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6040 日本スキー場開発 私をスキーに連れてイッテ⛷️

割引あり

スキー場でみんなでイッテる映画だと思っていたのですが、そもそも正しいタイトルは「私をスキーに連れてって」でした。
「連れてって」ってのが、あの時代の空気感ですよね。
「かーんち、せっくすしよ!」みたいなね。なんていうんですかね、あの時代の常に浮かれていた感じというか、明日は今日よりも良い日だと、みんなが盲目的に信じていたあの感覚。

さて、note第一弾は、6040 日本スキー場開発(以降、NSD)。

  • 日本駐車場開発の子会社として2005年設立、2015年マザーズ上場。
    長野県中心に、8箇所のスキーリゾート取得&事業再生し、運営。

  • 白馬エリア4リゾート(つがいけ、岩岳、八方、鹿島槍)で売上の半分。
    売上の7割は冬季、売上の6割は索道(リフト代)。

  • 限界利益率が高く、今後の(インバウンド効果等による)売上増を通じて、利益率の更なる逓増が期待出来る。

長野は良いところですよね
売上-施設別
HVエリア=Hakuba Valleyエリア
23/7期 営業費用内訳(固定費:54億 変動費:5億)
24/7期 営業利益計画14億 時価総額140億(2024/1時点)


単価の観点

リフト代-国内動向

売上の6割は索道(リフト代)であり、リフト代動向がポイント(残4割は、飲食/レンタル/その他)。

下記は、北海道及び白馬を中心とした各スキー場リフト代推移(手作業ネット情報集計の為、データ精度低め)。
赤-現時点国内トップレベルの価格となっているルスツ及びニセコ。
青-NSDが運営する8施設。

22-23シーズン以降、各スキー場共に大きく値上げ実施。NSD各施設も他スキー場同様の価格推移。

国内スキー場 リフト券代推移(大人1日券)
データソースは各種

ルスツは、2年で倍近い値上げを行なっているが、戦略的値上げとの事。
これがNSDでも行えると良いのだが(そして、白馬エリアならそれが出来るのでは。という期待)。

北海道留寿都村の「ルスツリゾート」は、リフト1日券を6500円から8800円にする過去最大規模の料金改定に踏み切った。電気料金や燃料費の高騰に加え、設備の新設などが重なった。担当者は「先々を見据えた戦略的な値上げだ」と説明。一部に割安なチケットも導入した。

引用元記事

リフト代-海外比較

各国のリフト代を調査。
調べた範囲の最高値は、アメリカSilverton Mountain 249ドル(金土は269ドル 約4万円。。。)。
日本のリフト代が、国際基準においては依然としてかなり安い事が分かる(一方で、ゴンドラやリフト等の各種設備がかなり見劣りする訳ですが。)

各国のリフト券代は、onthesnowにて調査
weekday, adult price 2024/1レートでJPY換算

アメリカのリフト代が異様に高い理由として、大手2社(Vail Resorts, Alterra)による市場寡占が進んでいる事があるとの事(参考記事)。
尚、米最大手のVail Resortsはルスツ及び白馬バレー(白馬エリア9スキー場)と提携を結んでおり、Vailの発行するEpic Passを利用可能。

「Epic Pass」とは、北アメリカ・カナダ・ヨーロッパ・オーストラリア・日本など8カ国66の山岳リゾートを利用することができる世界最大の国際的なスキーパスです。

Epic passとは

ちなみにVail resortsは上場しており、時価総額80億ドル(いっちょうえん)。

バフェットコードは米国企業も見れてすごい
ROICの観点ではNSDはVailと同等
しかし、PER PBR等の市場評価は半分以下

単価-まとめ

  • 単価は昨シーズンから市場全体として値上げされている

  • 世界基準で見ると日本は依然として割安

  • 今シーズンのルスツにおける1万円超のリフト代が受け入れられた場合、来シーズン以降、インバウンド客の多いスキー場は追随するのでは


数量の観点

今期計画

売上の7割はウインターシーズン(夏季比率が伸びている事はポジティブ)に発生。よって、冬季来場者数の推移がポイント。

下記は、NSD運営8施設の来場者数推移。
8施設全体では、昨シーズン152万人今シーズン164万人(前年比8.3%増)の来場見込み。
昨シーズンは、19-20シーズンと同等の来場者数であるにも関わらず高い営業利益。
これは前述した単価増効果に加え、コロナ禍を通じて実施したコスト適正化等により、より利益の出やすい体質に変化した為と感じざるを得ない事を感じざるを得ません。
信じるか信じないかは、、貴方次第。

