【J1第33節 名古屋‐福岡】ちゃんと決定機のある”あとは決めるだけ”


切り替えていこー

まー、長いシーズンこういう試合もありますよねって割り切って、普段とは違う一面を見せた名古屋を楽しみましょう!ってことで、決定機を中心にレビューします。

基本情報

スタメンやスタッツは、下のXをご確認ください。左にスワイプすると、ゴール期待値やパスネットワーク図が見れます。

名古屋は、5日後のルヴァン準決勝に向けてターンオーバー。福岡は、11戦勝ち無しの中、前節から、金森、ザヘディ、湯澤を変更。(ザヘディは開幕当初と中に入っている人変わりました?)

ハイライトはこちら。5分ぐらいの途中で視聴終わって戻ってもらうと、良い感じに、記憶の上書きができるので、おすすめです。(流れからのいい決定機が多いなー。)

5回の決定機

試合開始から名古屋のペース。ボール保持向きな左ユニット河面・山中・菊地・森島を中心に攻撃を組み立て、ファールをもらい、山中のフリーキックというループで、主導権を握ります。

14分最初の決定機。上記左ユニットのパス回しから山中がニアゾーンに走り込みマイナスクロス。山岸がシュート。最初の決定機が来ました。ビルドアップでは、4バック化で左SBに菊地が落ち、山中と前後内外を入れ替えながら侵入する良い攻撃でした。

ボール保持時、右は三國がSB化することで、中山を前に押し出すのに対し、左は、菊地がチャンレと河面の間に入ったり、SBに入ったり、山中と森島が幅取り役を交代したりと流動性が高く、なんというかイイ感じでした。

25分、2回目の決定機。ザヘディの前で菊地がボールをカットし、また左のユニットに稲垣を加えてパス交換しながら、稲垣がニアゾーンに侵入しクロス、こぼれ球をユンカーが反転してシュート。GK永石のファインセーブに。この反転シュートにユンカーのコンディションの良さが垣間見られました。

前半、福岡の主要な陣地回復手段であるザヘディへのロングパスを回収できたことも名古屋が主導権を握る一因でしたが、この攻撃でも菊地がカットしています。ロングボールを蹴られるときに稲垣に比べ相対的に菊地が後ろにいるため、CBと菊地でザヘディを挟むわけだが、そうすると反撃の起点が菊地からになり、それも名古屋の好循環につながっていました。

また、前後関係では菊地がカウンターケア役をするため、稲垣が前になり幾度となくニアゾーンに侵入できていたのも名古屋の攻撃を活性化させました。

26分、3回目の決定機。また左から持ち上がり、中央を経由して、稲垣・三國とパス交換、中山をおとりにして、三國から中央の山岸に鋭いグラウンダーのパス。それをおしゃれにループラストパス、ユンカーがシュート。永石がタイミングよく詰めたため、ゴールならず。押し込めてるぞ、押し込めている!

31分、DAZNのスタッツ。シュート9-3、保持率54%-46%。理想的すぎるぞ。

何度かあった右へのロングボールは、中山にユンカー・山岸を追い越させて、そこに送り込む。成功には至らなかったが、捕まえにくいし、左ユニットが反撃に晒されにくいため、いい設計と思った。

ちなみに、この試合、味方によるシュートブロックが3回あった(手元集計)。鉄壁w

46分、4度目の決定機。またも、左ユニットでのパス交換から、河面のキーパスから、山岸がスルーパスし、ユンカーのゴロシュートはポストに当たり、惜しくもノーゴール。パスワークのスピードで相手がついてこれなくなるいい展開。

55分、最後の決定機。相手の連携ミスを森島が拾いユンカーにスルーパス。ゴールキーパーと1対1になるが、シュートはクロスバーに2回当たるもゴールラインを割らず。ゴール方向へのエネルギーをすべて重力方向に変換するという(涙)。きっとクロスバーに水をかけておけばゴールになった惜しいシュートだった。このシュートもうまい人しかできないシュート。

60分以降の劣勢

87分、失点。ロングスローの競り合いのクリアを再度、福岡に拾われ、田代、ウェリントン、グローリと渡り、小田の強烈なシュート。

60分以降、セカンドボールがほとんど福岡に流れ、主導権も握られていくことになりました。ウェリントンとパトリックの個人の問題というよりも、チーム全体の前への圧力の差が大きかったなと。

1つは、ウェリントンを挟むのを菊地から稲垣に変えたことで、セカンドボールの落下地点にいる人が減ったこと、そして、もう1つは、蹴りあいで、押し上げられないまま無策にパトリックに蹴りすぎたことが要因に見えました。

ウェリントンとの競り合いで負けて、失点に関与したように見えるチャンレだが、あの場面は後ろからくるウェリントンの方が有利なので仕方ない。

ただ、名古屋の3バックは、列を降りる相手に対する迎撃範囲を広げていっており、その戦い方にマッチしていない。迎撃範囲が狭く、遅い。そのため序列を落としているのだなと。

シーズン当初、3バックの経験があまりないということで、不安視されていたことが、顕在化しているなあと。ポジションを守って中央に居座り、跳ね返す能力は高いので、純粋にチーム戦術との相性が悪い。そういう戦い方の4バックのチームでは重宝されると思うので、来シーズンはいないかもしれない。

同じ理由で、吉田温紀も序列を落としていると思う。ウェリントン対策で、菊地と交代という策もあったと思うのだが、そうならない理由があるのかもしれない。

2人が合うオプションが必要な時も来ると思うので、福岡戦で見せたように、新しい側面を見たいという、来期に向けた期待もあります(あと5節かー)。

おわりに

下のヒートマップを見ても、菊地がボールサイドに顔を出しづづけ、MVP級の活躍をしました。守備の堅い福岡に対し、流れの中からこんなに決定機ができたことが、正直驚きだし、名古屋のメンバーの組み合わせは無限大って感じます。「あとは決めるだけ」とよく言いますが、回させられてるのではなく、ちゃんと決定機がる「あとは決めるだけ」なので、続けることができれば結果はついてくると思える内容でした。

マリノスも大幅にターンオーバーしていました(守備ユニット6人を総とっかえ)。そして、柏相手に反撃の出力を出せないまま0-1で敗れています。ACLエリートを戦っているミッドウィーク用スカッドがルヴァン準決勝の1戦目に出てくると思います。出ずっぱりのアンロペがお疲れそうだし、チーム全体の調子は明らかに名古屋の方が上なので、10/9の準決勝第一戦が楽しみです。




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