価値と結果の提供
ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、質問に答え、その回答を評価し、改善に結びつけます。そして組織の将来の成功を確実なものにしていきます。
その基盤にあるのが11個の「核となる価値観と概念」です。ボリドッジ・エクセレンス・フレームワークは、それらを組織経営に埋め込む仕組みとも言えます。
(図は、ボルドリッジ「核となる価値観と概念」の役割。翻訳筆者)
システム的視点、将来を見据えたリーダーシップから始まって、11個の価値観の最後に出てくるのが、価値と結果の提供です。これが組織の最終的な目的である、と言えるかもしれません。
価値と結果の提供
主要な利害関係者に価値を提供し、そのバランスを取ることによって、組織はロイヤルティを構築し、経済の成長に貢献し、社会に貢献します。
価値を提供するのは、まず顧客が挙げられますが、それだけではなく、働き手、株主、サプライヤー、パートナー、協働者です。
(つづき)
価値のバランスを取るために必要とされる、時に矛盾し時に変化する目的に合わせるためには、組織戦略には主要な利害関係者の要求を明確な形で含める必要があります。これにより、計画と実行が、利害関係者ごとの異なるニーズを満たすとともに、利害関係者にとって好ましくない影響を回避することできます。
お客様の要求のすべてに応えようとすると、お客様に対応する社員は疲弊してしまうかもしれません。株主への配分を多くするためには、賃金などどこかを減らさなければならなくなるかもしれません。こうした相矛盾する要求に、それぞれが高いレベルで満足してもらえるように、計画して取り組むことで、価値のバランスをとります。
(つづき)
先行するパフォーマンス指標と後続するパフォーマンス指標のバランスよい組み合わせは、短期および長期の優先順位を伝達し、実際のパフォーマンスを監視し、結果を改善するための明確な根拠を提供する効果的な手段です。
組織のパフォーマンス測定では、主要な結果に焦点を当てる必要があります。結果を使用して、顧客、働き手、株主、サプライヤー、パートナー、協働者、協力者などの主要な利害関係者、公衆、および地域社会に価値を提供し、そのバランスを取る必要があります。したがって、結果は、財務の結果だけでなく、製品およびプロセスの結果、顧客と働き手の満足とエンゲージメントの結果、リーダーシップ、戦略、社会へのパフォーマンスも含む指標の組み合わせである必要があります。
(以上、引用は、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークより)
計画してバランスの取れた価値が提供できたかを、結果によって確認します。
結果は、売上や利益など財務の結果ばかりでなく、製品やサービスの品質、顧客満足度やエンゲージメント、リーダーシップや戦略などのプロセスなどのパフォーマンス指標を、適切な評価指標・尺度で測定して得ます。
評価指標・尺度の選択は重要です。(このことは、その前に置かれた核となる価値観と概念「事実に基づくマネジメント」で提示しています。)
ニーズは結果によって、また、組織を取り巻く環境によって変化するので、すべてが計画通りに進むわけではありません。結果を見て、目的により近づけるように改善を図ります。それを繰り返します。
継続的改善は、ボルドリッジの基盤です。また、それを組織文化に埋め込むのが、ボルドリッジ・フレームワークの一つの目的です。
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筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。
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