劇団の行方

大衆演劇のファンになって21年。客席からお芝居や舞踊を観ながら、この大衆演劇がどんどん発展して欲しい。そして劇場も連日連夜大入り満員になればいい。
どうすればそうなるのか。暗中模索しながら的を得ない意見をユーチューブ(「中高年のしるべ 井川博之」で検索)やブログで発信して来た。
これまでの(あえてそう表現)大衆演劇の役者さんは、各劇団に所属しながら舞台に立っている。最高責任者である座長さんがあらゆるマネジメントを駆使しながら統括している。またフリーと称される役者さんも少なからず存在する。AならAという劇団で舞台は踏むが劇団員ではない。ある意味劇団とは一線を引くような立ち位置で各地に同行する。こういうスタイルの役者さんはおおむね円熟した芸を見せる。指導的立場で若手の役者さんのよき相談相手とも言えよう。
それから最近は全くのフリーで、ゲスト出演という形で舞台に出る役者さんも多い。そのほとんどが元劇団座長さんである。
さてさて話しは変わるが。この度の新型コロナウィルス。その影響で各劇場は公演中止、延期あるいは一時休止とさまざまな対応がとられている。このままこの状況が続くと収益の点からいっても、ピンチの劇団さんが数多く出るのではないか。私もファンの1人として懸念している。
おそらく昔の大衆演劇の劇団さんはどんな苦難に陥っても、みんなで力を合わせて行こうとする言わば「団結思考」の時代だったと推測する。ところが現在は劇団座長さんと座員さんとのコミュニケーションと、信頼が厚くなければ役者としてのあり方に悩む人も出て来るだろう。「団結思考」よりも「分散思考」の傾向が強いような気がしている。
新型コロナウィルスが今後の大衆演劇界と役者さん個人にどのような波紋を投げかけるのか。
心静かに見守って行きたいと思う。

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