)そりゃそうだ。10時台はですね、私もこの番組で何回も宮川泰先生の曲をかけております。私も宮川彬良先生に正直に言うと、すぎやまこういちよりも“宮川泰派”としてですね
宮)ハッハッハッハッ言いますねぇ。
スー)こっからは宮川泰先生の曲をかけながら、楽曲分析もあり、もしくはお父さんの思い出とか。
宮)いいですねえ。
スー)はい、自由に語って行こうかと思っております。
宮)ありがとうございます。
スー)まずはやっぱりここかなという事で、私大好きなザ・ピーナッツ『恋のバカンス』。
宮)ですよねえ。
スー)1963年これは生まれた頃ですか?
宮)そうです、’61年生まれ。なんかね僕は結構ねラッキーボーイっていう位置付けだったみたいで。それまで1・バンドマンじゃないですか、父もね。そいで上京して渡辺プロダクションの専属の、元々
渡辺晋とシックス・ジョーズっていうジャズのバンドのピアニストだった。
スー)はいはいはい。
宮)で、そのベーシストが渡辺晋さんで社長になったでしょ。で、ザ・ピーナッツってのを見つけて来て、いろいろ試行錯誤し始めた頃に僕が生まれて、生まれた頃にヒット曲がガン!ガン!ガン!っと出始めたっていう話を聞いております。
スー)そうか。もうなんか今聞いたらね、イントロもいい当然ボーカルも素晴らしいんですけど、この『恋のバカンス』ね間奏の所ですっごいスイングするんですよ。
宮)確かにそうですね。
スー)あそこがめっちゃめちゃかっこいい。とにかく今のコンピューターにはできないフフフッ。
宮)いや本当なんですよ、なんか音が光るような感じ、しません?
スー)あ、分かります。
宮)あの頃の、僕らの記憶のせいかもしれないけど、なんか音が、トランペットとかトロンボーンが♪パッ!パーッ!シュパーッシュパーッシュパーッ!ってこうなんか。
ミ)ハハハッ。
スー)今、めっちゃ踊らはりました。線香花火みたいになってました。
宮)ハレーション起こす、音が輝いてるんですよ、ていう記憶がありますよね。
スー)’63の大ヒットで、そして物の本によると、桑田佳祐は勝手にシンドバッドを作る時に一番始めはこの『恋のバカンス』みたいなリズムだったというね。♪ドゥントュクトュトュ!ランランラーラララララララ~こんな感じですかね。これでサザンに繋がって行くという話もあります。
宮)そうか。『恋のバカンス』を父が作った時はロッカバラードだったって、最初。
スー)♪ズズズ・タツツ・ズズズ・タツツ。
宮)そうそうそう(キーボード弾き歌う)♪ため~息の~出~るよ~な、だったらしいよ。
スー)津軽海峡みたいな。
宮)そうそうそう。
スー)こっちのリズムに変わってよかったですねフフッ。
宮)それを社長が渡辺晋さんが、彼はベーシストだから(弾く)♪ズンズクズンズン・ズンズクズンズン「宮ちゃんこれで行こうよ」って言ったっていう話を聞いた事がある。
スー)なら今のズズズ・タツツ・ズズズ・タツツからその♪ズンズクダンツクに変わって、その♪ズンズクダンツクのリズムの中で、間奏がめっちゃくちゃ乗ってるっていう昭和38年の名曲聞いて下さい、宮川泰作曲編曲。
♪ザ・ピーナッツ『恋のバカンス』
スー)サイコー‼
宮)最高だよねえ。
スー)あの間奏とエンディングの所だけ、めっちゃドラムがスイングするの、あれなんですかね。
宮)ねえー。
スー)ハハッ楽しいなあ。
宮)でも歌の時はその爪を隠してるよね。
スー)ですよね。
宮)かなりこう、奥に。だからやりながらミキサーさんが「オケ上げろーとか下げろー」とかやって、一発で録ってる。
スー)一発録りでしょうね。
