プロセスはADLI 結果はLeTCI
ボルドリッジ(ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワーク)は、米国発の「証明された」経営フレームワークです。ボルドリッジはまた、米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)の「審査基準」であり、それをもとに自己診断・審査を行い、組織の改善点を見つけ、改善します。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークを、自己評価やMB賞審査基準として使う場合には、その点数で組織の「成熟度」を評価します。
審査基準はプロセスと結果に分かれています。プロセスの評価の軸ADLIについては補足の中で紹介しました。
結果の評価軸LeTCIについても見ておきます。
「結果」は、組織として達成した出力(アウトプット、output)および成果(アウトカム、outcome)です。
組織の「結果」に関する質問はカテゴリーとしては1つですが、その中は5つに分かれています。
カテゴリー7. 結果
7.1 製品とプロセスの結果
7.2 顧客の結果
7.3 働き手の結果
7.4 リーダーシップとガバナンスの結果
7.5 財務、市場、および戦略の結果
質問に対する回答は、組織の成功に最も重要な結果について、次の4つの側面(LeTCIと覚えます)で評価します。
Le)レベル
現在のパフォーマンス。
すなわち、プロセスなどの組織活動から得られた出力および成果の水準です。これは主に数値情報です。それが良いかどうかは、次の「傾向」や「比較」がなければわかりません。まず、そうした情報が提示できていることを確認します。
T)傾向
結果は改善されていますか、同じままですか、それとも悪化していますか?
時間の経過に伴う結果の変化の方向および変化率です。
C)比較
他の組織や競合他社のパフォーマンスと比較したり、ベンチマークと比較したりしますか?
結果を、競合他社や類似組織など適切な比較対象と比較したり、業界で定められた基準や業界トップの水準と比較したりします。ベンチマークとは、組織の属する業界内に限らず、同種の活動を行う際に最良の実施方法と成果が得られるプロセスとその結果のことです。
I)統合
組織にとって重要な結果を追跡していますか?結果を意思決定に使用していますか?
示された結果が、組織が顧客や市場、製品やサービス、実行計画などに求められている要件に対応している程度です。
すなわち、結果に関する回答には、パフォーマンスのレベル、傾向、主要な評価尺度や指標との適切な比較、主要な組織的要求事項との整合性を示すデータが求められます。
このため、結果の回答は、グラフや図表などを用いて示されることが多くあります。
※ここでは、ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの要約版、「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」にある情報をベースにLeTCIを紹介しました。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークの「評点の仕組み」では、より詳細な説明が見られます。
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「ボルドリッジ・エクセレンス・ビルダー【日本語版】」は、米国NISTのウェブサイトからダウンロードできます。ページ下方の Non-English Versions / Japanese を参照ください。英語版とページ、形式を合わせてあり、対訳版としてもご欄いただけます。