空港で働きたい、と思った
どうして空港で働きたかったか、というと…
わたしには夢があった。
空港で働くこと。
いまは、CA(キャビンアテンダント)といわれている、
スチュワーデスに漠然とあこがれていたんだよね。
当時は、いまみたいに海外に格安ツアーとかも少なかったし、
なんたって無料で海外に行けるし、空港ロビーをさっそうと
キャリーをひきながら歩いている、かっこいいお姉さんに
なりたかった、っていうのが本音。
それから、堀ちえみさん主演の「スチュワーデス物語」と
いうドラマをみて、簡単になれるんじゃないかって思ったわけよ。
だって、有名なセリフ「ドジでのろまな亀」っていうだけあって、
ほんと、ありえないくらいの困ったちゃんが働けるんだもん。
って、ドラマだったからだけど、ね。
手っ取り早いのは、東京へ行こう…
高校時代、よく深夜ドラマを聴いていたんだけど、
なんていう番組かは忘れたけど、そのスポンサーが東京にある
外語専門学校だったの。
そうだ、英語は必要ねφ(..)メモメモ
それで、興味を持ってパンフレットを取り寄せてみたの。
スポンサーにまんまと、ひっかかる素直な私。
で、その中に「スチュワーデスコース」というのがあるではないか。
地元の短大に進学予定だったけど、
東京→英語→スチュワーデス、とわたしの脳内メーカーはフル回転。
せっかちでごめんなさい。
願書を送って、試験を受けて、合格通知が届いたら、
九州から上京することになったの(遠い目をして…懐かしむ)
紀尾井町にあるホテルでアルバイト
専門学校では、夕方5時まで授業があったんだけど、6時から10時まで
1時間で1周まわるレストランでアルバイトをしていたの。
いまはどうだかわからないけど、当時は就職もコネクションが横行
していたような記憶があるんだけど…ここだけの話ね。
まあ、ある程度の実力あって、ん~どちらにしようか、ってなったとき
知り合いから頼まれている娘さん…的な感じだったんじゃないかな。
私がA航空を受けることを知った、当時のアルバイト先のマネージャー
が、奥さんがスッチー(死語)だから、頼んでおくよ。なんて言って
くれたんだけど。
受けた結果、落っこちてしまったの。
わたし「すいません、だめでした」
マネージャー「あれじゃだめだね」
って話は、すでに伝わってて、ウソじゃなくコネクションがあったんだ
って驚いた。半信半疑だったからね。
受験のとき、面接では2人面接官がいて、にこやかな表情だし、
緊張するどころか、とてもリラックスした感じで受けることができたん
だけど、いくつか質疑応答のあと、内心ちょろい、いけるっていうのが
リラックスしすぎたのか、面接官を甘くみていたのか、
面接官に「あなたにとってサービスとはどういうものですか?」って
聴かれて、ここはホテルでのアルバイト体験をしゃべるときがきた!
って思った瞬間、20歳そこらの若者が、おばちゃんみたいに、
「そりゃあ、もう」って、右手のひらで大きく1回、宙をたたいて
しまった。
「おくさ~ん」とか「いや~ね~」っていうときにやるポーズだろ。
完全に終わったと思ったよ。
中途採用でグランドホステス
わたしはおしゃべりは好き。
でも、面接となると失敗してしまう。
自分をよく見せようとするのか、特別な雰囲気だと緊張してしまうの。
それでも、ラッキーなことに同郷で同じ趣味の面接官と話がはずんでしまい
スッチーではなくグラホ(グランドホステス)として採用をいただけたの。
ちなみに、これも今では、グランドスタッフと呼ばれるようになったとか。
たしかに面接官との相性は大きいと実感したよ。
飛べなくても、空港で働ける。地に足をつけてがんばるぞ!
と決意あらたに、がんばることにした。