組織文化に求められるもの
あなたの組織の組織文化の特有の特徴はどのようなものであるかは、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークでは、質問として用意されています。
組織文化は組織に特有のもので、こうあらねばならない、ということは特に規定されているわけではありません。
しかし、働き手のカテゴリー(カテゴリー5)の質問で見たように、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの基盤となる「核となる価値観と概念」やそれを実装した審査基準のカテゴリーの質問の中で、優れた組織に求められる組織文化の要素があることがわかります。
これまでのカテゴリーを振り返って、組織文化に求められる要素をまとめてみたいと思います。
リーダーシップのカテゴリー(カテゴリー1)
組織文化を形成するのはリーダーの役割です。
ここでは、顧客エンゲージメント、働き手のエンゲージメント、公平性、および、包括性を育む文化が求められています。
顧客のカテゴリー(カテゴリー3)
顧客に焦点を当てる文化を構築し、組織の意思決定を支援するために顧客の声と市場データや情報を活用することを求めています。
すなわち、顧客に焦点を当てる文化が求められています。
働き手のカテゴリー(カテゴリー5)
組織のビジョンと価値観の実現を支援し、公平性と包括性を推進する組織文化を育てることが求められています。
すなわち、組織のビジョンと価値観の実現を支援する文化、公平性と包括性を推進する文化が求められています。
核となる価値観と概念も見てみます。
顧客に焦点を当てる卓越性
「顧客に焦点を当てる卓越性には、顧客に焦点を当てる文化と組織の俊敏性が必要である」とあります。
すなわち、ここでは顧客に焦点を当てる文化が求められています。
人を大切にする
「成功する組織は、公平性と包括性の文化を持っている」とあります。
すなわち、ここでは公平性と包括性の文化が求められています。
俊敏性と回復力
「組織が回復力を持つためには、(中略)信頼の文化を備えた堅牢なガバナンスを持つための俊敏性を養う必要があります」とあります。
すなわち、ここでは信頼の文化(trust)が求められています。
成功とイノベーションに焦点を当てる
「戦略的機会を特定し、インテリジェントリスクを取ることが学習する文化の一部となるように、組織は導かれ経営される必要があります」とあります。
すなわち、ここでは学習する文化が求められています。
倫理と透明性
「組織の倫理原則は、組織文化と価値観の基盤です」とあります。
すなわち、組織文化の基盤として組織の倫理原則が求められています。
以上、Baldrige Excellence Framework 2021-2022 を「文化(culture)」で検索して、まとめてみました。
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ボリドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。