宮)全員いるのよ、スタジオの中に。ドラムもいればトランペットもいてピーナッツもいてピアノも弾いて、やる。そうやって録ってたんだからね。
スー)あとピーナッツのマイクのボリュームがめっちゃ大きいハハハッ。ステレオの出来立て。
宮)フフッ確かに。
スー)多分後ろに渡辺晋もいますからね。
宮)ああそうですね。
スー)うるせえんだよ、演奏!って言ってたんじゃないですか。
宮)ハッハッハッハッ。
スー)ありがとうございます、もう1曲ピーナッツ。メール来ていますラジオネームフカサワさん
《父上の作品では編曲が特にお気に入りです、ピーナッツ作品の話が聞ければと思います》もう1通来てますね《『恋のフーガ』作詞なかにし礼作曲すぎやまこういち編曲宮川泰、この3人仲悪かったんちゃいますか?》スージー鈴木さんという人から来てます。
ミ)メールじゃない!ハハハッ。
スー)『恋のフーガ』これは作曲すぎやまこういち編曲宮川泰。宮川泰とすぎやまこういち、仲はどうだったんですか?
宮)いやいやあのねぇ、すぎやま先生とは多分仲いいですよ。ただ、あのぉ僕にはねぇ結構ちょろっと本音を言ったりするんですよ。
スー)聞きたぁーい!
ミ)ハハハッ。
宮)いやいやそれはねえ。
スー)大丈夫ですよ、誰も聞いてないですからこんな番組。
宮)ああそうですかフフッ。「すぎやま先生のあのレコード聞いたか?」みたいな話をね、ゲームとか作りはる前の、ちょっといろんな実験音楽やってた。
スー)ああそうなんですか。
宮)いろんなね、実験音楽って言うかオーケストレーションのいろんな勉強をしつつ、すぎやまさんは例えば「コントラバス8人の為のゲットバック」とかそういうアレンジをして面白がってた時期が、あるのね。で、そういうのを聞きながら一緒に父とレコードを聞いて「これはちょっとなあ」とかっていう、そういう突っ込んでるような、そういうのはあったけど。
スー)この『恋のフーガ』って、イントロは編曲宮川泰の作品ですよね。
宮)そうです!だから僕はね、こう読んでんの。宮川泰が担当だった訳じゃないザ・ピーナッツの。
スー)そうですよね。
宮)で、そのぉ1961年62年63年とやって来てそれなりのヒットもバンバン飛ばした、訳だけど。ところがさ、次はすぎやまさんもいいみたいだからすぎやまさんに頼もうよ、っていう話になっちゃった訳じゃない、これ。
スー)そうですね渡辺プロの中でね。
宮)ね、そうすっと宮川泰としてはさ、「ああ楽でよかった」って思うのか…。
スー)いやいやいやいや。
宮)「ええ?俺のシマだろうそれは」みたいに、思うのか、どっちかっていうと後者かな。
スー)そりゃそうでしょう。
宮)と、僕は読んだ訳ですよ。そこで彼は宮川泰は、一世一代のイントロを書こうと思って。
スー)うん!
宮)もうすぎやまさんが腰抜かすような…。
スー)アハハハハッ。
宮)要するにこの名イントロ(弾く)♪~~ダラッ!ダカダカダン!ダラッダラ・ダカダカダンダンダン。このティンパニーを持って来てさ、クラッシックのね。あんたベートーベンじゃないんだから。 ♪ダラッ!ダカダカダン!ダラッダラ・ダカダカダンダンダン、ダ~ラッタタラタダ~ダダラダ~ラっていうイントロを作ったんだとまぁ思ってた訳、そうだとは思うんですよ。
スー)今めっちゃ腹落ちしました。
宮)ところが、あの曲ってさあのメロディ♪追いかけ~て追いかけ~て、でしょ?よ~く聞いてみるとね、♪~~~これはメロディの♪追いかけ~て、の「け」と「て」だったの。
(フォルテで^^;弾きながら歌う)♪けて!けて!けて!
