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内部統制の目的

 「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりは、内部統制の4つの目的:
①業務の有効性と効率性
②財務報告の信頼性
③関連法規の遵守
④資産の保全
のうち、特に、①と③に焦点を当てたものです。

 これらの内部統制の目的は、金融庁・企業会計審議会のページで公開されている「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」に記載されています。(言葉の定義は大切なので、引用しておきます。)

1.内部統制の定義
内部統制とは、基本的に、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。
(「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」、令和元年12月6日時点、2ページ)

 4つの目的は次の通りです。

業務の有効性及び効率性 事業活動の目的の達成のため、業務の有効性及び効率性を高めること
財務報告の信頼性 財務諸表及び財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある情報の信頼性を確保すること
③事業活動に関わる法令等の遵守 事業活動に関わる法令その他の規範の遵守を促進すること
④資産の保全 資産の取得、使用及び処分が正当な手続及び承認の下に行われるよう、資産の保全を図ること

 「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」では、これら内部統制の目的を達成するため、経営者は、内部統制の基本的要素が組み込まれたプロセスを整備し、そのプロセスを適切に運用していく必要があるとしています。
 内部統制は、社内規程等に示されることにより具体化されて、組織内の全ての者がそれぞれの立場で理解し遂行することになります。

 経営者には、内部統制を整備及び運用する役割と責任があり、組織内のメンバは、自らの業務との関連において、有効な内部統制の整備及び運用に一定の役割を担います。

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 先に述べた通り、「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりは、内部統制の4つの目的のうち、特に、①業務の有効性と効率性、および、③関連法規の遵守に焦点を当てたものです。
 すなわち、関連法規の遵守を確実にし、業務の有効性と効率性を追求します。

 「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」では、具体的に内部統制をどのように整備し、運用するかについては、個々の組織が置かれた環境や事業の特性等によって異なるものであり、一律に示すことはできない
が、経営者をはじめとする組織内の全ての者が、ここに示した内部統制の機能と役割を効果的に達成し得るよう工夫していくべきものである、としています。

  「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりでは、内部統制に関わる組織経営のプロセスを8つの側面(カテゴリ)に分けて、具体的に仕組みに落とし込んでいく方法をとっています。

内部統制評価基準の8つのカテゴリー
1.顧客・社会との関係維持
2.経営資源の確保・維持
3.個人・組織の学習の仕組み
4.経営管理の実践、改善
5.知の経営の実現
6.情報セキュリティ
7.環境変化に合わせたイノベーションの実現
8.法務・コンプライアンス

 関連法規の遵守を確実にし、業務の有効性と効率性を追求することは、ボルドリッジのいう倫理と透明性(核となる価値観と概念の一つ)を基礎に置き、効果的な業務プロセスを構築すること(継続的改善)と同義です。
 また、8つのカテゴリーのひとつにイノベーションが含まれたことで、ボルドリッジの目指す姿にも近づきました。

 こうしたことから、ボリドリッジに取り組み一つのアプローチとして、「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」を活用した内部統制の仕組みづくりを活用していきます。

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 内部統制評価基準改訂版「内部統制評価基準 勝ち抜く会社の800のポイント」については、NPO法人内部統制評価機構のウェブサイトに情報があります。

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