ようこそ 犬語の世界へ 犬はあなたの所有するものだとしてもその心までも所有できません。
春は一雨ごと...とはいってもまだまだ寒い日が続いたりと天候が安定せずですが強い風が吹くつど春本番に近づく気配は感じる毎日です。
COVIDー19による緊急事態宣言はまた引き伸ばされてしまいましたが、犬たちの毎日は人間のテンヤワンヤなど関係なく過ぎていきます。
うらやましいかぎりです。
さて、始めましょう、犬の話を、犬と共に暮らす誰かのところへ届くように...
ここ何日も春の陽気が続くので、犬たちと私の散歩時間は冬時間から春時間へと移行されました。
小さな会社を営む我が家は犬の散歩時間には季節ごとで設定でき、犬に少しでも快適な時間を提供できるように配慮しています。
グローネンダールのチェシアは公園猫のぎんちゃんに会うためなのか、ぎんちゃんが現れてからは午前は比較的大きな公園を選択し、午後は川の岸辺の散歩と決めているようです(ぎんちゃんとチェシアのお話は何れ)
その大きな公園でここ数日体躯の大きなゴールデンを見かけるようになりました...というか、私たちのほうが時間帯を変えたのでゴールデンの飼い主さんにしてみればこちらが新参者でしょう。
ゴールデンの飼い主さんはシニアでゴールデンは落ち着いていて顔の毛が白抜きになっているところからやはりシニアとわかり、胸毛のゴージャスさから♂であるとわかります。
お互い遠目でその存在を知りながらも、人間は軽く会釈する程度で、犬同士を近づけるまでの関係ではない数日が過ぎています。
それがある日、一気にお近づきになる機会に恵まれました(^-^)
公園の遊歩道は3mほどで大型犬のすれ違いには少々神経を使います。
大型犬が反応すれば小型犬のそれとは違い、しないかもしれないけれども大型犬の過剰な反応は極力避けたいのです。
相手に反応性がうかがえる場合は舗装されていない植え込みの裏側の道に入り、接近でのすれ違いを避けていますがその日はゴールデンが植え込み側にいるのに気づかずに、植え込みの切れたところで出会いました。
飼い主さんは“おっと!”という感じでゴールデンのリーシュを固定、私もチェシアのリーシュの長さを固定しました。
ここでの長さ固定は弛みを残さず固定するのではなく、リーシュを手繰り人が犬の脚側に着くということになります。
脚側についてもブレーキ幅になる弛みは残しておきます。
「こんにちは❗立派なゴールデンですね❗」
「ああ、こんにちは、ありがとうございます。」
「ゴールデンやシェパードといった大型犬を見なくなって久しいですね?」
「以前はこの公園にもゴールデンを良く見かけたんですが...」と、人間は軽く挨拶を交わします。
ゴールデンは9歳でやはり♂。
大きく揺ったりと盛んに尾を振りますが視線は私ではなく、グローネンダールのチェシアで、チェシアが♀であることは既にわかっているようでした。
「近づけても大丈夫ですか?」と、ゴールデンの飼い主さんが言ってきたのでチェシアを見ると、口角と耳の後方への引きはややあるものの鋭くはなく、四つの脚への体重のかけ方は平均してかけられ、尾は水平よりやや下方で保持、振りもゆったりです。
まあ、“満更でもない、挨拶ぐらいがよろしくてよ”という感じです。
ゴールデンは、はやる気持ちを自制しながらゆっくり目にそれでも興奮気味の心理はブンブンの尻尾に現れています。
ゴールデンは飼い主さんのリーシュ抑制によって正面んから近づいてきます。
チェシアは頭をすくっと上げていますが背線に緊張は見られません。
直線的に寄ってきたゴールデンがチェシアの右側に顔を下げて目を細めます。
細目ながらすぐ側にあるチェシアの頬の臭いを静かにかんでいます。
チェシアも首を下げゴールデンの耳の後ろの臭いをかんでいます。
ゴールデンはとてもジェントリーな臭いのかぎ方です。
グイグイと自分の要求を押しつけることなく、静かに静かにチェシアの臭いを嗅いでくれます。
大人な犬たちの安心して観ていられる挨拶です。
頬から肩へ、肩から側面へとゴールデンの臭いかぎは移っていきます。
そんなチェシアでもゴールデンとの至近距離の挨拶で緊張はあります。
突然とも思えるバウポーズと共にチェシアが挨拶の終了をゴールデンに伝えます。
チェシアは何事もなかったかのように地面の臭いをとりつつ、ゴールデンから離脱を選択し、私はお礼を述べてチェシアの後に続きました。
ゴールデンの飼い主さんもその場で会釈し、ゴールデンは力任せにチェシアの後を追おうという行動もありませんでした。
見知らぬ犬とのとても理想的な出会いと別れです。
次回どこで会ってもこのフタリは、お互いを安全な存在と位置づけてくれるでしょう。
犬は初対面がすべてといっても過言ではありません。
より良い初対面になるようにケアギバーの私たちは安全な挨拶ができるようにアシストする責任があります。
お互いが興奮レベルMAXであれば挨拶行動の行き違い、読み間違いが起こり闘争が勃発する懸念があります。
【挨拶は人がさせたいのではなく、あくまでも犬のペースで】
犬の散歩をしていれば犬と出会うこともしばしばですよね。
人間は言語に頼るので言葉による挨拶を始めることで、相手が少なくとも怪しいくないと認知しますよね。
季節の話や天候の話などして話題を作り自分が怪しいものでないことを伝えます...言葉で。
犬の場合は言葉によるコミュニケーションではないので、ボディランゲッジが大切なコミュニケーションになります。
犬も社会化が重要と言われて久しいのですが、社交性と社会化を同じに考え、犬同士なら挨拶をさせねばと思い嫌がる犬をごり押しの飼い主さんを見かける都度、犬はあなたではないのですよ...と心の中で呟いてしまいます。
一時、社会化期の子犬には毎日100人の様々な人に会わせ、様々な犬種に会わせることを目標にと、スローガン的なものもありましたが無闇に会わせれば良いというものでもないのです。
子犬でも自分の意思はあります。
犬の中には子犬を苦手とする大人犬もいます。
未去勢なら♀限定という♂もいます。
誰とでも仲良くする、誰にでもご機嫌に振る舞うことは社交性の一部で、社会化とはその社会で多くの不安を感じることなく、低ストレスで暮らしていけるように少しずつ馴致していく犬を迎えた人間の責務です。
尻込みしている自分の犬を前に押し出して「ほら、怖くないから挨拶しなさい」は、犬の心を無視していると言えるでしょう。
犬は法律上、個人の所有のものになりますが、その心までも所有できるわけではありません。
飼い主が喜ぶから他所の犬と関わりたいと思ってほしいなら、なおさら、安全で安心な環境を提供してほしいのです。
より良い犬同士の出会いができるよう、ケアギバーである私たちは犬たちが安心して暮らしていけるように社会化してほしいと願っています。
それは黒子のような存在でありながらも、犬たちが人社会で楽に暮らせるようにサポートすることだと思っています。
そして社会化に行き詰まったら社会化を取り違えていない、ドッグトレーナーに相談ください。
以下は英文ですが参考になりますよ(^-^)
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