スー・ミ)アハハハハハハッ!
宮)♪けて!ドコドコドンけて!けて!ドコドコドン♪追いかけ~て、とこうなってた。
スー)メロディの「けて」とイントロが。それはどういう事かと言うと?
宮)これはつまり凄くオーソドックスな昭和歌謡のイントロの作り方。つまり本編のメロディーのモチーフから抽出して、イントロを作るってのは、まあ常識だったんですよ。
スー)という事は、宮川泰はライバル心とか鼻を明かそうとかじゃなくって、割と忠実に本編のメロディーを意識した?
宮)だからその両方をやってのけた、どうだおすぎさん俺も中々やるだろうっていうのが、彼の腹の中じゃないかなと。
スー)おすぎさんって、すぎやまこういちですよね。
宮)そうそうすぎやまさんにね。
スー)なーるほど。じゃあ、ダラ!ダカダカダン!ファ・ミ・ファ・ミと「追いかけーて」の繋がりを考えながら聞いて頂きたいとおもいます。凄いイントロ『恋のフーガ』ザ・ピーナッツ!
♪ザ・ピーナッツ『恋のフーガ』
スー)これフフフッ彬良先生、やっぱり鼻明かそうと思ってません?ハハッ宮川泰先生がおすぎの。
宮)ああそうそうそう。
スー)ハハハッ♪パヤ!ダカダカダン!かなりなんか主張してる。あと間奏ン所の右チャンネルのトロンボーンですかね?ブワーン。フフッ凄いなあぁ。
宮)無敵でしたね。
スー)無敵無敵。これはやっぱり宮川泰ここにあり!という感じのアレンジだと思います。ザ・ピーナッツ’67『恋のフーガ』でございます。あとこの番組でですねよく宮川泰先生が作られた、番組テーマをよくかけておりました。
ミ)スージーさんよくかけるんですよ。
宮)そうですか。
スー)メールでバラードきりんさんいつもありがとうございます《選曲予想『カリキュラマシーンのテーマ』》これBAYFMの某番組に使われてるっていう。
宮)え?マジですか?
スー)『カリキュラマシーンのテーマ』お父さんが作っていた記憶あります?
宮)あります、めちゃくちゃありますね。この番組は確かね、テレビのテーマ曲ね、全部大体日本テレビが多いじゃないですか。
スー)あ、そうですね。
宮)日テレで、要するに父は結構ならしてた訳ですよ。で「カリキュラマシーン」(’74-78)が始まる数年前が「ゲバゲバ90分」だったんですよ。で、ほぼ同じスタッフで子ども番組教育番組を作り始めたのが「カリキュラマシーン」なんですよね。
スー)凄いヤンチャでデタラメな番組なんですよ、なんか。
宮)そうなんですよ。教育番組とは名ばかりで。結構どっちかと言うと「ゲバゲバ」の続きなんですよ。だから結構ねアバンギャルドなアニメのコーナーがあったり、前衛的でしたよ、結構。
スー)これね音楽も前衛的なんですよ。歌ってるのが西六郷少年少女合唱団っていうクレジットなんですけど、フフッこの楽譜与えられた時に子供びっくりしたんじゃないかなと思うハハ。
宮)ハッハッハッ。
スー)リスナーの皆さん1回6-7歳の(合唱団の)メンバーとしてこの楽譜をもらったとして、聞いてみて下さい。
♪西六郷少年少女合唱団『カリキュラマシーンのテーマ』
スー)これねぇやり過ぎでしょうハハッ。
宮・ミ)ハハハハハハッ。
スー)シャビドゥッパシャビドゥバ、途中で変なコード進行もあるし。よく歌えたな西六郷少年少女合唱団褒めてやる!
