ボルドリッジの世界展開
米国マルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞)は、1980年代に米国産業の競争力復活を目指して、当時国際競争力を伸ばしていた日本やドイツなどの企業研究などをもとにレーガン政権の時代、1987年に創設された表彰制度です。
マルコム・ボルドリッジは、当時の米国商務長官の名前で、本賞創設に向けた貢献によりその名が冠せられました。
ボルドリッジ・エクセレンス・フレームワークは、その基盤にある考え方である「核となる価値観と概念」、MB賞の審査基準、および、評点ガイドからなっています。
「品質賞」とありますが、モノ(やサービス)の品質ということではなく、リーダーシップ、戦略、顧客、測定・分析・ナレッジマネジメント、働き手、オペレーションという側面から「経営全体のよさ」を評価する仕組みとなっています。
日本ではこのボルドリッジが示す「経営全体のよさ」は「経営品質」と呼ばれています。
米国MB賞およびそのフレームワークをもとにして、その後、世界80か国以上で、同様の制度がつくられ、展開されており、日本でも1995年に、日本生産性本部が運営母体となって「日本経営品質賞」が創設されました。
このノートでは、「経営品質」や「日本経営品質賞」については、あまり触れてきませんでしたが、最近セミナーでイノベーションについて話す機会があり(ICAO主催「内部統制評価基準改訂版発刊記念セミナー」)、その中でボルドリッジとともに経営品質についても紹介いたしました。
以前このノートでも紹介した、高梨智弘氏の「40年の動きのポイント」の図に、ボルドリッジと経営品質(そして内部統制)の位置づけを追加しています。
ボルドリッジのグローバル展開については、経営品質協議会のウェブサイトにある「グローバルでの経営品質向上活動」を紹介しました。
ボルドリッジは11の「核となる価値観と概念」が基盤になっていますが、それに近いものに「経営品質の基本理念」があり、それは
「顧客本位」
「独自能力」
「社員重視」
「社会との調和」
の4つです。
そのほか、8つのカテゴリーに分かれている(ボルドリッジでは7つ)など、ボルドリッジを手本に創設されましたが、その後独自に発展してきており、全く同じではありません。
比較にはあまり意味がありませんので、これ以上深掘りはしませんでしたが、興味のある方がおられたら、経営品質協議会のページ、日本経営品質賞のページを参照されるとよいでしょう。
また、高梨智弘氏がメイン講師を務める経済産業ビジネススクール’時代セミナー’「二水会」の次回、第10講座は、「経営品質の概念と知の経営の本質!」というテーマで開かれます。
高梨氏は、日本経営品質賞創設時の支援メンバーの一人ですので、ボルドリッジ、経営品質について、興味深い話が聞けるものと思います。
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Facebokを見ることができない方もいらっしゃいますので、経済産業ビジネススクール「二水会」については、パンフレット等も記載しておきます。
経済産業ビジネススクール’時代セミナー’「二水会」
パンフレット、申込書
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