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一写一文、司馬遼太郎の言葉を嚙みしめる その三
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司馬遼太郎 (「胡蝶の夢 一」より)
「人間は、本来、猛獣かひどく気味の悪い動物だったかもしれん」
と、いった。
そのくせ人間は虎のように一頭で生きるのではなく、群居しなければ生きてゆけない動物なのである。
群居するには互いに食いあっては種が絶滅するから食いあわないための道徳というものができた。
道徳には権威が要るから、道徳の言い出し兵衛に権威を付け、いやがうえにもその賢者を持ちあげて広めた。
しかし道徳だけでは、事足りない。
人間の精神は、傷つけられやすく出来ている。
相手を無用に傷つけないために、礼儀正しい言葉使いやしぐさが発達した。
人間にとって日常とは何か。
仕事でも学問でもお役目でもなく、それぞれの条件のもとで快適に生きたい、ということが基底になっている。
仕事、学問、お役目はその基底の上に乗っかっているもので、基底ではない。
*道徳も、権威も、礼儀正しい言葉使いやしぐさも、必要に応じて自然発生的に人間世界にあらわれたんですね。
そんな風に考えたこともないから、小さい頃から道徳(モラル)や礼儀を背負って生きて来たのかな。
それがわかっていれば、もう少し軽く背負ってこれたかな、そのエネルギーを他に回せたかもしれません。
仕事が基底となって背負い過ぎてる人も多そうですね、正直、自分もその時間が長かったです。
自分の基底は何か、自分にとって本当の快適は何か、本当の幸いは何か、深く考える必要がありそうです……
*今のところの私の基底のひとつです。ご覧ください。👇