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結果の審査項目に回答する

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。ボルドリッジはまた、米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)の「審査基準」であり、それをもとに自己診断(セルフアセスメント)・審査を行い、組織の改善点を見つけ、改善します。

 実際には、ボルドリッジ審査基準の質問に回答して、それを評価します。 審査項目に回答していくときの進め方について、その最初のステップ、および、プロセス項目への回答を紹介しました。

結果項目に回答します。

審査基準は、結果に重点を置いています。以下の情報、ガイドライン、例は、効果的で完璧な結果の報告に関連しています。

1. 最も重要な組織のパフォーマンス結果に注目します。
組織プロフィール、及び、リーダーシップ、戦略、顧客、働く人々、オペレーションのカテゴリーにおいて強調されている、組織の成功にとって最も重要な要求事項をカバーしている結果を報告してください。

2. レベル、傾向、および比較を報告し、統合を示してください。
 パフォーマンスレベルを報告します。これは、有意義な測定尺度で示します。
 傾向を報告します。重要な領域における結果の方向や増減率を示します。一般に傾向を確かめるために最小限3つの過去のデータ指示点が必要です。傾向は過去と最新のパフォーマンスを表現しなければなりません。(将来の)パフォーマンス見通しに依存しないでください。
 傾向データのための最少期間は、指定していません。データ指示点の時間間隔は、報告される具体的な尺度にとって意味がなければなりません。しかし、傾向は、結果によって5年以上にわたるかもしれません。重要な結果ならば、たとえ傾向も比較もまだよく確認されていなくても、新しいデータを含まれなければなりません。

 比較を報告します。他の適切に選ばれた組織やベンチマークの結果とどのように比べているかを示します。

 統合を示します。組織にとって重要なすべての結果を含み、(例えば、通常、組織プロフィールで概観された重要な顧客、働く人々、プロセス、製品ライン群によって)それらを適切に区分することによって示します。

効率的に回答します

1.適切ならば相互参照してください。
 各審査項目への回答は、出来るだけ自己完結型にし、異なる項目に対する回答同士は、相互に補強されるようにします。このためには、情報を繰り返すよりはむしろ、他の回答を参照するようにします。そのような場合、主要なプロセス情報は、その情報が求められている審査項目で与えます。たとえば、働く人々の育成と学習システムは、項目5.2で記述します。申請書のほかの個所で働く人々の育成と学習について説明する場合は、項目5.2の記述を繰り返すのでなく、それを参照するようにします。

2.簡潔な書式を使ってください。
 スペースを最大限に活用するために、フローチャートや、表、リストを使って、簡潔に情報を提示してください。申請書のページ制限は、組織が自組織を経営する場合、何が重要であるかを考え、その結果を報告する様に設計されています。

※ページは、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク(2021-2022版冊子)のページです。この記事は、同書35-36ページ「審査基準への回答の方法(How to Respond to the Criteria)」を参考にしています。

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 筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。


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