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コラム 問答有用 〜新型コロナウイルス感染の予防に、マスクは必要なのか?〜

要旨

新型コロナウイルス感染の予防に対するマスクの有用性については、専門家の中でも意見は一致していない。しかし、実臨床の場においては、一定の効果があると考えている医師が多い。特に、咳や発熱などの症状を有している人は、絶対にマスクをするべきである。

医療従事者である私が、今回の騒動について、自分なりの意見を皆さんに発信しているこのシリーズ。

結局、マスクは要るのか要らないのか?

これは今、日本人、いや、世界中の人々にとって関心のあるテーマではないだろうか。

『そんなの必要に決まってるじゃんか』

とお思いの方も多いだろう。

しかし、新型コロナウイルス感染の予防に対するマスクの効果については、実は専門家の中でも意見は一致していない

なぜなら、ウイルスは非常に小さいため、マスク程度の網目構造は素通りしてしまうからだ。

そのため、予防にマスクは無意味だという意見もある。

しかし、咳やくしゃみに伴う飛沫の拡散は防ぐことができるので、一定の予防効果はある、という意見もある。

私は個人的には一定の予防効果はあるだろうと考えているが、多くの知人(医師)も、そのほとんどが効果があると考えているようだ。

ただし、飛沫の拡散を防ぐだけであり、効果は限定的なはずだということも付け加えておきたい。

マスクは、基本的に

症状のある人=感染している人が

他人にうつさないためにするもの

である。これが大前提。

不幸にして、症状のある人がマスクをしていない場合には(その人からの飛沫を吸い込まないように)周囲の健康な人が仕方なくマスクをしなければならなくなるのだ。

要するに、マスクとは

『予防のため』ではなく『広げないため』にする

ものなのだ。

実際このような観点から、WHOは2月29日付けで、新型コロナウイルス感染対策として、症状の無い人のマスク着用は必要無いという勧告を出している。

ただし、新型コロナウイルスは、不顕性感染(感染しているが、無症状の状態)の人々から、周囲の人へ感染する可能性がまだ否定されていないので、現時点では、無症状の人でも、例外的にマスクは着用した方がいいと、個人的には考えている。

しかしとにかく、優先順位は『症状のある人』

これは絶対確実なことだ。

まとめると、新型コロナウイルス感染に関し、

マスクには一定の予防効果があると考えている専門家が多い

マスクとは、基本的に『症状のある人』がするものである。

転売目的でマスクを買い占めている全ての不届き者に天罰が下ることを祈りつつ、筆を置きたい。


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