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2019-2020版からの変更点
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは2年に一度、その時代の最先端の実践を取り入れて改訂されています。それに伴い、その要約版、ボリドリッジ・エクセレンス・ビルダーも改訂されます。
最新の改訂は、2021-2022年版です。
2021–2022版ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークが特に着目したのは
・組織の回復力
・イノベーション
・多様性、公平性、および、包括性(diversity, equity, and inclusion)
・デジタル化と第4次産業革命
です。
このことによって、要約版であるボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーがどのように改訂されたかを見ておきます。
1.核となる価値観と概念の変更(4ページ)
ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーでは、11個の核となる価値観と概念が、1ページにまとめられています。
個数は11個のまま、変更はないのですが、中身が一部変わりました。
実際、価値観と概念に「回復力」が加わったことで、次のように変更となりました。
2019-2020年版
・・・・
組織の学習と俊敏性
成功に焦点を当てる
イノベーションに取り組む
・・・・
2021-2022年版
・・・・
俊敏性と回復力
組織の学習
成功とイノベーションに焦点を当てる
・・・・
全体で11個という個数がそのままなのは何故かは、一度聞いてみたいと思っています。
2.カテゴリー3 顧客の質問(9ページ)
質問が一つ追加されました。
「多様性、公平性、および、包括性」に着目したことによるものです。
3.2(4) 顧客体験プロセスは、さまざまな顧客や顧客グループ、さまざまな市場区分に対する公平な扱いをどのように確実にしていますか?
3.カテゴリー5 働き手の質問(11ページ)
質問が一つ追加されました。
こちらもまた、「多様性、公平性、および、包括性」に着目したことによるものです。
5.2(8) パフォーマンス管理や、パフォーマンス向上、キャリア開発のプロセスにおいて、多様な働き手および様々な働き手グループや働き手区分に対する公平性と包括性が保たれること をどのように保障していますか?
4.カテゴリー6 オペレーションの質問(12ページ)
質問の一つが変更されました。
「回復力」に着目したことによるものです。
6.2(4) 組織が災害、緊急事態、およびその他の混乱を予測し、準備し、回復できるようにすることをどのように確実にしていますか?
「その他の混乱」「回復」が考慮されるようになりました。
5.主要用語集(16-18ページ)
イノベーションの用語の定義が変更されました。
イノベーションの対象に、「社会の幸福(societal well-being)」に対する変更が加わりました。
ほかにも変更された箇所はありますが、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークが特に着目した点に関するものは、これだけです。
「デジタル化と第4次産業革命」が表に出てきていません。ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの方では、それぞれの質問の注記の中に含まれているようです。
ボルドリッジの変更点を確認することは、いま組織経営に新たに求められていることを認識するのに役立ちます。
★★
ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】(2019-2020版)」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。