システマティック
システムとは何かを確認しています。
ボルドリッジには、システマティック(体系的)という言葉が出てくるので、その意味するところを見てみます。
体系的(SYSTEMATIC)
順序正しく、繰り返し可能で、使用しているデータと情報が示されていて学習が可能である。
(ボルドリッジ主要用語集より。翻訳筆者)
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークのプロセスの質問では、質問にあるプロセスを「どのように(HOW)」実行しているか、その方法を尋ねます。
「体系的」という用語は、主にこの方法(アプローチ)について使われます。
方法に、それを評価し、改善し、共有する仕組みが組み込まれており、そうした組織としての学習を通して、結果として成熟度を高めることが可能である場合に、その方法は体系的であるといいます。
これに対するものとして「逸話的」という用語がボルドリッジの主要用語集にあります。
逸話的(ANECDOTAL)
特定の手法、評価尺度、展開の仕組みや、評価、改善、学習に関する要素が欠落している情報。
(Baldrige Excellence Framework 2019-2020, BPEPより引用。翻訳筆者)
すなわち、逸話的な情報とは、一回限りの事例が並べられたもの、体系的なプロセスでなく個々の活動を説明しているもの、などのことを言います。
ある時こんないいことがあった(行った)というのは、それが組織全体で行われていて、やり方も決まっているような場合は「体系的」ですが、ただ一度だけあった場合は「逸話的」です。
もちろん、逸話的な情報の中には、お客様に感動を与えた、業績に貢献したなど、素晴らしい成果に結びついたものもあるかもしれません。
しかし、ボルドリッジでは「体系的」なプロセス、方法を求めています。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの質問への回答を評価する場合に、示された方法が体系的であるか、逸話的であるかを判断することが必要です。
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筆者らが翻訳した、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国政府機関NISTのウェブサイトからダウンロードできます。
下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。