戦略と実行計画

 戦略は実行計画に落とし込むことで、実現に近づきます。
 実行計画立案は戦略目標に具体的な名前を入れていくことです。

戦略目標(STRATEGIC OBJECTIVES)
 主要な変更や改善、競争や社会問題、事業上の優位点の確保などに取り組むために組織が明確にした目的(aims)または対応(responces)。
ボルドリッジ主要用語集より。翻訳筆者)

 戦略目標は、組織の外部にも内部にも焦点を合わせたもので、重要な顧客、市場、製品・サービス、あるいは技術的な機会や課題に関連しています。
 大まかに言えば、戦略目標は、組織が生き残りや競争力の強化に向けて、長期的な成功を確実にするために達成しなければならないものです。戦略目標は、組織の長期的な方向を設定し、経営資源の割り当てや再配分の指針となります。

実行計画(ACTION PLANS) 
 組織が戦略目標を達成するために行う特定の活動。これらの計画では、計画を達成するための確約された資源配分とスケジュールが指定されています。(ボルドリッジ主要用語集より。翻訳筆者)

 実行計画の策定では、戦略目的と到達目標を具体化します。そして、それらをわかり易く組織全体に効果的に展開できるようにします。

 実行計画の展開では、影響を受ける部門および業務単位を具体的に挙げ、改善にむけた仕掛けとして、それらすべてに一貫した評価尺度を設定します。展開にあたっては、特に人の面で、一部の従業員向けの専門的なトレーニングや人員の募集・採用も必要になることがあります。

 競争の激しい業界のサプライヤーを例にとってみてみます。
 競争の激しい業界のサプライヤーにとっては、価格リーダーシップとしての地位を築き、それを維持することが、戦略目標となります。
 この場合、実行計画策定では、
・効率的なプロセスの設計、
・活動レベル原価を追跡する会計システムの作成、
・プロセスと会計システムの組織全体にわたる調整
などが必要となります。
 実行計画を展開するために、サプライヤーは、費用と利益に基づいて優先順位を設定する際に、業務単位やチームを訓練することが必要となる場合があります。
 実施後の組織レベルの分析とレビューは、特に
・生産性の向上、
・費用管理、
・品質
などを重視します。

★★★

 以上の記述は、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(Baldrige Excellence Framework 2019-2020, BPEP )に基づいています。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府機関NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
 下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。







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