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将来を見据えたリーダーシップの役割
ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。ボルドリッジはまた、米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)の「審査基準」であり、それをもとに自己診断・審査を行い、組織の改善点を見つけ、改善します。
ボルドリッジが大切にする核となる価値観と概念で2番目に位置するのが将来を見据えたリーダーシップです。
この将来を見据えたリーダーシップの原典と言える図書を紹介しました。
本書は、それぞれの組織にぴったりのビジョンを創造することを支援することを目的として書かれており、ビジョンとは何か、ビジョンの創造、ビジョンの実現の三部構成になっています。
第一部 ビジョンとは何かにリーダーシップの役割があったので、紹介します。
最初に、マネージャーとリーダーの違いを整理します。
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すべてのリーダーがこの特質をすべて備えているということではなく、将来を見据えたリーダーシップ(本書では「ビジョン志向のリーダーシップ」と訳されている)の意味(定義)を考えた時、まさに将来を見据えたリーダーシップの特質ということができます。
将来を見据えたリーダーシップ(Visionary Leadership)
組織の経営幹部は、組織のビジョンを設定し、顧客に焦点を当て、明確ではっきりした組織の価値観と倫理観を示し、従業員に高い期待を設定する必要があります。
(ボルドリッジ核となる価値観と概念より引用。)
その上でリーダーの役割を示します。
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これら、ディレクション・セッター、チェンジ・エージェント、スポークスマン、コーチの4つの役割を同時に果たしてこそリーダーの器である、としています。
これらすべてに秀でていなければ、リーダーとしては成功できない。しかしながら、大方はコーチの役割にばかり力を注いでいる。厳しい指摘です。
後方の第三部には、21世紀型組織とは、21世紀型組織におけるビジョン・リーダーの役割が示されてます。これも併せて見ておきたい。項を改めて紹介します。
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ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。