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ゲシュタルト崩壊

 経済産業ビジネススクール’時代セミナー「二水会」第6講座(2021年2月10日開催)では、「新旧混在の組織の進化を受け止められるか!」というテーマで、時代における組織構造の変化(進化)について高梨智弘講師より話がありました。
 その中で、新しい組織を導入する考え方として、新しい組織を導入する際のポイント、注意事項について紹介がありました。
 そこに登場したのが「ゲシュタルト崩壊」です。

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 心理学から来た概念で経営学に応用しようという試みです。
 実際には、例えば次の図をクリックして画面いっぱいに広げて、30秒じっと見つめてください。

ゲシュタルト崩壊(公)

 眺めているうちに、「公」という字がなくなって「ハ」と「ム」になってしまわないでしょうか。

 全体を見ているつもりが、いつのまにか全体像が意識されずに部分だけが目に飛び込んでくる。
 高梨氏のスライドでは、〇(マル)が環境、△(三角)が組織を示すとすれば、3,4は環境が見えていない状態、5は組織が見えていない状態、6は環境も組織も見えていない状態を示しています。
 全体が見えていないために、改善が部分最適になってしまうことを懸念しています。

 私はこの「ゲシュタルト崩壊」を、ボルドリッジが大切にする「核となる価値観と概念」のひとつで最も重要な「システム的視点」の正反対の概念として理解しました。

システム的視点(Systems Perspective)
システム的視点とは、ミッションを達成するために組織のすべての部分を統一された全体として管理することです。それは計画、プロセス、手段、行動が一貫していることを保証することを意味します。また、組織の管理システムの個々の部分が完全に相互接続され、統合され、相互に有益な方法で連携することを保証することを意味します。
(出展:ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】より)

 システム的視点であることが望む姿ですが、気づかないうちに視野を狭めてしまう「ゲシュタルト崩壊」が起こり得ることはリーダーであれば理解しておきたいものです。

★★

 経済産業ビジネススクール’時代’セミナー「二水会」は、毎月第二水曜日午前にオンライン・会場・DVD視聴(開催後)で開催しています。
 次回第7講座は2021年3月10日(水)、「アジール経営と新しい組織の出現!」というテーマで開かれます。近くなりましたらまたご案内いたします。



  






 



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