「こういう仕事がしたかった」自身で2社経営するUI/UXデザイナーは、何を求めてAnywhereへ。
Goodpatch Anywhere(以下、Anywhere)でUI/UXデザイナーとして働く高垣 弘樹。UI/UXデザイナーとして新聞・雑誌広告から、芸能関係のパッケージデザインまで幅広く担当し、クリエイティブディレクターとして活動している経歴の持ち主です。「人の行動を変えるようなデザインを」という信念を持つ彼は、自身の会社を2社経営しつつ、Anywhereを初期から支えてきたメンバーの1人。そんな彼はAnywhereに何を求めて、活動してきたのでしょうか。
広告・エンタメ系クリエイティブで経験を積み、フリーランスの道へ
現在はデザイン会社と、地元のヘルスケア事業を行う会社の2つを経営しつつ、AnywhereのUI/UXデザイナーとして活動しています。元々は家庭科系の大学に通っていて、ファッションデザイナーか博物館での仕事に就きたかったんです。しかしながらデザイン会社でのアルバイトが楽しかったのがきっかけで、新卒でデザイン会社を選びました。そこでマス広告のクリエイティブ制作やプランニングを経験し、ディズニーなどの映画・エンタメ業界のブランディングからアプリ開発まで幅広く関わりました。正社員だけでなく、業務委託や派遣社員として様々な働き方でプロジェクトに関わらせていただきました。仲間と会社を2人で経営した経験もあって「フリーランスでも活動できそうだな」と思い、独立したんです。
「もっとサービスに入り込みたい」確立してきたデザインへの思い。
エンタメ業界でパッケージ制作の仕事をしていた時に「もう少しサービスに入り込んだ仕事をしたい」と思うようになりました。代理店の下請けで仕事をしていくので、クライアントとの距離がとても遠く感じていたんです。最終的にクライアントに会うこともないですし、代理店のために何百という数のデザインを作ったりして「これって本当に必要とされる仕事なのか」という疑問を抱いていました。このトップダウンのやり方では身体も壊してしまいますし、働く楽しさを見い出せないと思っていたんです。
そのような悶々とした思いがあった中で、ゲーム会社のサービスサイトを作る仕事をしていて「これがやりたかった」と感じたことがありました。通常のプロジェクトはプロダクトが完成してから広告を考えていくのですが、今回は広告まで想定してからプロダクトを考えるという視点で進めていたんです。全体像を理解してUIに活かし、企業の課題に対しても意識が向くようになりました。自分はただデザインを作るのではなく、事業の根本を考えて人の行動を変えられるようなことをしたいのだと気がつきました。
「経営にデザインを活かす現場に触れたくて」Anywhereとの出会い
Anywhereが発足することはGoodpatchのブログをみて知りました。当時はUI/UXという言葉がだんだんと浸透し、経営にもデザインが大切だという認識がようやく広まりつつあった時期だったんです。自分はこれまでブランディングをメインでデザインをしていて「事業を良くしていく」ということを、感覚的に進めているところがありました。Goodpatchは経営にデザインを活かすという方針がしっかりしていて、そのスタンスと知見に惹かれたんです。
フルリモートでの密接なコミュニケーションは、無理だと思っていた
最初はフルリモートでクライアントと密にコミュニケーションをとっていくだなんて、正直無理だと思っていました。これまでの経験から、デザイナーはチームの外にいる意識が強く、全然イメージできなかったんです。でも実際にAnywhereの一員として動いていくと、メンバーやパートナーとどんどん距離が縮まっていくのを感じました。デザインツールであるFigmaを共有しながら一緒にイメージを描いたり、制作物の完成を見せるのではなく、未完成のものをどんどん作って検証していくと、パートナーとの目線が合っていくのを実感しました。結果的に工数を大幅に削減できて、みんなで一緒に作り上げている感覚があったんです。
そういったやり方が実現できるのも、みんなが安心して失敗できるような雰囲気があるからだと思っています。複数のデザイナーがチームアサインされることも多くあるのですが、最初は「どっちが何をしようか・・・」と戸惑うこともありました。そんな時には早い段階でお互いに手の内を明かして、自分をさらけ出せたことでスムーズに良いものが作れたんです。まるでみんなで地雷を踏みに行くような空気感ですね(笑)。チームやパートナーともフラットな関係性ですし、新しいツールもどんどん試します。そこには事業責任者である齋藤の「Anywhereではどんどん新しいことをしよう!」というマインドが大きく影響してるんじゃないかと思っているんです。
専門分野もデザインで共通言語を生み出す
数あるプロジェクトの中でも、衛星データプラットフォームの案件は印象に残っています。公式サイトやウェブサービスのインターフェースのリニューアルに取り組んでいたのですが、まずAnywhereの当初チームメンバーが4人全員デザイン会社の経営者だったのが他にない経験でした。Anywhereはフリーランス集団というイメージがありますが、僕のような経営者も多数在籍しています。今回たまたま全員が経営者だったのですが、とても珍しいチーム構成でしたね。
プロジェクト自体は、宇宙という高度に専門的かつ馴染みがない分野で、苦労することも多かったです。まず、言葉の定義や意味を勉強し、それぞれの認識をすり合わせる必要がありました。宇宙といってもジャンルが幅広く、内部メンバーの中でさえ、それぞれ言葉の定義が違っていたんです。
そのためチームメンバーや研究者が話している言葉の意味を汲み取り、新しい共通言語を生み出すことから始まりました。空中戦が発生しがちな中で、それらの言葉を足掛かりに、共通認識の土台としてデザインをアウトプットすることで、認識をすり合わせて行くことができました。言葉よりもデザインを通して会話していく中で、イメージが顕在化していくのを感じましたね。
デザインの力で、まだ見出されてない価値を見出していく
宇宙という非日常的な分野を一般に馴染みやすくするにはどうすればいいのか、またクライアントが描くビジョンをいかに体現できるのかということも、常に考えていました。「まだ価値が見出されていないもの」を具現化していくのは、とてもいい経験でしたし「デザインがあったから、やっと前に進めました。」と担当の城戸さんに言ってもらえた時はとても嬉しかったです。
このように、納品物の形が見えていない中で、みんなで落とし所を見つけながら進めていくことも多いです。「これは本当に成立するのか?」という不安もありますが、チームでパートナー(クライアント)を巻き込んで進めていいると、結果的には良いものが生まれているので、とても楽しいですね。パートナーとワンチームとなって「一緒に作っていきましょう」と言い合える環境は、とても安心感があります。
バックグラウンドが違うメンバーと、刺激しあえる環境
Anywhereではメンバーと共同作業できるのが嬉しいです。デザイナーが複数体制なのも、普通は競走になってしまうところを、チームとして同じ目標に向かっていけるのがいいですね。海外にいるメンバーもいますし、みんなバックグラウンドが違うので、同じ文化に共感したメンバーと情報交換しつつ仕事ができるのは、刺激的でおもしろいです。クライアントとのコミュニケーションなどAnywhereでの学びが、自分の会社経営にも活かされていると感じます。これからも学びを深めつつ、チームの一員としてできる限りのことをしていきたいです。
Goodpatch Anywhereでは、一緒に「デザインの力を証明する」メンバーを募集しております!インタビューを読んで少しでも気になった方はお気軽にお問い合わせください。