宮)結構燃えて歌ってたよね。
ミ)入って歌ってましたね。
宮)そうだよねえ。
スー)6-7歳じゃないな、10 歳位ですね。
宮)まあそうですね。
スー)そして今日の問題になりました4曲目クイズです。正解者の中からステッカーはこの方にしたいと思います。ラジオネームマリアンさん大阪市阿倍野区、おめでとうございます。《ゲストの宮川彬良先生のトークとっても面白くてお腹いたーいです。スージーさんのくちイントロ、聞いた事ある、絶対聞いてた「コーセー化粧品歌謡ベストテン」。中学生の時に学校が終るとこの番組聞きながらお昼ごはん食べてた》あそうだそうだ《そのあと「ダイヤトーンポップスベストテン」に流れ込んで聞いてました、めっちゃ懐かしい》という事で、「コーセー化粧品歌謡ベストテン」。これ覚えてらっしゃいます?
宮)覚えてます。
スー)僕ねえ、さっき弾いた和音ですねメジャー7th、ちょっと宮川彬良先生の前でギター弾くのも緊張しますけれど、(ギター弾く)♪~~~。
宮)はいはいはい。
スー)今シティポップとかよく使うんですけど、違うんだと。メジャー7はシティポップじゃねえんだよと「コーセー歌謡ベストテン」だ。
宮)ハハハハッそこかい。
スー)なんか思い出とかあります?
宮)うんなんか、FM…?
スー)FM東京土曜日13時。
宮)FM東京ですよね、うんうんそうそう僕はこの頃はもう高校生位になってたから、横耳で聞いて「ああ今週もやってらあ」みたいな感じで、ちょっと距離を置きながら聞いてたけどね。
スー)じゃ聞いてみましょう。これが私をメジャー7、大人の世界へいざなった曲でございます。
♪『コーセー歌謡ベスト10オープニングテーマ』
スー)ああーいいわぁ大人の世界。
宮)これはね、バートバカラックですよね。
スー)バートバカラックです!若しくはピチカートファイブ。
宮)ま、ま、イコールですよハハハッ。(弾きながら)♪タララタララタララタララ~タララ
スー)変拍子ですよね。
宮)変拍子ですよね、だからバートバカラックにもあるじゃないですか。
スー)変拍子ばっかりですよ。
宮)それで、うーんと…はいどうぞ、聞いて下さい。
スー)フフッミラッキ君はピチカートファイブだと。
ミ)’90代ピチカートファイブがこういう音楽量産してますね。
スー)という事は渋谷系の源はね、宮川泰ですよ。“宮川系”にしましょうハハッ。
宮)いやいやいや、渋谷には宮川泰はいなかったんですよ。やっぱりスージーさんね、大阪のこの♪~~~これはさ、♪とんでとんでとんで、これでしょ?
スー)アハハハハハ。
宮)やっぱり大阪の血はね、この三連のぐるぐる回りに反応したんだよ。で、これが大阪駅の♪~~ ~~~これが環状線のホームでの発車メロディー。
スー)今のが繰り返しになってる?
宮)そう♪~~~~ダララダララダララダララ、とんでとんでとんでとんで。「コーセー」♪タラタタラタタラタタラタこの三連ぐるぐる回り。
スー)(ギター弾きながら)♪とんでとんでとんでとんで、回って回って回って。
ミ)環状線が回ってるんだ。
宮)そうそうそう!環状線だから回ってる。
スー)皆さん落ち着け!楽しいけど。
ミ)ハハハハッ。
宮)ハハッ1回落ち着こう、わかったわかった。
スー)宮川先生の晩年のアレンジを聞いてみたいと思います。なんとサザンオールスターズのアレンジもしてますね。
♪サザンオールスターズ『心を込めて花束を』
スー)どうですかオジサン二人落ち着きましたか?
