多様性を受け入れる
組織の成功には、多様性を受け入れる文化(a culture of inclusion)が必要となっています。そうした文化は、従業員およびパートナーや協働者の持つ、多様な背景や特性、知識、スキル、創造性、行動の動機を活用することで育まれます。
このため、組織は、従業員やパートナー、協働者を大切にするとともに、彼らを取り巻く人々、すなわち、組織に利害関係を持つすべての人々を大切にします。
人を大切にする(Valuing People)
成功する組織は、働き手と、顧客、コミュニティメンバー、サプライヤーやパートナー、およびその行動の影響を受ける他の人々を含む組織に関与している他の人々を大切にします。
(ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーより)
米国の企業では、株価上昇や配当増加など投資家の利益を優先して経営にあたる「株主第一主義」の経営がその行動規範となっている、と言われていますが、ボルドリッジ・フレームワークが目指す経営の姿は、これとは異なるものです。
株主は、もちろん、「その行動の影響を受ける他の人々」に含まれますが、「株主第一」ではありません。
ボルドリッジの核となる価値観と概念のひとつ「先見の明のあるリーダーシップ」でも、リーダの役割として、「ビジョン」「価値観」「期待」の提示がありますが、これら「ビジョン」「価値観」「期待」は、働き手(従業員)やパートナー、お客様、株主、地域社会などすべてのステークホルダーのニーズとバランスされていることが重要であるとしています。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、2015-2016年版の改訂から現在の「人を大切にする」を核となる価値観と概念のひとつに含めています。
米国産業界全体としては、ようやく「株主第一主義」の経営の見直しが始まったようです。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(Baldrige Excellence Framework)の要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー(Baldrige Excellence Builder)は日本語で読むことができます。
「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトから無償でダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?