成功とイノベーションに焦点を当てる
イノベーションを生み出す組織になることは、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークが目指す組織の一つの側面ですが、ボルドリッジでは、イノベーションを生み出すのが組織にとって特別の活動でなく、日常の業務に組み込まれているものとしています。
オペレーションすなわち日常業務のカテゴリー6で、6.1(8)として、イノベーションの機会の追求について尋ねているのは、そのためです。
ボルドリッジには、その基盤に11個の「核となる価値観と概念」があり、ボルドリッジの質問集は、それらの概念を組織に埋め込むための仕掛けです。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの2021-2022年版では、「成功とイノベーションに焦点を当てる」という価値観がイノベーションに関する基盤となっています。
成功とイノベーションに焦点を当てる
現在および将来の組織の成功を確保するには、組織とその環境に影響を及ぼす短期的および長期的な要因を理解する必要があります。それにはまた、組織的なイノベーションを推進する能力が必要です。イノベーションとは、意味のある変更を加えて、組織の製品、サービス、プログラム、プロセス、業務運用、ビジネスモデル、あるいは、社会の幸福を改善することです。
(Baldrige Core Values and Conceptsより。翻訳筆者)
持続的な成功には、環境の不確実性に取り組み、一部の利害関係者の短期的なニーズと、長期的な成功に投資する組織および利害関係者のニーズとのバランスを取る必要があります。持続的な成長とパフォーマンスのリーダーシップを追求するには、しっかりとした将来への指針と、顧客、働き手、サプライヤー、パートナー、株主などの主要な利害関係者、公共、および、地域社会に対して長期にわたって関わり合う意欲が必要です。また、状況が変わればいつでも、計画、プロセス、および関係を変更する俊敏性も必要です。
成功に焦点を当てることは、イノベーションに焦点を当てることを含みます。
イノベーションは、組織を新しい次元のパフォーマンスと成功に導く必要があります。イノベーションは、あらゆる規模、業種、成熟度の組織に存在する可能性があります。場合によっては、組織の起源はイノベーションであり、組織が成熟するにつれて業務システムと業務プロセスが発展します。
イノベーションは、業務運営のあらゆる側面、および、すべての業務システムと業務プロセスにとって重要です。イノベーションは、それをサポートする環境、戦略的機会を特定するプロセス、およびインテリジェントリスクの追求から恩恵を受けます。
イノベーションと継続的漸進的改善は異なる概念ですが、補完的な概念です。成功する組織は、両方のアプローチを使用してパフォーマンスを改善します。戦略的機会を特定し、インテリジェントリスクを取ることが学習する文化の一部となるように、組織は導かれ経営される必要があります。イノベーションは日常業務に統合され、パフォーマンス改善システムによって後押しされる必要があります。
戦略的機会を特定するための体系的なプロセスは、組織全体に広がっている必要があり、補完的な組織や、これまであなたの組織のエコシステムの外であった組織との戦略的提携を検討する必要があります。
日常業務に組み込まれたイノベーションへの取り組みが、組織の将来の成功に貢献します。
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