宮・ミ)落ち着きました。
スー)宮川泰feat.サザンオールスターズ、いいですねこのストリングスとか。
宮)なんかねぇあのぉ凄く『いとしのエリー』をね、宮川泰は褒めたんですよね。そのことを桑田さんは凄く喜んで、一緒になんかトーク番組に出たり、そのご縁でね。でもその時にトーク番組の中で語ったのは、今度は逆に「僕の青春は『恋のバカンス』でした」って言うふうに。
スー)ああさっきの話と繋がるわ。
宮)そうそう。だから結構相思相愛っていうか、エモいポイントが全く一致してたらしく、両者がね。
スー)アミューズの社長が渡辺プロ出身ですから、何かDNAが繋がってるのかもしれません。
宮)あ、そうですね。さっきさ、なんだったっけ何かの曲で1曲目か、えーと『魅せられて』でさ、 都々逸みたいな所があったんじゃん。
スー)えーと♪Wind is blowing from the Aegean~~好きな男の腕の中でも、この部分を桑田佳祐は凄く日本的でいいと当時言ってたんです。
宮)♪はぁ~あ~~はぁ~あ~~、じゃない。でも『恋のバカンス』も聞いてみると♪ため息の出るよぉ~なぁ~ってここもちょっと都々逸入って、るんですよ。
スー)やっぱり繋がるんだー。
宮)やっぱりね、分析してくと結構音にその秘密がちゃんと書いてあるっていうのかな。
スー)洋楽を志向して垢抜けたカラッとした曲を作りたかった宮川泰、桑田佳祐ですが…。
宮)ですが。
スー)まあさっきの『魅せられて』は筒美京平ですけど、日本的な部分を残すんだ。
宮)そこに、なんかやっぱりグッと来ちゃう気になっちゃうと言うか、僕の言葉で言うと
「エッチな音」。
スー)「エッチな音」まぁエロティシズムですよね。
宮)そうそうそう。
スー)最後この曲聞きたいんですけど、もうホントに私、沢田研二ファンと公言して長いんですけど。
宮)ああ、そうでしたか。
スー)『君をのせて』の作曲は宮川泰です。
宮)そうなんだよねえー。
スー)音符見たらね、ほぼペンタトニックなんですよね。♪ミソラ~ミレド~レミレ~少しだけシが出て来ますけど、ドレミソラっていう。
宮)5つの音でね。
スー)(ギター弾きながら)♪ミソラ~ミレド~レミレ~、すっごくシンプルなんだけど、すっごくゴージャスな豊かな。
宮)しかも洋楽感が凄いですよね。だからペンタトニックを日本人が作曲すると♪は~るばる来たぜ は~こだて~(『函館の女』’65北島三郎)、ああいう感じになりがちなんだけれど。(キーボード弾きながら『君をのせて』)♪タタラ~ンタタラ~タララ~ン~、あ、バカラック入ってるかなぁ♪~~。ただね、これね宮川泰は言ってたんだけど、これは最初の2小節をオクターブ高くやっただけなんだと。つまり、♪ミソラ~ソミド~レミレ~、2回目は♪ミソラ~ソミ↑ド~レミレ~。おんなじメロディなんだよ。だけどグッと来ちゃう。2小節目と4小節目はオクターブこそ違うけど、上に高く行って。
スー)ええー⁈
宮)これびっくりだよねえ。
スー)ええー⁈音符をパッとオクターブずらしたんだ。
宮)そう、それがこの曲の一番の中心になる驚くべきことだ、っていう事を言ってたね。
スー)♪ミソラ~ソミド~レミレ~、ミソラ~ソミ↑ド~レミレ~
宮)ほら!おんなじやん!
スー)ソミドレミレ~を聞いて下さい、宮川泰マスターピース!
