「HiGH&LOW THE WORST X」公開初日スペース語りまとめ
9/9、「HiGH&LOW THE WORST X」が無事公開された初日の夜、あおさん(@vielendankonomi)とスペースでお話して色々な知見を得ることができたので、まとめました。
(もう10日経っている……本当にすみません……)
あおさんも私も、8/24・25両日に行われた完成披露試写会ですでに3回見ているんですけど(ハイローあるある)、やっぱり公開初日というのは多種多様な意見、ツッコミ、発見が飛び交い、TLがザワクロ一色に染まっていく特別な日でありまして。
夜になるとあちこちでスペースが開かれ、オタクたちが語り始める中、あおさんにお誘いいただき、2年半ぶりに(!)お話することができました。
結構いろんなことを喋ったんですけど、ポイントを絞って何点か書こうと思います。
★氷室零二と鮫岡章治、キャスティングの妙
この二人を演じるのは、RAMPAGEのビジュアル担当とも言える、藤原樹くんと長谷川慎くん。
まずは氷室零二!こんなに素晴らしいキャラクターだとは思わなかった!
私はランペの入口が藤原樹くんで、「Fandango」の頃から顔すごい!ダンスの色気!と、好きになっていたんですが、その年(2018年)のガチTV(*1)「1st Albumヒット祈願!! in箱根」の2回目、「THE RAMPAGE 1年後の未来へ!60秒の誓い」において。
樹くんは色紙に「興味を持つ」と書いていました。
いわく、「猫とダンスとアクセしか興味がないので、もっといろんなことに興味を持ったら、自分の幅が広がるんじゃないか」「興味を持つことで自分も変わると思うし、個人として成長できるかなと思うので」。
私はこれを見た時に、あ~~なんか、外見に対して中身がまだ、伴っていないのかな~なんて勝手な印象を持ってしまいました(超失礼)。
あれから樹くんはジャンル問わずたくさんの映画を見るようになって、俳優やバラエティのお仕事をするようになり、愛猫のマースネタにもどんどん磨きがかかり……今や舞台挨拶で「男気あるキャラクター?やっぱ氷室じゃないっすか。勝ちゃいいんですよ!」と、一番笑いを取れる男になりました!すごい!!
そんな樹くんが演じるのが「メリケンサックの人」こと「氷室零二」。ハイロー世界で積極的に武器を持ち出す、超卑怯なキャラクター。
樹くんの俳優仕事としては、ドラマ「明日、私は誰かのカノジョ」のクズホスト・ハルヒ役。舞台「ETERNAL」「ETERNAL2」で冷酷な公位後継者・リーフェン役が記憶に新しく。
あと私は未見ですが、オンラインリアル脱出ゲーム「終わらない公開捜査からの脱出 記憶喪失スペシャル」の松永教授も、穏やかな脳科学者と見せかけて実は……という、おもしろい役だったそうです。
それらに共通するのは「イケメンだけど、どこか抜けている。隙がある」。あおさんの言葉にハッとさせられました。
はるぴも、リーフェン様も、圧倒的な美しさを持ちながらも詰めが甘かったり、不器用な面を持ち、ツッコミどころが多々あり。
そんな美形の「人間らしさ」を演じさせたら、もしかして藤原樹、最強か……?
円居挽先生(@vanmadoy)が、こんなツイートをしていました。
まさに「これ」!これです、これ!
それから江罵羅商の鮫岡章治について。
演じるのは長谷川慎くん。配信ドラマ「主人公」では同性愛者の役。舞台「ETERNAL」「ETERNAL2」では普段のクールなイメージとは違う、勝ち気な人物像。
どちらにも言えるのは「存在感」の大きさ。持って生まれたビジュアルの良さだけに頼らず、試行錯誤し、考え抜かれた人物像が慎くんの中に、確固として生まれ、育まれ。
メインのキャラクターではないのに、強く心に残る。「そこ」にいるだけで、説得力が生まれ、ストーリーに奥行きが生まれるというか。
だから、決して出番が多いとは言えない鮫岡役でも、強烈な印象を与えられるのだと思いました。
鎌坂、瀬ノ門、そして須嵜を観察する冷ややかな「目」。
「このケンカ勝ったら三校連合から抜けろ」と言い放つ轟に、「わかった。俺がしっかり見届けてやる」と前を見据える「目」
「今の俺には守る仲間がいる」と語る轟を見る鮫岡の「目」。
ここで瞳に滲む「感情」が、鮫岡にも守る仲間がいることを鮮烈に伝えてくるわけで。
リアルFF顔面で感情を垣間見せたら、それはもう「本物」になってしまうんよ……。
もし藤原樹が鮫岡章治を演じていたら。きっと「完璧」な美しさが嫌味にすらなっていたのでは。
そして、長谷川慎が氷室零二だったら。あそこまでの「可笑しみ」は出せていなかったはず。
本当にキャスティングの妙を感じさせられて唸った。唸りまくった!さすがはハイローだぜ!
