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1年の終わりに
まだ中央はホープフルSを、地方は桐花賞に高知県知事賞、2500mに戻った東海ゴールドC、東京2歳優駿牝馬を残しているのだから終わりではないのだけれども、健全な皆様におかれましては年末の準備をあわただしく進めていることかと思われます。今年もお世話になりました。年末なので、ちょっと自分自身をまとめる意味でも記事を書こうと思う。
今年は25回の人生の中で、間違いなく一番濃密な1年であった。その要因の一番の理由は転職だ。2年間勤めあげた飲食店での社員は春先に辞めた。半年に1回は異動をし、最後の転勤は県を跨いで引っ越しもした。身も心もボロボロになって、くたびれた。当時の自分の写真を見ると、全く目に光がない。この時期に旧友と行ったUSJでは、待ち時間に立ったまま寝るという常軌を逸した行動もした。それくらい、とにかく休息と安息が欲しかった。
そこを辞めて、目の前にあったのが書くという仕事。ウマフリ(敬称略)に寄稿していた縁あって、今年も本に自分の文章が載った。
寄稿した項はハープスター、ベガ、テイエムプリキュア、ロイスアンドロイスにサッカーボーイ。今までで一番多い5記事を担当した。プレッシャーもあり、経験したことのない1ページ記事もあった。一番自信のなかった文章は、のちに『何を書きたかったの』とダメ出しを食らったりもした。
正直、書いていて『こりゃ会心の出来だ』と思えた文章はサッカーボーイくらいで、あとはかなり悪戦苦闘した。世に文章を出すというのはこんなに難しいものなのかと痛感させられた一冊で、苦い思い出が多い。
これ以降も文章を書いていて、何度も投げ出したくなることはあった。自分の頭の中にあることを、稚拙な表現力では記せないし、文章力がなさ過ぎて嫌になったことの方が、多分今年は多い。
それでも、文章を書くことに楽しさを覚える気持ちは変わらないからこそ、続けることができているのだろう。ここ最近は添削を毎日していただいていることもあって、自分の書いた文章へのレスポンスが間を置かずして帰って来る。
それを見て、『ああ、ここがダメだったか』とすぐに考えられる環境にいることは、たぶん物凄く恵まれている。偉大な先輩方に何とかして追いつきたいとがむしゃらに思って書いている毎日は楽しい。頭を悩ませて作った文章で、誰かが喜び、感動してくれることを考えると頑張れる。
『趣味を仕事にはしたくない』
3月、高松宮記念を見るため名古屋遠征をした際に、一緒に行った友人に言われた言葉を、今も結構な頻度で思い返したりする。趣味を仕事にすると、嫌な部分も見えてきて、そのうち好きなことも好きじゃなくなるし、やりたくないこともやらなきゃいけない。たぶん彼はそういう意味で言ったんだろうが、まさにその通りだ。前述の通り、嫌なことがなかったわけじゃない。いや、むしろ嫌なことややらかしたことの方が多いかもしれない。
だけど、それらは確実に自分の糧になっていると思う。『自分の文章に責任を持ちなさい』と言われて、もうタダで文章を書いているわけじゃなくて、仕事として文章を載せていると真剣に考えだしたあたりから、少しは成長できていると思いたい。
前の職をやめて、フリーライターとして生き始めてよかったのか。それは正直今の段階では何とも言えない。何とか毎月食い扶持と馬券代(重要)は稼げているとはいえ、飲み会などで旧友と会って仕事の話を聞いたりすると、やはり職場があって、プライベートとびっちり線引きされ、安定した休日と給料が保証されている仕事の仕方に羨ましく思うこともある。前まではあれほど自由な職場にあこがれていたくせに勝手なものだが、隣の芝生は青く見えるとはよく言ったもの。ないものねだりとはこういうことかと思っている。
それでも、自分がしたいと思って、実際に毎日が充実したものになっているのなら、現段階ではたぶん間違っていない。数少ない友人に、ジャンルは違えど同じクリエイター仲間がいることも励みになっていたりする。9月にその人の家にお邪魔した時は、やはり創作意欲に火を点けられた。また行きたいなきみんち。
ウマフリでは最近、ありがたいことに重賞回顧を依頼されて書いている。秋の天皇賞から有馬記念までを回顧記事にまとめているので、暇があればぜひ見てほしい。
実は1年前も書いていた時期があったのだが、これも仕事で体調を崩して頓挫。当時書いた文章は時間のなさ+知識のなさで書き上げており、今見ると顔から火が出るくらい酷い文章が立ち並んでいる。つい先日、ある記事をリライトしてとお願いされたときもやはり同様の感情を抱いたから、時間をかけて書くということは、やはり大事だ。
今回の回顧は日曜夜にパトロールビデオ、レース映像、ラップタイムに血統までざっと見返してノートにメモし、そこから必要な部分を抜き出して回顧を書いたため、自分の競馬の知識を深めるのにも役立った。書き上げた後、X(旧Twitter)でレースの語句を入れて検索すると、自分の気づかなかった視点からレースの記録や振り返りをしている人も多い。なるほどこういう考え方もあるのかと勉強にもなり、ますます対象のレースが面白くなることもかなりあった。そのおかげか今年の秋G1は春に比べてしっかりと思い出すことができる。
なのに馬券が天皇賞以降1個も当たっていないのはなぜなのだろうか。この辺列記すると長いので、買い方下手ということにして片づけておく。
そうそう、秋にはフリーペーパー『ウマフリ東北(旧・岩手)』の発行に、1年ぶりに携わった。
編集含めて初めての経験が多かった活動で、まあ色々やらかして多方に迷惑をかけたが長くなるのでここでは割愛する。助けていただいた方々には感謝してもしきれない。特に小学校からの親友。
色々書いたが、総じて言えることは『これまで文章を書いていて、またウマフリという媒体に出会えていてよかった』ということである。代表の緒方きしんさんには、この場を借りてお礼申し上げます。来年以降も精進いたしますのでどうか見放さなず見守って下さい。
さあ、28日にはホープフルSだ。◎は今のところクロワデュノール。昨年同じ勝負服のレガレイラにゴール直前でかっさらわられたシンエンペラーへの単勝1万円分の代金を返してもらおうと思う。
今年一年大変お世話になりました。また来年もよろしくお願いいたします。
よいお年を!
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