結果を確認して振り返る
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーのプロセスの6つのカテゴリーの質問を見てきました。
カテゴリー1は、リーダーシップ(Leadership)。経営幹部のリーダーシップ、ガバナンスの仕組み、社会貢献について確認します。社会的責任を果たすことにとどめず社会に貢献することを求めています。
カテゴリー2は、戦略(Strategy)。戦略をどのように策定し、実行計画に展開しているかを確認します。ボルドリッジでは、戦略策定においてイノベーションへの取り組みを検討することを求めています。
カテゴリー3は、顧客(Customers)。顧客の声に耳を傾け、顧客のニーズを満たす製品・サービスをどのように生み出しているか、顧客との関係をどのように構築し、顧客満足、顧客エンゲージメントにつなげているかを確認します。顧客満足は目的ではなく、顧客ロイヤルティや顧客エンゲージメントを高めるための条件です。
カテゴリー4は、測定、分析、ナレッジマネジメント(Measurement, Analysis, and Knowledge Management)。組織のパフォーマンスの測定、分析、レビューの仕組み、情報と知識資産の管理について確認します。測定、分析した結果からどのように改善に結びつけているかを回答します。このためこのカテゴリーは他のカテゴリーのベースとして位置づけられています。
カテゴリー5は、働き手(Workforce)。働く環境をどのように構築しているか、働き手エンゲージメントをどのように高めているかを確認します。働き手の熟練度(capability)と充足度(capacity)という2つの側面で組織のニーズを把握します。
カテゴリー6は、オペレーション(Operations)。主要な製品・サービスと業務プロセスをどのように設計し、管理し、改善しているかを確認します。情報セキュリティへの取り組み、事業継続計画もここで扱います。
プロセスの6つのカテゴリーで扱っているアプローチ(方法)が、経営における主要なアプローチになります。
カテゴリー7は、結果(Results)です。結果は、組織が達成したアウトプットとアウトカムです。
製品とプロセスの結果、顧客の結果、働き手の結果、リーダーシップとガバナンスの結果、財務・市場・戦略の結果の5つに分けて、結果を確認します。
カテゴリーは相互に関連しているので、厳密に分けることは意味がないのですが、大まかにプロセスと結果を対応づけると次のようになります。
<結果> <プロセス>
製品とプロセスの結果 カテゴリー6「オペレーション」
顧客の結果 カテゴリー3「顧客」
働き手の結果 カテゴリー5「働き手」
リーダーシップとガバナンスの結果 カテゴリー1「リーダーシップ」
財務・市場・戦略の結果 組織の総合的な結果
「結果」では、対応するプロセスのカテゴリーで示したアプローチ(方法)を実行した結果について、レベル、傾向、比較、統合の4つの情報を、表やグラフ、図や言葉で示します。
結果を確認して、振り返ってプロセスの改善につなげます。
以上で、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの審査基準を構成する7つのカテゴリーの全体像を紹介しました。
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筆者らGQFが翻訳した「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。
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