イノベーションを生み出す環境づくり
クエスト会議(QUEST FOR EXCELLENCE CONFERENCE)は、マルコム・ボルドリッジ国家品質賞の公式の発表会で、毎年4月に開催されます。
今年4月のクエスト会議で基調講演に登場するのが、革新的バイオリニストで作曲家、講演者でもあるカイ・カイト氏。音楽をメタファーとして使用して、世界中の個人や組織に想像力と充実感の道を作曲するよう促す、と基調講演の紹介にあります。
カイは次のように、音楽をビジネスに例えます。
・リーダーシップは、指揮者と作曲家
・戦略は、すなわち組織のメンバ全員が従うビジョンであり、楽譜
・顧客は、すなわち影響を与えたい人や利害関係者であり、聴衆
・働き手のメンバーは、演奏者
・オペレーションは、全体のリハーサルプロセス。すなわち、顧客からは見えないけれども、最終的にステージ上で何が起こるかを決定する、表層の下にあるもののメッセージから、その関連を探ります。
カイのメッセージから、その意図を汲み取ることを試みます。
「イノベーションとは、システムをゼロから作り直すことではありません。私たちが手渡された世界を見て、私たちが私たち自身の解釈を加える力を持っていることに気付く大胆さを持っています。」
オーケストラの演奏で考えます。
オーケストラの中に作曲家はいませんが、オーケストラには作曲家が必要です。それは、オーケストラの外部にいて、彼らに挑戦し、実際に彼らの技術と能力をさまざまな方法で伸ばす新しい音楽を彼らに与える作曲家です。
作曲家はアンサンブルを必要としています。作曲家は、すべての楽器を自分で演奏することはできないため、アンサンブルの音楽とアイデアがなければ、アンサンブルを生き生きとさせることは不可能だからです。
これはビジネスプロセスにも共鳴します。
アイデアを持つことと、そのアイデアを伝えることを学ぶことは、2つの異なることです。
特に信頼と影響力を築こうとしているビジネスリーダーとして、あなたはあなたにとって最も重要なことではなく、あなたが関係を築こうとしている人々(すなわち、顧客、従業員、スタッフ)にとって重要なことについて、彼らとコミュニケートすることが必要です。自分の頭から離れて、利害関係者にとって最も重要なことについてよく考えて、それをその言葉にしてください。
同様に、組織においては、上から下まで率直でオープンな会話のための環境を構築することも非常に重要です。これは、最終的にはリーダーシップにインスピレーションを与えるためです。それは私たちが作曲家、すなわち、実際に他の人々を前進させ、アンサンブル全体(組織全体)が必要とするユニークなアイデアを持つ人々になることを可能にします。
「私たちの最大の価値は、別々の良いアイデアを持つ個人としての私たちの中にはありません。それは私たちの集合的な思考様式にあります。私たちがつながり、組み合わせ、そして一緒に構築できるのは、経験、痛み、情熱、物語、知識の多様性の中にあります。」
(カイの言葉は、ボルドリッジのブログ「Compose Your World」からの引用です。)
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マルコム・ボルドリッジ国家品質賞の審査基準であるボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーは、日本語で読むことができます。「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。
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