全体が広がっていく
ボルドリッジの「核となる価値観と概念」の1番目、「システム的視点」は、組織のすべての部分を統一された全体として見ること、そして、ミッション・ビジョンの達成に向けて、すべての活動を行っていくことです。
システム的視点とは、組織のすべての部分を統一された全体として管理して、ミッションを達成し、ビジョンに向かって努力することです。
(出展:ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】)
「システム的視点」は、当初より「核となる価値観と概念」にある価値観のひとつですが、その意味するところは、時代とともに進化しています。
最新の2019-2020年版ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(2019-2020 Baldrige Excellence Framework, BNQP)では、ビジネスエコシステムの概念が取り入れられました。
ビジネスエコシステムは、複数の業界に亙る国内の、時には海外も含めた相互に関連する組織からなるシステムで、相互依存型の協働のネットワークを構成しています。そこには、従来のパートナーや協働者だけでなく、競合他社、業界外の組織、地域社会、顧客なども含まれます。
組織はビジネスエコシステム内に存在します。この大規模なシステム内では、機会が生じてニーズが変化するにつれて、組織間の役割が流動的になる可能性があります。パートナー、協働者、競合他社、顧客、地域社会、その他の関連組織に対して自組織が提供するものは何か、そしてそれら組織から自組織が必要とするものは何か、それらが変化していくということです。
この大規模なシステム内では、「システム的視点」は、組織同士が相互に接続されたエコシステムの相互関係の中で自組織をうまく動かすことを意味します。
ビジネスエコシステムでは、自組織をより大きな全体の一部として理解することが必要となっています。
「全体」が「自組織全体」から「ビジネスエコシステム全体」へと広がってきたと言えます。
自組織がビジネスエコシステムの中で主体性を発揮できるようになるために、「システム的視点」の価値観が、ますます重要になってきました。
※「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。