サーチライト〜遊星散歩〜公開に寄せて
人生を照らす灯ってものは明滅を繰り返すが故に道が見えたと思ったらまたすぐ見えなくなってしまったり。
そうやって僕らはどうにかこうにか微かな灯を頼りに生きていて。
その明滅も消えて灯が消えてしまった時、何も見えなくなって動けなくなって、ただ人生が停滞している様に見えてもそれでも生きることは歩む事で、必ずどんな時でも未来に進んでいて、ただ暗がりの中歩む事はその実目の前が崖である事に気付けず歩みを進めている、なんて事もあって。
気づいたらもうあと一歩で崖から落ちてしまう、なんて事にも自分じゃ分からないまま歩んでいる事もあって。
だから、だからこそどんなに微かな灯だったとしても明滅する事なく確かにあり続ける灯りがあれば遠くは見えなくとも少しだけ先はきっと照らされて。
それがどんなに微かなほの灯だったとしても。
自分の中に灯が見つからないときそんな時でも希望の灯が未来にある事も一つ大きな生きる理由になると思っていて、それはきっと何でも良くて、夢とか希望みたいな大層なものじゃなくとも、来週のジャンプ読みてーでも、もうすぐ発売の新作のスタバめっちゃ飲みたいでも、あの娘の生きてく未来を眺めていたいでも、本当に何でもよくて。
生きてく為の希望はこれじゃなきゃいけない。なんて事は絶対になくて。
自分だけしか理解出来ない灯でも、他の誰にも分からなくても自分だけが分かっていたらきっとそれでよくて。
でもやっぱりそれはあくまで自分の中にある灯じゃなくて誰かの灯で。
むしろ自分じゃない誰かの大きすぎる灯だけを見てるとそれだけが頼りになってしまったりもして。
勿論そうやって大きな灯を灯せる人が色んな人を導いていくって事もあると思うけど。
でもそれはやっぱり他人で、自分のもとに無い灯だからいつそれが消えるのか、無くなるのかは誰にも分からなくて。
それだけを頼りに歩みを続けていたのなら、その誰かがいなくなったとき、きっと目の前は暗闇に戻ってしまうから。
大切なのは自分を照らしてくれた灯を見つめるだけじゃなくて、どれだけ微かなほの灯だとしてもちゃんと誰かの灯を受け取って自分の心の中に灯を灯す事が出来るのかどうかで。
それはつまり自分自身が灯で在ること。
誰かから受け取った灯をちゃんと自分の心に灯す事が出来るのかどうかが大事で。
もし自分自身が灯になれてそれを守って強くして大きくしていけたなら、きっとその灯でまた知らない他の誰かの心に灯を灯す事が出来て。
僕らはきっとそうやって誰かから受け取った灯を、また違う誰かに灯して。
目には見えないかもしれないけど、確かにそれは存在していて。
聖火リレーの如く、世界中のみんなでお互いに灯を灯し合いながら生きていくのがきっとこの地球で。
もし誰かから灯を受け取ったのならそれを絶やす事なく、ちゃんと守って誰に何を言われても心無い言葉を言われたとしても、絶対に絶やさないで小さな灯でも両手でしっかり雨から風から守ってあげて。それで灯を大きく出来たその時はまた他の誰かの心を灯せるように繋いでいってほしい。
だからどうかね、自分を受けいれて、許して、認めて、愛してあげてね。
僕はね世界を愛していたいんだ。
だからね、愛せるような世界にしたいんだ。
でもねきっと1人じゃ難しくて。
みんながみんなが灯で在れたのなら、世界はねきっと明るくて優しくて暖かくて誰も悲しむ事がなくなるって、僕はねそう信じてるし、それが僕の消える事ない確かな灯。
#サーチライト遊星散歩