♪沢田研二『君をのせて』
スー)Twitter(X)で土さんが《『君をのせて』はブルーノートでやったこの間のLIVEとかで、桑田佳祐がカバーしています》惑星直列ですよ。宮川泰-沢田研二-桑田佳祐繋がりましたシューッと。どうですか彬良さん、お父さんの作品。
宮)あ、僕もこれは好きでしたね、ま、今でも好きだけど。なんなんだろうね。
スー)なんでしょうねぇ。さっきペンタトニックとか専門的な話をしましたが、ざっくり言うと凄くシンプルな音階で作られている、でも凄いシンプルな故にあきない、感じがしますね。
ミ)そうですね。
スー)という訳で、宮川泰先生の作品を見て来て、私的には非常に驚きとかいろんな事もわかりました、ありがとうございます。お待たせしました、最後はやっぱり「宇宙戦艦ヤマト」の話をしたいと思っております。
宮)ありがとうございます。

【ラスト・ゾーン 宇宙戦艦ヤマトの謎】
スー)ラジオネームメイジンさんから《8/24「宇宙戦艦ヤマトストリングスコンサート」について。今回のコンサートはお嬢さまの宮川知子(ちこ)さんプロデュースという事ですが、彼女の仕事ぶり選曲など彬良さんから見て思う所があれば。あとコンサートの見所や聞き所を交えて教えて下さい。
宮)そうなんですよ、僕の娘はピアニストで、知子っていうんですけど。ヤマトは見た事がなかったんですよね。家にいっぱいビデオとかDVDとかあるんですけど、全然見たことはなくて。でもレコーディング、まだリメイク版を作ってるじゃないですか、今ね。今年も今公開中なんですけど、その録音にはピアニストで参加したりしてるんだけどフフッ。だからその彼女が「私だったらこういうコンサートやりたい」みたいな事を言って来て、それがそのステラシアターという物凄く音のいいホールで「こんな事をやりたい」って夢に描いて来たのね。それはやっぱり男の子のモノだと思いがちじゃないですが、「宇宙戦艦ヤマト」って、どうしても。それが女の子の見立てで始まったって、これはちょっと新しい、なんかこれからの「宇宙戦艦ヤマト」がこっから開けるかもしんないなと思って。
スー)楽しみですね。
宮)楽しみにしてるんですね。
ミ)ここから「ヤマト」の分析をお願いします。
宮)そうですか。
スー)早くイントロ聞きたい。
宮)じゃあさ、分析してから聞くパターン?これもね?じゃ今日は、イントロンに結構こだわったからイントロの話と、あと本編のメロディの構成というか。それで2つ僕は言いたい事あるんだけど、まず1つ目はイントロね。イントロが、(キーボード弾き)こうじゃないですか♪~~~♪ターンタタタータン・タータタータータン・タララタララタララタララ・タララタララタララタララ。はいこっから♪~~~わかりました?あの頭メジャーなんです♪パーンパパーこれで始まっといて♪~~~~さらば~でしょ、後はずっとこのマイナー調ですよ。
スー)イントロだけメジャー、珍しいですね。
宮)そうなんですよ。そういう曲ってちょっとあり得ないぐらいじゃないですか。ところがね、父に昔聞いた事があるんだけど、戦争が要するに大戦が終って、パァーッとジャズが入って来たのかという事を聞いた事がある。と、あの頃何と言っても自分の心を打ったのは『リンゴの唄』(‘46並木路子)だったって言うのよ(BGMで流れる)♪~~~。
スー)これですね、メジャーだイントロは!
