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「バカなる」の事例も見てみました

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、高いパフォーマンスを実現するための「証明された」リーダーシップと経営の実践的な方法(プラクティス)を示したものです。

 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは2年ごとにその時代の最先端の実践を取り入れて改訂されています。最新の2021-2022年版で特に着目した点に「デジタル化と第4次産業革命」があります。

 丁度、デジタルトランスフォーメーション(DX)について話す機会を頂きましたので、その準備のため、関連する情報を集めています。以下はその覚書です。

 DXの事例を見て来ましたが、先に紹介した「バカなる」からも事例を拾ってみます。

利昌工業(プリント配線板材料等電子材料) プリント配線板材料に進出時に中堅企業が競合の大企業に設備投資で先行した
吉川製油(工業用油剤) 多角化にあたり成長分野でなく一社独占状態の成熟商品に進出した
ホテル百万石(温泉旅館) 温泉街の中心から離れた田んぼの真中に新たに温泉旅館を建てた

 3社の例はいずれも戦略論や業界の常識から見ると「バカな」ものになります。ただ、「バカなる」は1988年の本ですから、かなり古い。その当時の常識になります。
 現在、3社がどうなっているかを調べていたら、「バカなる」の一部、まさに該当の部分が、PHP社のホームページに載っているのを見つけました。

野村證券 人事部は現場の人間が人事部員になり二年で交代する
アルメタックス(アルミ製品) 他社が導入した自動化ラインを取り入れなかった
川﨑電気(配電盤メーカー、現かわでん) 大量生産体制を一個作りの体制に変更した
平安堂(書店) 取扱商品を売れ筋商品に絞り込んだ

 外から見える戦略ばかりでなく、内部プロセスに関する戦略(あるいは変革)についても「バカなる」があることがわかります。

★★

 確かに「バカなる」の事例は「古い」での、セミナーでは使えないかもしれませんね。「バカなる」の23年ぶりの「新版まえがき」には、最近の事例も紹介されてました。

 「DX 日本の事例」で紹介した中では、「青山商事(アパレル)」の、店舗を縮小する、という新たな戦略は、「バカなる」の事例といえるかもしれません。

★★

 「バカなる」は、吉原英樹著「『バカな』と『なるほど』」(1988年刊、2014年復刊、PHP研究所)を指します。



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