投資6

コーポレート・ガバナンス関連ニュース(2019/11/29)

東証、親子上場の統治ルール策定へ アスクル問題に対応

【注目ポイント】東京証券取引所は親会社と子会社がともに上場する「親子上場」に関するルール整備に着手する。外部の専門家らで構成された研究会を立ち上げ、年内に議論を始め、来年前半にも骨格を示す方針。社外取締役の選解任ルールなどが軸になるとのこと。ヤフー(現・Zホールディングス)が子会社アスクルの社外取締役3人を解任する事例が発生したため、コーポレートガバナンスの強化を行う狙いがある。現在、親会社が上場する上場子会社は3月末時点で262社(野村資本市場研究所調べ)。研究会では、一般株主の保護について幅広く専門家の意見を集約してルールをまとめ、上場規則や実務指針などに盛り込みたい考えだ。東証は研究会での結論を待たず、社外取締役の独立性の判定を厳格化すべく上場規則も改定する。親会社出身の取締役を独立役員と認める条件は、親会社から1年離れていることだったが、10年に延ばす。

【コメント】記事内でマネ私が勝手に今年のコーポレートガバナンス上の3大事件(日産ガバナンス不全、LIXIL経営権争い、ヤフー・アスクルの上場子会社関係)と名付けているうちの一つであるヤフー・アスクル問題に端を発した、上場子会社のガバナンス不全に関して、どうやら大きな進展が見られそうだ。これまで法改正や上場規則からは抜けもれていた内容について、こうしてメスが入るのは良いことだ。既に日立や東芝といった大企業でもグループ内の上場子会社を本体に吸収したり、売却するなど整理は始まっており、今後は親子上場自体は減っていく可能性が高い。


ブリヂストンとTOYO、持ち合い株を相互に50%売却

【注目ポイント】TOYOTIREは28日、保有するブリヂストン株の50%を売却すると発表。ブリヂストンも、保有するTOYO株を半分売却することで合意。両社は2008年に資本・業務提携し、株式の持ち合いが続いていたが、コーポレートガバナンス・コードの改訂で政策保有株の縮減方針が打ち出されたことへの対応とみられる。

【コメント】「資本業務提携」という言葉が一般用語化しつつあるが、互いに対等な比率で出資する資本提携はメリットもあるものの、株主からすると、確かにその投資対効果を疑問視する向きもあるだろう。今年はこうした政策保有株自体の減少は進んでおり、徐々にではあるが、健全なガバナンスが実現される環境が整備されてきている。


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