宮)メジャーなんだよ。うん。
ミ)明るい。
スー)(『リンゴの唄』のイントロ聞きながら)さあ行くぞ戦後だ!やっと戦争が終わった頑張るぞ!おオッシャー!♪(赤い~本編始まる)あらららマイナーだ。
宮)だからね、なんかこれ偶然じゃないなあという気がすんのよ。ま、別にそれ意図して作ったとかいう事はないと思うんだけど、心のどっかにね「あれがいいんだよ!」みたいなフフッ。
スー)ああ、あったでしょうね。
宮)ものがあって、そのマイナーなメロディだけど、それがめっちゃ明るく聞こえたって事も言ってたよね、父はさ。そういう事を言いたかったの。でもよく聞いてみると『リンゴの唄』もイントロはメジャーで、不思議な事に彼の一番のヒット曲である『宇宙戦艦ヤマト』もそういう構成になってるっていう事が、まず1つね、申し上げたいのね。
スー)メジャー・マイナー。
ミ)励まされてヤッタるぞという気持ちになるんだけど、マイナー調なんですね。
宮)ま、僕の言葉で言えば「メジャー・マイナー」を「楽しいと悲しい」という風に言うのは間違いだと思うの。僕は「楽しい」じゃなくて「アウトサイド」と「インサイド」。マイナーの曲は心の中を見ようとしてるようにおもうんだよね。
スー)なるほどなるほど。
宮)だからそれは悲しい心とも限らない。楽しい心であってもやっぱりインサイドを見てる感じがどっかにあるんじゃないかな。それは僕の意見なんだけど。メロディに関してねもう1つ見立てている事があって。トニックって言葉ちょっと難しいと思いますけど、この主和音(弾く)♪~~『宇宙戦艦ヤマト』だとするとこのCマイナーっていうコードで終わる訳ね。♪チャンチャ~ンですね、いわゆる。これが主和音な訳です、「俺」っていう音なんですよね。このキーの。これが主和音の事を西洋ではトニックって言ってる訳なんですけど、曲がれど曲がれどトニックなんですよ、この曲。
スー)ほう。
宮)いいですか♪~さらば~これ当然トニック♪~地球よ~旅立つ船は~地球~戦艦ヤ~マ~ト、はいここまで“枕”ですね。本編入りま~すトニックです♪ターンタタタタララ~動くんだけど、窓を開けると♪ターンタタタタまずトニックなんです。普通だったら横丁曲がって♪~~サビ行ったらちょっと違うメジャーになったり~とか♪~~違うキーに行ってみたりとかすんだけど。♪ターンタタタタララ ♪~~さあ次はサビだ~またトニック~タタンタ「俺」~♪タタターラタタタ~マ、この辺は変わってるんですけど♪ラララ~ララララ~~~~戻りますよ♪戻りますよ~~♪ターンタタタタララ。
つまりこのダブルバーって書くじゃないですか。
スー)楽譜でね。
宮)起承転結のたんびに、線を2本ずつ書くんですね小節線をね。その跨いだ先が全部トニック。で、サビに行ってもトニック推しの曲って、めちゃくちゃ売れる事があるのよ。
スー)これだ。
宮)うん、これはね例えば♪タラ~ラララランラララララ『ビューティフル・サンデー』(‘76田中星児)とかああいう曲はサビに行っても♪ラ~ラ~ラ~ビューティフルサンデ~とか。
スー)ああトニック連発だ。
宮)他にも、今ちょっとすぐに思い出せないんだけど、大ヒットする曲がよくこれなんだよねえ。
スー)じゃあ音楽的なモチーフが変わっても、とにかく(ギター弾きながら)♪タラタ~Cマイナートニックが連打すると。
宮)そうそう。自信に満ち溢れて我が道を行くっていう事なんだよね。
スー)えい!えい!ヤマトニック!
ミ)ハハハッ。
♪ささきいさお『宇宙戦艦ヤマト』
スー)ささきいさおさんは今度の「宇宙戦艦ヤマトストリングスコンサート」にいらっしゃる。
ミ)そうです、これは聞きたい。
スー)残念ながら最後の曲になってしまいました。
宮)そうですか。
スー)何の曲を行きましょうか最後は。
宮)やっぱりこのエンディングテーマじゃないんですか?
