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DXにおいて企業の目指すべき方向性
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク、最新の2021-2022年版で特に着目した点に「デジタル化と第4次産業革命」がありますが、丁度、デジタルトランスフォーメーション(DX)について話す機会を頂きましたので、その準備のため、関連する情報を集めています。
経済産業省から2020年12月28日に出された、デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会中間とりまとめ「D X(デジタルトランスフォーメーション)レポート2」をもう少し見てみます。
DXレポート2では、企業の目指すべき方向性を次のように概観しています。
2.4 企業の目指すべき方向性
・変化に迅速に適応し続けること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することがDXの本質であり、企業の目指すべき方向性
・コロナ禍によって人々の固定観念が変化した今こそ企業文化を変革する機会。ビジネスにおける価値創出の中心は急速にデジタルに移行しており、今すぐ企業文化を変革し、ビジネスを変革できない企業は、デジタル競争の敗者に
ポイントは
DXの本質=ITシステムの変革+企業文化の変革
コロナ禍の今こそ変革のチャンス
新型コロナによって世界は変わった、というより、新型コロナによってそれまで起こっていた変化が加速したというほうが近い。それは例えば
・在宅勤務(テレワーク)
・デジタル&ネットワーク化
・リモート診療
・キャッシュレス化 etc
DXの定義
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
「顧客や社会のニーズを基に」することがカギ。DX(ITを活用すること、変化すること)が目的にならないよう注意が必要です。
コロナ禍により表出したこと
・コロナ禍は一過性の特殊事象ではなく常に起こりうる事業環境の変化
・これまでは疑問を持たなかった企業文化の変革に踏み込むことができたか
が対応の成否を分けた
「まだ大丈夫」から「いまやらなければ」へと変わりました。
企業の目指すべき方向性
企業が競争上の優位性を確立するには、常に変化する顧客・社会の課題をとらえ、「素早く」変革「し続ける」能力を身に付けること、その中では、ITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することが重要
「素早く」変革「し続ける」能力を身に付ける。
ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、核となる価値観と概念にある「俊敏性」と「組織学習」です。
変革(DX)を受け入れるには、変化が当たり前の組織文化をつくること、それには日頃からの改善(=変更)の習慣づけが有効です。
トヨタや日本の製造業はそれを工場の現場で達成しました。米国はそれを経営全般に取り入れるフレームワークをつくりました。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは組織に継続的改善を定着させる仕組みです。
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ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー(Baldrige Excellence Builder)は日本語で読むことができます。
「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトから無償でダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。