エンジニアがデザイン組織で発揮する「夢を現実に落とし込む力」
今回はGoodpatch Anywhere(以下、Anywhere)でフロントエンドエンジニアとして働く大畠(オオハタ)のインタビューをお届けします。優秀なデザイナーたちと働ける環境を求めてAnywhereにジョインしたと話す彼。デザイナーと共創する過程の中で、エンジニアに求められるものとは何なのか。Anywhereにジョインして1年以上が経った今、見えてきたものを語ってくれました。
「デザイナーと共創したい」とAnywhereへ
Anywhereにジョインする前から、フリーランスエンジニアとして複数の案件の開発に関わっていました。
あるとき、案件をご一緒したひとりのデザイナーさんのマインドや働き方に、強い衝撃を受けました。デザイナーの領域に関わらず、様々なミーティングに顔を出し、積極的に発言する姿がとても印象的だったんです。間違いなくそのときのチームは、雰囲気も含めてその方が作ってくれていたと思います。
一般的にウェブ開発のチームは、デザイナーよりエンジニアの割合が大きく、自然とパワーバランスもエンジニアに寄ることが多くなりがちなのではないかと思います。しかし、その方と仕事をしたとき「チームにいいデザイナーがいると、作っているものもチーム自体も、こんなに良くなるものなんだな」と驚かされました。そもそもの工程が全然違ったんです。
その体験から「デザイナーと共創したい」という気持ちが高まり、環境を探すなかで出会ったのがAnywhereでした。
今ほどリモートワークも普及していなかった当時、複数の案件を持ち、複数の場所に出社するということに限界を感じていたので、Anywhereの「状況に左右されないフルリモートの働き方」にも惹かれました。
遠慮のない発言も歓迎するAnywhereの空気
Anywhereにジョインし、正直最初は戸惑うこともありました。「デザイナーと共創したい」と言いつつ、それまでエンジニアが多数派だった環境から、そうでない環境に入ったわけですから、当然といえば当然です。
最初にアサインされた案件では、発言する際に変に遠慮したり迷いがあったりして、エンジニアとしてのバリューを発揮しきれませんでした。
案件自体は問題なく終えましたが、自分の中には少なからずモヤモヤが残り、反省もあったので、その次の案件からは遠慮なくバシバシと発言するようにしました。ちょっとうざがられるんじゃないかと思うくらいに(笑)。
前提として、自分が遠慮しない限り、Anywhereには発言しづらい空気といったようなものはありません。組織としての「いい雰囲気」はすごく大事にされていて、特にAnywhereに長くいるメンバーが、その雰囲気づくりを常にやってくれています。
なので、僕が遠慮なく発言するようになっても、そのことで嫌な顔をする人はいませんでした。それに、万が一少しずれたことを言ったとしても、その人なりの筋さえ通っていれば、きちんと指摘してくれたり、フォローしてくれたりする仲間もいます。シンプルではありますが「人の良さ」はAnywhereの最大の魅力のひとつです。
時間と場所の自由。その人がその人らしくいる自由。
僕が感じるAnywhereの魅力は「デザイナーと共創できる」ことと「人の良さ」ということの他に、大きく分けて2つあります。
ひとつは「時間と場所の自由がきき、複数の案件を行き来しやすい」ということ。
僕は今もAnywhereのクライアントワークを含めて常に複数の案件に関わっています。案件の進捗によって、稼働の配分も異なってきますし「待ち」の状態になることもあります。
なので、自宅の作業スペースにはmacを3台並べて、それを行ったり来たりしながら、各案件の作業を並行して進めているんです。元々すきま時間があると落ち着かない性格で、そのとき一番集中できそうなものに取り組みつつも、ひとつの案件に没頭しすぎないようにしながら作業しています。効率化を目指しているわけではないので、このあたりの動き方はほとんど趣味のようなものだと思ってください(笑)。
ただ、Anywhereのメンバーは、僕に限らず大体の方がAnywhere以外の仕事もしているので、みんな時間の使い方やタスクの切り替えが上手な印象がありますね。
もうひとつの魅力は、メンバーそれぞれのキャラクターをすごく大事にしているということです。
Anywhereは、ハーフコミットのメンバーが多い組織では珍しく、仕事以外のコミュニケーションも活発です。エンジニアが多い組織にはない雰囲気なので新鮮に感じましたが、なんというか、そこに「頑張っちゃってる感」のようなものがあまりないんですよね。
雰囲気づくりを大事にしながらも、それを押しつけない。押しつけないけれど、雰囲気は壊させない、といった絶妙な温度感だと思います。ただの仲良しこよしではなく「クライアントや自分たちのものづくりのために、いい雰囲気でやろう」という文化が根づいているんです。
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エンジニアのバリューは「ドリームを現実に落とし込むこと」
デザイナーが多い環境の中でも、Anywhereのようにペルソナ設定や体験構造図(※)など、開発に入る前の上流の工程からここまでしっかりやっているところは少ないのではないかと思います。
※2020年のAnywhereのアドベントカレンダーで事業責任者の齋藤が発表した「サービスを利用するユーザーの体験をKPIやファネル等の数値と関連づけて構造的に整理したもの」を指す
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クライアントの希望を聞くことが大事なのは言うまでもないですが、ただ言われた通りにやるだけでは、期待を超えることはできません。希望をふまえた上で、きちんと我々が考えたものを提案することが、Anywhereが介入することの付加価値です。
僕は個人的に、デザイナーにはとことん理想を追求して、いわばドリームを描いてほしいと思っています。それを現実に落とし込んでいくことが、エンジニアの力の見せどころであり、バリューです。
一般的には、エンジニアがアサインされるのは、実装が始まる直前であることが多いと思いますが、Anywhereでは、エンジニアもプロジェクトの初期からアサインされることが多いです。そのためエンジニアは、プロジェクトの理想を描く段階で、その後現実に落とし込む際に出てくる技術的な問題点を考え、クライアントを含むプロジェクトのメンバーに伝えることができます。
「決まったものを実装する」という点での開発に比べ、後の工程で「やっぱりできない」ということが出づらく、クライアントと共に「より良くしていく」実感を持てるのが良いところです。
エンジニアの良い文化をAnywhereにインストールする
「デザイナーのいる環境で働きたい」とAnywhereにジョインしましたが、逆にエンジニアの良い文化は、どんどんAnywhereの中に取りこんでいきたいと考えています。
特にエンジニアのオープンで明確なタスク管理の手法などは、デザイナーにとっても参考になることが多いのではないかと思います。いい意味で空気を読みすぎず、伝えるべきことをはっきりと伝える文化もそうですね。
Anywhereの高い心理的安全性の中でなら、デザイナーとエンジニアが互いの良い文化を共有し合うことができると思いますし、それはクライアントワークの質だけでなくAnywhere自体の価値の向上にも繋がるはずです。
ふり返ってみると、ひとりのデザイナーとの出会いから今日まで、素晴らしいデザイナーたちと仕事を共にすることによって、自分もエンジニアとしてより成長することができました。今後もこのデザイン組織の中で、エンジニアの自分にできることを模索し続けていきたいと思います。