子供向け番組の曲の歌詞が深い件
しなぷしゅという番組をご存じだろうか?休日以外の朝と夕方に放送されているテレビ東京の赤ちゃん向けの番組だ。育児に奮闘しておられる方はすでにご存じかと思うが、これから出産を迎える方や某わんわん一強で育児している方は是非とも確認頂きたい。
歌や人形劇、子供の興味を引くような映像作品が流れる30分、「kemuri」や「ポップ死なないで」等の好きな人にはたまらないアーティストが楽曲提供しているのも魅力的な番組だ。特にポップ死なないでの数え歌は神曲なので是非視聴して頂きたい。今回はこの番組に登場する曲の歌詞がすごく素敵なので紹介して参りたい。あくまで個人的な解釈と感想なので作者様の意図とは違う可能性が在る事はご理解頂きたい。息子が話せるようになったらどのように感じるか親子で話してみたいと思っている。分けて書いて行くが記念すべき第一弾は。。。。
タベタイ (坂本美雨)
少し悲し気なワルツの旋律にこのサビの歌詞と料理名のみで構成されている曲「タベタイ」。食べたいがカタカナ表記なのはまだ言葉を覚えたての子供の目線での曲という事なのだろう。文字を覚えたての子供も読めるようにという配慮も伺える。曲中には世界の様々な料理が登場する。ジンギスカン、小籠包、マリナーラ、もものスープ、歌詞の中の子供が美味しいと感じたすべての料理なのだろう。ただの料理名だけの歌詞が何故深いのかと言うと料理名に調理した人が含まれる料理が在るからだ。「ジョーおじさんのピザ」「要一郎さんのからあげ」などが登場する。「ペリカンの食パン」は形がそう見えるのか、ペリカンというお店があるのだろうか?どちらにせよこの辺りが子供らしい表現でとても素敵だ。そして締めの2品に「凍える日のとんじる」「ママのおにぎり」と続き再びサビに入る。
世界の名だたる料理に負けない「凍える日のとん汁」。決して豚汁が料理として品質が低いと言っている訳ではないが凍える日がさらにおいしさを引き立ててくれる。この作中の子供にとって寒い日に食べた豚汁で世の真理を感じたのだろう。そして続くママのおにぎり。料理としては簡単な部類であるがママが作った事でそれはどんな名コックにも作れない味となる。ここに深さがあるのだ。
解釈
世界にはたくさんの美味しい物=幸せがある。そしてその幸せには様々な形がある。単純に「夢が叶う」のような幸せもあれば凍える日の豚汁のように複合的な幸福もあるのだ。頑張ったあとの成功の喜びはそれに近しい。辛い事もあるのが人生だが、辛い事のあとに待っているのは普段は気づけない幸福なのだとこの歌詞は言っているような気がした。そして「ママのおにぎり」のようにと特別な誰かがくれる幸福は唯一無二の最幸である事も説いている。料理が何であるかよりも誰が作ったのか、さらに拡大して解釈すれば幸せとは誰がくれた物かで感じ方が違うという事にもなる。
何が正しいかなんて事はこの歌詞は説いてはいないが、名だたる料理の締めにママのおにぎりが出て来る事で私が感じた事は「世界の幸福は愛で出来ている」という壮大な物だ。この曲を聴いて母のお弁当が食べたくなった。
もっとも多く繰り返される歌詞「食べたい」。食べるという行為はそのまま生きるという事に直結する。お腹が空くから何か食べたい。一見なんでもない思考ではあるが食べたいという欲求は言い換えれば生きたいという欲求だ。それなりに生きているとこの単純な動作に感じる事は少ない。だが、息子が産まれてミルクを一生懸命飲む姿に感動したのを覚えている。誰に教わったわけでもないのに、息を切らしながらミルクを飲む姿は「これからこの世界で生きて行くんだ!生きたいんだ!」という強い姿に見えた。大人とは違う、純粋で眩しい程の生きたいという欲求。それが食べるという事である。すべての大人は元子供。長く続く人生で忘れてしまってはいるが強く純粋な気持ちは今も残っているはずだ。お腹が空いて、美味しい物を食べたいと思うのだから。
最後にもう一度サビを振り返ってみて欲しい。
儚いメロディーに乗せた子供の食事の歌詞。
ここまで読んで頂けた方には「生きたい」と言う力強い言葉に見えるのではないだろうか?
日毎温かくなっては来たが凍える日をお過ごしの方もいるだろう。きっと豚汁がすごく美味しく感じると思う。お腹か空いて来たのでは?体が生きたいと言っているのなら、しっかり食べて明日も頑張ろう。
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