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コーポレート・ガバナンス関連ニュース(2019/10/25)

米サード・ポイント、ソニーに不満表明 圧力継続へ

【記事の注目ポイント】米アクティビスト(物言う株主)のサード・ポイントは24日、投資家向け書簡でソニー経営陣に対し、不満を表明。半導体事業の分離・独立など従来サード・ポイントが提案していたことをソニーに拒否されたことに関連し「信じがたい」と批判した。株価は依然、過小評価されているとみており、株主として圧力をかけ続ける方針を示したとのこと。

【コメント】最近のもはやアクティビストが日本企業の取締役会に対して経営改善や事業ポートフォリオの見直しを迫るのは、日常茶飯事のレベルにまで達しているといえよう。取締役会としては、こうした外部からの指摘に対して真摯に対応するのはもちろんだが、仮にこうした指摘がなされていなかったとしても常日頃からその備えを行っていくことが必要になる。そして、その役割は、社外取締役が主導することを本来は期待されているはずで、今のように社外取締役を外からの「お客様」扱いしている状態からは一刻も早く脱しなければならない。


米ISSが名ばかり社外役員排除、経営監視機能を強化…来年2月にも

【記事の注目ポイント】株主総会議案への賛否をアドバイスする議決権行使助言会社で世界最大手の米ISSが来年2月にも、独立した社外取締役の最低人数を2人以上から「3分の1以上かつ2人以上」に改めるとのこと。系列企業が送り込む名ばかりの社外役員を排除し、取締役会の経営監視機能を強化する狙いがある模様。ISSが調査対象とする日本企業約3000社のうちでは、これらの基準を満たさない企業は全体の11%に該当し、これらの企業の取締役人事議案は「反対」の対象になるという。

【コメント】最近の今国会で会社法に社外取締役の選任が義務付けられること、ほぼ100%近い上場企業が社外取締役を選任している状況をみると、既に社外取締役を選任するか否かという議論は過ぎ、次は取締役会に占める割合を極力過半数以上に近づけるということが焦点となるだろう。そのための過程として今回のISSの方針変更もあるのだろうが、加えて、選ばれた社外取締役をどのような要件に基づき選んだのか、また実際に取締役会や指名・報酬委員会でどのような働きを行っているのかの「実質面」での情報開示も本来は求めるべきだろう。

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