決算説明資料及び月次資料を元に作成

白馬岩岳は各種設備投資効果により、昨シーズン来場者は、
夏季は過去最高(21万人)、
冬季も過去10シーズンで最高(12万人)。
岩岳以外の各施設も、積極的な投資を通じて来場者増に繋げていっている。

足元 12月の状況

12月の来場者数は現時点でまだ公表されていない(昨シーズンは20万人)。が、高い数値になると予想。下記を踏まえ、ごうきん予想は前年比15%増。

  • (人口降雪機利用等により)各施設共オープン日が早く、12月営業日数前年比20%増

  • 来場者数と一定の相関が観察されるGoogleトレンド数値が、前年比50%程度増。利用キーワード「hakuba ski」「japan ski」

会社資料及び各施設オープン日を元に作成
月次資料及びGoogleトレンド数値を元に作成

12月月次発表-反省と降雪量と気温

2024/1/11追記)
本日月次発表。結果は前年と同一。上記ごうきん予想大外れ。。まあ、そんなものです。理由を考えてみます。

12月月次発表を踏まえて更新

営業日数が多かったにも関わらず、来場者数は前年同一。営業日数及び来場者数をもとに、1日あたり来場者数の推移を確認。
下記は、白馬エリア4スキー場と白馬12月降雪量の関係(降雪量は気象庁から取得)。
昨年比で降雪量が少なかった点、(12月上旬の)営業日数が増えたとはいえ来場者の多くは年末に集中すると思われる点、等が要因ですかね。

気象庁データ及び月次情報等を元に作成

追加して、白馬における年間降雪量及び平均気温の推移を整理。世界全体と同様に、気温右肩上がり降雪量右肩下がりのトレンド。
30年後、白馬に雪が降らなくなったとしても、NSDは成長出来ているのか。
という点は、常に考えておく必要がありますね。

気象庁データを元に作成


過去30年を振り返る

ここで視点を少し変えて、過去30年の白馬とニセコを振り返ってみます。

今年の夏、白馬に行ったのですが、その時に10年前のニセコみたいだなとふと感じたので、その感覚を検証。

下記は、白馬とニセコの過去30年観光客数推移。

白馬村資料に加筆
目を凝らすと2016年から上向いてる雰囲気が
ニセコ町資料に加筆
2009年からwinterが回復している

10年ではないが、ニセコの5年程前を白馬が追いかけている。ような感じでしょうか。

1991年、2009年、2019年の各ポイントで比較。
ニセコは、2009年からの10年で1.4倍に。
ならば、白馬もこれから2019年比で1.4倍になれると思いませんか?

白馬村、ニセコ町、観光統計を元に作成


外国人の動向

白馬とニセコ、インバウンド客数を役場統計で確認。

下記の結果には意外性を感じました。
エリア全体ではなく、ニセコ町/白馬村という限られた範囲での統計ですが、近年は白馬が上回っています。

白馬村ニセコ町、観光統計等を元に作成 集計対象月が異なる点に注意
白馬村、ニセコ町の統計であり、周辺区域を含む白馬エリア、ニセコエリアではない点に注意

白馬村では、2018-19シーズンから大きくインバウンドが増えています。
理由は複数あると思いますが、Hakuba ValleyにおいてVailとの提携によるEpic Passの利用が可能となった時期でもあり、これらが国際的な知名度向上をもたらし、ポジティブな影響を与えたと考えています。
各スキー場の垣根を超えた、Hakuba Valleyとしての各種取り組みが良い結果をもたらしており、かつ、今後においても良い結果をもたらすのでは。と思っています。

ワールドクラスのスノーリゾートアライアンス Epic PassとHakuba Valleyの提携が2018-2019シーズンよりスタートしました。
Epic Passは、日本、北米、オーストラリア、ヨーロッパ7か国76のトップリゾートにて使用可能な国際スキーシーズンパスです。

スキー場の面積

ニセコ及び白馬の全スキー場に占めるNSD保有施設の割合(面積基準)を調査。
大きな割合をNSDが占めている。是非残り全部を手に入れて、日本版Vail Resortsとなって欲しい。
社名も、Hakuvalley Resortsになって欲しい。

各スキー場の面積に基づくマップ。
但し、参照先サイトにより各スキー場面積にばらつきがあり、データ精度はふんわり

数量-まとめ

  • 設備投資効果もあり、NSD施設の集客状況は好調

  • エリア全体としても白馬エリアは2016年以降回復傾向

  • Hakuba Valleyとしてのスキー場を跨った一体的取り組み及び国際的知名度向上により、今後も継続的なインバウンド客数増が期待出来る


少し別の観点

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