…………って思ってたのに!
そんなことってある!?!?!いや~奇跡ですよ……違う、奇跡なんかじゃない。あの4年前の、箱根での「誓い」から、樹くんが努力し続けて引き寄せた「必然」とも言える結果だよね……!
★"暴"の文化祭
劇場公開されてよかったことの一つに、一言でそのものズバリを表すことができる「概念」の浸透があります。
須嵜と天下井の「幼馴染男男主従関係」が有名ですが、瀬ノ門工業におけるバトルが「"暴"の文化祭」と定義されたことに、なるほど!と膝を打ちました。
完成披露試写会で見た時は、「なんかすごいギミック」としか表現できなかった「あれ」は、「リアルタイム地形変化バトルフィールド」とのこと!
鎌坂高校、マンモス不良校らしく数にモノを言わせてダーティーな戦いを仕掛けてくるけど、2階からビール瓶投げて的確に誘導したり、相手を狭い陣地に引き入れて反撃したり、かなりクレバーな戦略なんですよね。
そんな「"暴"の文化祭」における「リアルタイム地形変化バトルフィールド」を実現できたのは、ひとえに鎌坂高校一人ひとりの頑張りによるものが大きいと思っていて。
「カマ高、まさに"文化祭"だったよね〜」「きっとみんなノリノリで準備してたよね!」「ビール瓶とか必要な物リストアップして調達して」「夜遅くまで校舎に残って準備してたんだろうな〜」「あれはカマ高渾身の"作品"で彼らの"集大成"だよ」「青春だね〜!」と、あおさんと語ったのが楽しくて、そこが「氷室零二」および「ガンジー」のキャラクター含め、「鎌坂高校」の憎めないところだな〜と。
そんなことを話していたら、青崎有吾先生(@AosakiYugo)が、まさにそのことをツイートしていました。
★登場キャラクターの出番の偏りについて
辻芝や中越など顕著なんですけど、すぐスケジュール的な問題?と思ってしまうのは、オタクのよくないところでして。
しかしあおさん曰く、辻芝はラジオで「もっとアクションしたかった」「実際カットされたシーンは多かった」と語っていたらしく。
以下の記事でも「僕たちの今回の役割は、焼きそばを食べて、陣さんたちにやられて、また焼きそばを食って終了、みたいな感じでした(笑)。」と、切ない……。
でも119分で収めるには全部が全部のシーンを入れることはできないから悩ましいですね……。
全てのファンを納得させ、満足させることもできないのも事実。悲しいことですけど……。
出番が少ない中での見せ場といえば、佐藤流司くん、板垣瑞生くんはさすがだな〜と思いました。
泰志が、ビンゾーがスクリーンに映るだけでその場を「支配」している圧倒的役者力……!
ハイローは「全員主役」ではあるけれども、「全員主人公」ではない。
登場人物がかなり増えた分、短い時間でキャラクター造形を描く必要性がありますけど、今作はその手腕がとても鮮やかだと感じました。
「省略」の上手さ。1から10まで描かなくても「わかる」。観客を「信頼」しているからこそできる演出だと思います。
辻芝に関しても、最後のトランプのシーンにおいて「あ、合コンとかやっぱ興味あるんだ!」と、年相応の部分を見せてくれて嬉しくなりました。
「こうなったら辻芝スピンオフを作ってもらうしかない!」「轟は5話ぐらいに出てきて……」というあおさんの意見、まさに完全同意です!
3分ぐらいのミニドラマ全6話でどうですかHI-AXさん!!
★久保茂昭監督と二宮“NINO”大輔監督
今までメガホンを取っていた久保茂昭監督に代わって、今作では二宮“NINO”大輔氏が監督を務めています。
ネットでは「やっぱり久保監督じゃないと……」みたいな意見もあったようですけど。
確かに、私自身も「THE JSB WORLD」で初めて三代目のMVを通して見たとき、「久保監督作品のほうが好みかも……?」と思った記憶がありました。
というわけで、せっかくなので調べてみました!