ミ)真っ白な日記帳さん《「クインテット」アキラさんが印象に残ってる。放送当時は中学生でクラッシック音楽の楽しみを覚え、高校大学大学院生まで10年間楽しみました》とのことです。
宮)そうですねえそういうもんですよ。
スー)あとは大阪環状線のメールもたくさん来てるんですが、時間の関係でフフッちょっと。ではせっかくなので「宇宙戦艦ヤマトストリングスコンサートTV放送50周年スペシャルin富士山河口湖」のコンサートの見所聞き所を最後に彬良先生から。
宮)はい、もう家はホントに譜面を書くのが代々商売なんで、この日の為に譜面をまたしこたま書きましたんでね、その音が出るのを楽しみに僕らは待ってます、それを是非、産声を上げる所を是非聞きに来て下さい。
ミ)はい8/24(土)です。ささきいさおさんの『真赤なスカーフ』を聞きながら宮川彬良先生とはお別れです。
スー・ミ)ありがとうございました。
宮)ありがとうございました。
♪ささきいさお『真赤なスカーフ(「宇宙戦艦ヤマト」)
スー)いやぁさすが凄かったですね。私も楽曲解説とかやったりしますけれど、上には上がいる、かないません。
ミ)しかもエンタメで楽しく。
スー)楽しそうに、あと私よりピアノが上手い当たり前かハハッありがとうございました宮川彬良先生。
来週は《40の挑戦》40 代の挑戦という事で、あの作詞家作曲家編曲家は40代でこんな曲を作った、あの歌手のあの歌は実は40代の時のものだったという視点でミラッキさん回ですね。ミラッキさんが基本選曲して、私は9時台後半を選曲します。
今日のクレジットは宮川泰編曲でお届けします「BAYFM9の音粋お相手は、アシスタントディレクター♪(ギター『恋のフーガ』イントロ)岡部いさこ、♪~ミキサーイトウさん♪~ディレクター浜野勉さん♪~~プロデューサー西宮ヒロキさん♪~トニック!」
ミ)DJはミラッキ大村と。
スー)スージー鈴木でございました。
スー・ミ)ありがとうございました。
===終了===

★みにょん:宮川彬良さんワンダーランド解説はポップで楽しく緻密で深い。日頃スージーさんが推す昭和歌謡は一層輝きを増し心躍る。《「メジャー・マイナー」が「楽しい・悲しい」は間違ってる。「アウトサイド・インサイド」だと思う》《音に秘密がちゃんとかいてある、そこにグッと来ちゃう》《8/24コンサートこの日の為にしこたま譜面を書きました、その音が産声を上げるところを是非聞きに来て下さい》神々しい迄のプロ音楽家の存在感を感じ、音楽の素晴らしさに修辞でなく震えるほど楽しい時間だった。
その中で残念だったのは、プロフェッショナルに対してのミラッキ氏の度重なる失礼な言動。’80-‘90代のポップスはよく知らないと仰る宮川さんに畳みかける質問。明らかに9時台後半の先生のテンションが下がっている。常日頃筆者が感じているミラッキ氏の”独りよがり“”思い込み“のテーマを先生に投げ「それはね、ラジオで言うことじゃないね、あなたの問題」とバッサリ斬られる。その際、本当に失礼な語気、言葉で先生に駄々をこねるようなリアクション。大人として社会人として基本的に欠落した態度は聞いていてやり切れなかった。月曜キュウオンが他に類を見ないユニークで深い音楽番組であるとリスナーや音楽関係者の方に推されている中、番組の良識と品格を壊すものだと、本当に辛い気持ちになった。
宮川彬良さんスージーさんの大人な態度で収まる形になった番組、宮川さんの分析解説パフォーマンスが素晴らしかっただけに、本当に残念でならない。Twitter(X)でそう感じたリスナーさんも複数いたと知った。

☆来週(8/19) 《40の挑戦》40 代の挑戦。あの作詞家作曲家編曲家は40代でこんな曲を作った、あの歌手のあの歌は実は40代の時のものだったという視点。ミラッキ回。
☆番組特製サイン入りステッカー:シェア大賞・ヒロイサクさん:メール大賞・チハルさん


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