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4/12 桜花賞回顧②

改めてレースを振り返って上位陣について書いていきたいと思うが、しかし何でこんな高速馬場かな阪神。来週以降どうするんだろう。中山の芝もまあ心配と言えば心配ではあるのだが…

メイケイエールについて

勝ったソダシより先に取り上げて申し訳ないが、このレース1番の破天荒ぶりを見せた彼女から振り返らない訳に行かないだろう。パトロールビデオを見ながら振り返ってみたのだが、やはり⑧メイケイエールの乱暴さが目立って仕方ない。もう隣に馬が来るとちょっかいを出さないと気が済まない性格なのか、レース映像では⑯ソングラインにかみつきに行っていた程度しかわからなかった不利が、その直前で⑭ミニーアイルにも及んでいた事が分かった。その外にいた⑰ホウオウイクセルも当然外に振られざるを得ない。迷惑をかけ続ける訳にいかないと、この時点で横山典弘騎手も諦めて大外から逃げの手に出させたが、よく見ると直線以降も一度足りとて馬を追っていない。最後まで引っ張っていたのはこれが原因だったか。馬に無理をさせずにレースを終わらせたという事だろう。ノリらしい馬に気を遣った騎乗で、馬券を買っていた身としても全く文句はない。しかしハミ受け不良の再審査など聞いたことがないのだが…思い返せば大昔の天皇賞春、中央に転入後、環境の変化に耐えきれず調教も日経賞も引っかかりまくりだったイナリワンを見事操った武豊騎手でもデビューからずっと引っ掛かりっぱなし、走る気のなかったゴールドシップをやる気にさせた横山典弘騎手でもこれ。あの頃とは両騎手ともに年齢が違うとはいえ、本格的にメイケイエールはやばいかもしれないと不安を抱かずにいられない。昨日も書いた通り、闘争心はこの世代髄一なのは間違いないだけに、なんとかなってほしい。不利を受けたソングラインは登り坂くらいで池添騎手が追うのをやめていたし、ミニーアイルは内に突っ込んでそのまま後方。ホウオウイクセルは外からじりじりとしか伸びていなかった。ソングラインに関しては致命的な不利とは言わないまでも、かなり痛い不利だったのは間違いない、あの不利でほとんどレースを投げた可能性はあるため、次走もしっかり注目しておきたい。

ソダシ

好発進からそのまま先団へ。先頭をストゥーティに譲りインの一番いい位置に待機。若干引っかかりながらもしっかりと我慢し、⑪ジネストラにぴったり外をブロックされながらも直線で前が開くとしっかり伸びてきてそのまま優勝。高速馬場に適応できるかが不安視されていた戦前と打って変わって成長を見せる快勝劇だったが、何より目を見張るのは先団につけながらも上がり3Fが33.8。同じ位置にいたジネストラは35.4で後退していたことからも、ひと冬越えてかなりの実力を身に着けたと言っていいだろう。関東の騎手が勝ったのもアパパネの蛯名正義騎手以来11年ぶり。その時と同じ勝負服で駆け抜け、オークスへの参戦も示唆しているだけに牝馬3冠への期待は高まる一方だ。距離がどうかとは思うが、東京への適正はありそうなところを十分に見せてくれた。勿論、脇を固めるライバルたちも一筋縄ではいかない強豪が多いため、そう簡単には行かないだろう。そんな点も含めて、今年の牝馬路線は面白い。

サトノレイナス

スタートは相変わらず後手。大外枠なのは逆に良かったと思っていた要因の一つはこれだったため、さほど気にはならなかったが、結果的にこれが痛手だったのかもしれない。4角でもまだ後方。進路が開けたのは200直前だったものの上りは32.9というほぼ異次元な脚。アールドヴィーヴルやファインルージュくらいの位置にいれば順位は入れ替わっていたかもしれない。優等生な競馬をしたソダシと、バクチ的競馬になったサトノレイナスの差だろう。昨日も書いたが、直線の長い東京競馬場の方がこの馬は脅威だ。ソダシ陣営にとっても最後方の大外からこんな脚でぶち抜かれてはなすすべがないだろうから、引き続きオークスの逆転にも注意したい。

ファインルージュ アカイトリノムスメ

3,4着に敗れた2頭。ファインルージュはルメールがフェアリーS後に語っていた「G1レベル」はやはり本物の実力で、インのポケットからうまく立ち回って抜け出してきた。最後はサトノレイナスに交わされたものの確実にソダシに肉薄しており、若干進路を変えて加速が遅れていなければどうなていたか分からないのではないか。母系にダンスインザダークが入っているが、2400に距離が伸びてどうか。もしかするとNHKマイル路線を目指すかもしれない。アカイトリノムスメも初の右回り、横山武史騎手の迫力ある追いと、母に負けず劣らず熱い走りを見せてくれた。結果的にクイーンCで下した馬達にはしっかり先着、それもタイム差を大きくつけている事からもさらに成長している事が見て取れた。サトノレイナスに交わされてから更にもうひと加速する闘争心も見せてくれたことから、馬群を突いて伸びることも問題なさそう。兄弟たちを超える活躍を見せてほしい。

ククナ

レース映像を見返して一番びっくりしたのがこの馬。え、いつの間に6着まで来てた?道中は完全に死んだふりのポツン状態なのに上りは2位の33.2。サトノレイナスの末脚が際立つと同時に、あそこからよく6着まで来たと思う。サトノレイナスに直線進路を締められ何度か進路変更していたにもかかわらず、である。昨日はエンスージアズムについて書いたが、もしかしたら一番の台風の目はこの馬かも知れない。アルテミスS、シンザン記念、クイーンCとずっと好走を続けていた力は確かだったという事だろう。母のクルミナルも春のクラシック戦線で活躍していただけに、母の無念を晴らしてほしい。

とまあ、厚めに振り返っては見たが、改めて上位4頭の強さが際立つレースなのは間違いない。しかし王道のトライアル組がほぼまるで活躍できていないのは残念。エリザベスタワーもシゲルピンクルビーも案外だった。ホウオウイクセルは不利もあったのだろうが…

1週間後にはもうフローラS。果たしてこの上位陣に割って入る馬はいるのか、期待して見守りたいと思う。そして勿論、今週の皐月賞も。

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