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目的は社会への貢献です

 組織・企業の目的は、社会に価値を提供することです。その手段が製品やサービスです。
 それ自体が、社会貢献ですが、企業の社会的責任(CSR)という概念が受け入れられるようになり、組織は、法律や規制の要求事項への対応も含め、製品・サービスや事業運営が与える社会の不利益に対して、積極的に取り組むことが求められるようになりました。
 また、現在に限らず、将来の製品・サービスおよび事業運営に関して、社会の懸念事項を予測し、備えることも求められています。

 社会への悪影響や懸念に積極的に備えるには、例えば、天然資源の保護、廃棄や処分まで含めたサプライチェーンの管理プロセス、などが含まれます。
 天然資源の保護は、
・「グリーン(環境にやさしい)」テクノロジーの使用、
・二酸化炭素排出量の削減、
・有害な化学物質から水を基調とした化学物質への置き換え、
・省エネ、
・クリーンエネルギーの使用、
・副産物や廃棄物のリサイクル
などを通じて達成できます。
 また、サプライチェーンの下流だけではなく、その全体において人権問題も考慮することが求めらるようになりました。

 組織は、社会的関心事に対して、それらが法律や規制といった形で現在規定されているかどうかに拘わらず、常に敏感でなければなりません。模範的組織は、法的および倫理的行動の分野でも他より秀でています。
 高いパフォーマンスの組織にとっては、社会に貢献することは、やらなければならないこと(CSR)以上のものであると考えています。

 社会への貢献において組織が最低限の責任を超えて取り組むことは、顧客エンゲージメント、働き手エンゲージメント、市場の差別化要因の原動力となり得ます。

 すなわち、社会貢献は、コンプライアンス志向を超えることを意味します。
 
 環境面、社会的システム、経済システムに分けて、その健全性にどのように貢献しているかと考えることもできます。
 環境面、社会システム及び経済システムの健全性に貢献する機会や、主要な地域社会を支援する機会を有することは、全ての規模の組織にとって可能です。
 これらの貢献のレベルや幅は、組織の規模と貢献能力に依存します。

 模範的組織には、リーダーシップには、他の民間および公共の組織に影響を与えて、同じ目的のパートナーになってもらうことも含みます。
 社会貢献をうまく成し遂げるには、組織が適切な評価尺度・指標を使用し、リーダーがそれらの結果に対する責任をもつことが求められます。

 こうした背景から、ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)はその核となる価値観と概念「社会貢献」を置いています。

社会貢献(Societal Contributions)
 組織のリーダーは、公共への貢献、および、社会の幸福と利益(well-being and benefit)を念頭に置くことを、強調することが必要です。リーダーは、地域社会の幸福のための模範でなければいけません。
ボルドリッジ「核となる価値観と概念」より。翻訳筆者)

★★

 ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。
 ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。



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