久保監督の作品は三代目でいうと、
「R.Y.U.S.E.I.」「O.R.I.O.N.」「Eeny, meeny, miny, moe!」「STORM RIDERS feat.SLASH」「Summer Madness」「Welcome to TOKYO」などなど……。
つ、強い……強すぎる……!!
その上ランペの「LA FIESTA」、みんな大好きランペVSファンタ「MIX IT UP」に加え、"グラデ便箋MV"こと「FEARS」まであって……。
一方、ニノ監督はというと、
三代目の「Feel So Alive」「HAPPY」「J.S.B. LOVE」「SCARLET」
HIROOMI TOSAKAさん(現ØMIさん)の「FULL MOON」「BLUE SAPPHIRE」と、こちらも印象的なものばかり!
それから「100degrees」「THROW YA FIST」「WELCOME 2 PARADISE」「Move the World」「FULLMETAL TRIGGER」……と、ランペと相性いいのかな?という感じはあります。
いかがでしたか?
結論:お二方とも素晴らしいし、私には"違い"がわからん!
こういう意見もあるみたいです。なるほど!
★ラスト、楓士雄のモノローグ
ラスト、楓士雄くんが語り始めたのには少し驚きました。
唐突感で言えばザム3の村山さんを思い出したんですけど、いま確認したらコブラちゃんが言ってることもニュアンスとしてはあるのかな?
前作にはなくて、今作にあるもの。このメッセージ性の強い言葉をどう解釈すべきか、自分では掴みかねていたんですが。
あおさん曰く、「"シンシア度"が高い」――それだ!!
「SINCERE」とは「誠実」を意味する単語であり、花岡楓士雄役の川村壱馬さんのフォトエッセイのタイトルでもあります。
壱馬さんが何よりも大事にしていること。それは「いつどんな時も裏表のない人間でいること」「すべてに対して誠実であること」。
いろんなインタビューで、アンケートで。壱馬さんは言葉を尽くして答えてくれます。
コメントを求められて短くバシッと決めるタイプではなく、時に冗長とも思えるぐらい、時間をかけて、言葉を重ねて自分の考えを伝えようとする。
あるいは、紙面の限られたスペースに収めるために文字のフォントが小さくなるほどに、自分の思考そのものをさらけ出す。
そんな壱馬さんの生き様そのものが、「俺たちはありのままでいたい」「これからも決して偽らず、自分らしく生きていこうと思うんだ」という楓士雄くんの言葉と見事に合致して、最高の余韻を作り上げている気がします。
「全員」に花岡楓士雄の良さが理解されるとは思ってはいません。そして「HiGH&LOW THE WORST X」という作品が、すべての人に刺さるわけではないのでしょう。
だからこそ「あなたはどうする?」と問いかけているのかな、と思ったりしました。
★早くも次回作の心配をするオタク
演者も、楽曲も。
これほどまでにランページが全力集中して出し切った映画、ちゃんとヒットしてもらわないと困る!
そのためにはまずSNSの運用がカギで、バズらせるために仕掛けて、影響力のある人のツイートが拡散されて……(完全他力本願)。
もちろん、ファンはできる限り劇場に足を運ぶのは当然なんですけど、こう……今までのハイローのシリーズもそうなんですが、TLの温度感と実際の興行収入を比較すると、もうちょっと結果として「数字」に残って欲しいな~というのは思っていて。
そんなことを公開初日にしんみり語ってしまって、まだ初日だぜ!?って笑ったり、いやでも次回作が制作されるか、ここにかかってるから笑い事ではないんだが……のループに陥ってたのが本当オタクの会話でした。
次回作、あるとしたら2年がメインになるのかな~?
絶対ファンタとかバリ、サイフィからも参戦あるよね??
そしたら楓士雄くん卒業?ヤダヤダ~!!
もしかして、コブラちゃんみたいに手首縛られて、鉄パイプでフルスイング食らって、生コン飲まされたりするの~!!?それは見たい気持ちもある~!?!
とか、勝手な想像してますが。
きっと「その」時の楓士雄くんはメインではなく、「象徴」としての出番にとどめられるのでしょう。
そのことに一抹の寂しさを抱えながらも、私は、私たちは「HiGH&LOW」、そして「HiGH&LOW THE WORST」というシリーズをこれからも愛していくんだろうと思います。
お願いします「HiGH&LOW THE WORST X」大ヒットして!!!!みんな見て!!!!!!!
*1ガチTV
LDH所属グループ・アーティストのライブキャスト動画やMVを視聴できる「CL」というサービスにおける、ランページのチャンネル。
今回見直したらCLではなく「LDH TV」(当時)と言っていて懐かしかった。
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