コーポレート・ガバナンス関連ニュース(2020/5/18)
三菱ケミカル会長に聞く「生ぬるい日本経営には若者とアクティビストが必要だ」
【注目ポイント(記事一部引用)】小林喜光・三菱ケミカルホールディングス取締役会長、経済同友会前代表幹事がダイヤモンド編集部の取材に応じ、「日本の企業経営には“ファーストペンギン(挑戦する若者)”とアクティビストが必要」と述べ、ポストコロナの時代に改革を進める必要性を強調した。その発言の真意とは何か。
【コメント】経済同友会の前代表幹事を務め、現在も東芝の取締役会議長を務めるような方であっても、リモートで全ての仕事が回ってしまっているとのこと。それだけ無駄なことをこれまでしてきていたということでもあり、逆に生産性向上の大きなポテンシャルを発見した経営者は多いはず。コロナ前後で、働き方の変化は当然訪れるだろうが、一部の企業に留まらず多くの日本企業に変化を起こせるかが今後の日本企業復活の試金石となるだろう。
ソフバンクG、アリババ創業者マー氏去るーカリスマ役員また退任
【注目ポイント(記事一部引用)】ソフトバンクグループは18日、中国のアリババ・グループ・ホールディング創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が取締役を退任すると発表した。
株主総会が行われる6月25日付。広報担当の湯浅謙一氏は、退任は本人の意向だと説明した。ホームページによれば、マー氏は2007年6月から取締役を務めていた。ブルームバーグのデータによると、ソフトバンクGはアリババ株を25%保有している。
【コメント】17年に日本電産の永守氏、19年にユニクロ柳井氏、そして今回のジャック・マー氏の退任と長年SBGの取締役会に大きな影響を与えてきたカリスマ経営者たちの退任が続いている。取締役会自体の方向性の変化から取締役の入れ替えを行っているということであれば、まだポジティブな印象を持てるが、後任の社外取締役候補を見ても、何を変えようとしているかがはっきりせず、カリスマ経営者たちに見限られた印象を受けなくもない。コロナ禍の影響でファンド事業自体の低迷が今後もしばらくは続くだろうが、事業の立て直しフェーズに直面しているSBGにとって、取締役会よりも、カリスマ創業者兼経営者頼みという長年の同社の経営の構図は変わらないということだろうか。
外為法リスト、外れた三菱UFJ 線引き分けた「2問」
【注目ポイント(記事一部引用)】改正外為法で海外投資家が出資する際に事前審査の対象になるリストが波紋を広げている。重点審査の対象となる「コア業種」は518社あるが、3メガバンクで最も資産規模が大きい三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)だけ対象から外れたためだ。海外の投資家離れを避けたい当事者の働きかけが実ったのかと思いきや、3メガ銀を隔てたのは2つの問いへの回答だった。
【コメント】2問が何かは記事を読んで頂くとして、率直に言って財務省側と企業側の温度差の激しさを強く感じる。国益保持の観点から厳密にコア業種を選定したい財務省と株価下落要因を極力排除し、選定からできる限り外れたい企業側とで全く噛み合っていない印象だ。今後この対象が未来永劫変わらないわけではないはずだが、いつどのような時点で見直しを掛けるのか、対象業種の選定に向けて今後も議論は続くだろう。