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イノベーションを生み出す組織に必要な8つのこと

先日来「日本企業のイノベーションはなぜ進まず、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまうのか?」というタイトルで数回開かれたセミナーで、後半のセッションで、「イノベーションを生み出す組織に必要な8つのこと」というテーマで講師を担当しました。

実はこれは、NPO法人内部統制評価機構(ICAO)が主催したもので、内部統制評価基準改訂版の発刊を記念したものでした。テーマはイノベーションを生み出す組織づくりですが、そのための一つのアプローチとして、新しい内部統制評価基準の活用を提案しています。

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダーの中にも度々強調されているとおり、規範的でない、すなわち、特定の手法やツールに拘らないという点が特徴です。
このため、例えば、こうした内部統制からのアプローチも、パフォーマンスエクセレンスに向かうための一つの手段になり得ます。

内部統制は、組織の活動をその目的に向かって効果的に進めるための仕組みですから、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの中で例として挙がっていたISOやシックスシグマと同様に、組織の基盤づくりを担うものになります。
「初期的」あるいは「成熟した」レベルまではこれで到達できます。

また、この新しい評価基準「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」も組織を8つの側面に分けて、それぞれをさらに10項目に分けて自己評価し、改善点を見つけて改善し、それを繰り返すことであるべき姿に近づける、継続的改善の仕組みづくりがそのベースとなっています。

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「イノベーションを生み出す組織に必要な8つのこと」というのは、この8つの側面が目指す姿、その実現です。

例えば、7番目の側面はイノベーション、「環境変化に合わせたイノベーションの実現」で、イノベーションに取り組む組織づくりが目指す姿です。

これをさらに10の要素に分けて、掘り下げていきます。

7.環境変化に合わせたイノベーションの実現
7.(1)環境変化の適切な認識・共有・対応
7.(2)イノベーションの定義
7.(3)顧客・社会価値向上のためにイノベーションを起こすことの理解
7.(4)組織内の知を全て結集する仕組み
7.(5)イノベーティブ人財の教育・育成
7.(6)外部の知を結集するためのオープンイノベーション
7.(7)ベストプラクティスとしてのイノベーション
7.(8)最先端技術・ICTの活用・融合
7.(9)イノベーションに関わる諸活動の評価・改善
7.(10)イノベーティブ人財のモチベーションの向上

タイトルだけではわかりにくいですが、これらはそれぞれが計10個の要求事項、質問の形でに対応しています。

例えば7.(1)は次の質問(要求事項)になります。

7.(1) 会社は経営環境の変化を適切に認識・共有・対応する仕組みを構築していますか。
(「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」63ページより引用)

この質問に対する組織の状態を確認するわけですが、この質問だけではイメージできないような場合に、これをさらに10のポイントに分けてチェックする仕組みとなっています。

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800のポイントはすなわち

8つの側面*10個の要求事項*10のポイント=800のポイント

というわけです。

ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要求事項を具体的に理解する際のヒントとして、この800のポイントも参考に見ていきたいと考えています。

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内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトに情報があります。


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