やる散歩〜青春フルパワー忍伝編Day6〜
手元の青春18きっぷは残り1日分。午前9時頃、沼津のネカフェで目を覚ます。5日間に渡る旅を経て、この日は朝の時点で既にかなり疲れていた。度重なる観光失敗による精神的な疲労もさることながら、長時間の電車移動により尻がカチカチに硬化している。空手の部位鍛錬とはこういう感じなのだろうか。長年の修練を経た空手家の頑丈無比な拳でも、この腰に生る鋼の肉桃をもってすれば粉砕できるような気さえしてきた。この旅行から帰ったら記念にこの硬尻でインゴットでも作って飾ろうと決意し、ネカフェを後にした。
せっかく沼津に来たんだから深海水族館へでも行ってみようかと前日までは思っていたが、どうも気が抜けてしまってハイカロリーな観光をする気が失せてしまった。
疲れるまで街をうろうろ散歩し、食事だけは名物を食べるというスタイルをとることにした。
昼食は現地の名物を…と思い、沼津グルメについて調べながら店を探した。沼津港があり、深海水族館でも有名なだけあって、沼津には深海魚料理が食べられる店がいくつかある。「深海サメバーガー」なるハンバーガーや、アブラボウズなどの深海魚の寿司を食べて回った。
食後のおやつにと”どんぐり“というgu♡kawa甘味処を訪ねたが、平日だというのにかなりの行列が出来ていたため、後回しにすることにした。結局その後寄り道をし過ぎて閉店までにその店には戻れなかったのだが、代わりに不憫な沼津みかんを救ってやれたので結果オーライとした。
ひたすら沼津の街を歩いていると、観光マップの看板を見かけた。地図には、「世界一小さい公園」なる場所が示されていた。公園好きとしては、ひと目見ておかない手はない。「世界一小さい公園」と調べると、公式記録としては海外の別の公園が紹介されているが、細かい前提条件を抜きにして純粋な敷地面積でいえば沼津のこの公園が一番小さいということらしかった。
公園全体の1/4を占める小さなベンチに腰掛け、先ほど救った沼津みかんを2,3個食べた。ベンチにはほぼ片尻しか入らず、景色もその辺の道路脇と変わらなかったが、世界一の場所でおやつというのもなかなかオツな体験だった。
公園から出た(立ち上がった)後は、近くの滝を見に行っき、滝付近の川で久々の水切りに挑戦した。水切りが上手くいかないフラストレーションから河原の石を一気食いしたりしているうちに日が沈んできたので、自宅へ帰ることにした。どんぐりや深海水族館へは、また誰かと一緒に遊びに行きたい。
行き当たりばったりで失敗もしたが、散歩を楽しむ力がさらに上がった旅だった。近場を散歩するだけでも楽しめるが、遠出も遠出で面白いなと改めて思った。70連休が終わった後も、どんどん散歩を続けていきたい。宇宙踏破への道は、まだまだ始まったばかり──。
教訓:
・深海魚はおいしい傾向にある
・ナンバーワン公園にならなくてもいい元々特別なオンリーワン公園