やる散歩〜青春フルパワー忍伝編Day3〜
朝9時に米子のネカフェを後にし、とりあえず外に出る。相変わらず寒い。細かいプランはなかったが、夜までに和歌山にたどり着いていればokと決めて動き出した。この日の日中は街をふらふらして回ることに(なお、この決定は翌日起こる悲劇にうっすら繋がっている)。THE観光というよりは、いつもの散歩に近い旅になった。まずは歩いて最寄りの駅を目指す。
公民館のようなシルエットの無人駅に着いた。無人駅を使うのは久しぶりだ。無人駅はなんかワクワクするので好きだ。
Googleマップで現在地を確認する。島根県が目と鼻の先だった。もともとプランになかったが、島根も行ったことのない県だったので、ついでに実績解除してやろうと松江方面の電車に飛び乗った。
昼時までフラフラと街を歩き、通りがかった洋食屋へ入ると、「カツライス」なるメニューがあった。カツカレーのことだろうか。この辺りの方言か?とも思ったが、カツライスとは別にカツカレーもある。となるとカツカレーとは別の物である。
カツとカレーでカツカレーなので、カツとライスで…カツ丼だろうか?いやしかし、カツカレーは普通にカツカレーなのに、カツ丼をわざわざ変な言い方に直す意味とは…。そもそもカツ丼は洋食ではない。最初は「カツ丼です」と出していたが、後からカツ丼は洋食ではないと気付き、指摘を免れるため「カツライスですが?」としらこい顔をする事に決めたのだろうか。この場合、普通に考えればカツ丼をメニューから消せばいい話だが、常連が気付いて「カツ丼は洋食じゃないって気付いたんだな…」と思われるのが恥だったと思われる。このセンは一応筋が通っているが、ソリューションが変すぎる。もしカツ丼が出てきたら、この一連のストーリーを踏まえて「流石におかしいと思います。カツ丼はカツ丼ですし、カツ丼は洋食ではないです。」と言ってやろうと決めた。
他に考えられるのは、そもそもカツカレーともカツ丼とも違う全くの別物という可能性。おせちんこ方式の名前で、カツラが入った(もしくは具材が上にカツラのように載った)ご飯という説。あるいは勝海舟が最初に食べた料理──勝海舟は島根と縁があるのだろうかとWikipediaを見ると、幼少時に野犬に金玉を噛まれた話が載っていて面白かった──という説…。
考えても埒があかないので、注文してみた。
その後も松江の街を放浪した。島根大学があったので、周りは栄えてたりするのかなと思って大学方面へ歩くも何も見つからないなど、時間を贅沢にロスしながら散歩した。
夕方まで歩き回った後、そろそろ関西へ発つか…と乗り換え案内を検索。夜までに和歌山に到着という目標だったのに、終電でたどり着けるのは大阪までだった。おばかさん丸出しの顔面で、電車に飛び乗る。そこから5〜6時間はひたすら電車移動だった。
長時間在来線を乗り継いで移動する時に発生するのが、ご飯どうするyo問題である。何も考えずギリギリの時間で目的地へ向かおうとした場合、切れ目なく電車を乗り継いでいく必要があり、途中で降りて飲食店に立ち寄る暇がなかったりする。この日は途中で通る岡山県の駅で次の乗り換えまで35分間の時間があったため、その隙に急いで降りて駅の近くの店で夕食をとった。
たまたま駅に近くて営業中だったというだけで選んだ店だったが、店内に博物館の資料のようなアイテムがたくさん置いてあって面白かった。店の人に「すごいコレクションですね」と言うと、「先代が集めたものなんですけど、私達は全然価値が分からないんですよね」とのことだった。
当初は行ったことのない場所ばっかり行くぞ!という意気込みだったが、まさかの大阪駅でフィニッシュ。ベストな展開とは言えないが、本当に変な場所で終電を逃して泊まる場所を失うという事態になるよりはマシだったかもしれない。
教訓:
・犬と人から成る協会も存在する
・カツライスは変ではない
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?